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政府沖縄政策 これでは戦争への歯止めなくなる

 トランプ米大統領来日を前後して、政府の沖縄政策、というより沖縄攻撃が激しさを増している。安倍首相の「今は対話より圧力をかけるとき」との言辞は、北朝鮮ではなく実は沖縄に向けられているのではないかと思われるほどだ。神は(この場合は悪魔とするべきか)細部に宿るというが、一つひとつの具体的動きの中に安倍政権の意思が貫かれている。一言で言えば、沖縄との民意を徹底無視し、くじくという方針だ。

 沖縄防衛局は14日、辺野古埋め立てに使う石材の海上からの搬入を始めた。海上搬入は初、陸上搬入との同時実施も初めてだ。沖縄県は、「K9」護岸を使った搬入は護岸の設計変更に当たり工事を中止し協議するよう行政指導したのに対し、小野寺防衛相は「設計内容の変更ではない」と一蹴した。今後の工事本格化をにらんだ態度と思われ、県の対応が注目される。社民党の又市幹事長は15日、「県の行政指導を無視する形の石材の海上搬入の強行は断じて認められない」と抗議する談話を発表した。

 嘉手納基地へのステルス戦闘機F35の暫定配備問題も深刻だ。基地主力機であるF15を上回る激烈な騒音に、嘉手納町議会は10日、訓練中止と即時撤退を要求する決議を採択した。「暫定配備」といっても、外来機常駐化への布石であることを、県民はこれまでの経験から知っているのだ。

 また沖縄防衛局は6日、大統領来日の手土産のごとく、「K1」「N5」の2つの新たな護岸工事を開始した。実は2護岸の間の海域で7月に希少サンゴが見つかり、防衛局は県に移植許可申請を出していたのだが、許可を待たずに工事を強行、「施工によるサンゴへの影響はない」と開き直った。13日にも絶滅危惧種のサンゴ発見が県に報告されたが、防衛局は詳細情報を明らかにしなかった。

 そしてオスプレイ。防衛省は8日、海兵隊オスプレイの重大事故(クラスA)の事故率が海兵隊機全体を上回ったことをようやく認めた。飛行時間が増えれば事故率は下がるという政府の説明は完全に破綻した格好だが、菅官房長官は政府正式発表に先立つ10月末、「事故率のみをもって機体の安全性を評価することは適当でなく、あくまでも目安の一つ」と言い放った。

 全てに貫徹しているのは県民の意思や権利、健康や安全より、安保の運用を優先する姿勢だ。戦争への歯止めとなる思想を、ここに見い出すことはできない。

(社会新報2017年11月22日号・主張より)


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