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希望の党の役割 野党分断し立憲主義破壊アシスト

 「希望の党」とは何なのか。「安倍1強政治を倒す」との言やよし、問題は政治行動の内実である。野党が、安保政策や憲法評価の違いを超えて「アベ政治」をストップしなければならないのはなぜか。改憲によらず、強引な憲法解釈変更によって集団的自衛権行使を合憲とし、戦争法制定を強行するという、政治のルールの中のルールである立憲主義を壊したからだ。これは、「立憲野党」の共闘を促進してきた「市民連合」の正式名称が「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」であることに、端的に表現されている。

 その市民連合は9月29日の声明で「立憲主義に反する安保法制を肯定する希望の党と市民連合が共闘することはあり得ない」と明言。10月10日の声明では、希望の合流者選別・排除方針を是としなかった元民進党の候補者、さらに社民、共産両党を並べて「それぞれの勇気がなければ、こうして有権者に対して暴走する安倍政権に対峙する『意味ある選択肢』を示すことはできなかったでしょう」と感謝の意を表した。希望登場は、立憲野党共闘の前進が生んだ、その最大の危機との認識が込められている。

 野党第1党に躍り出ると目されているのに首相指名候補を明示せず、「安倍なき」自民との大連立をほのめかしている希望の動きをめぐっては、公明や維新の思惑も絡み、虚々実々の駆け引きが行なわれている。この希望がどうしてふくらんだのかといえば、民進の公認取り消しと希望の政策承認をセットで元民進候補者に押しつけ、雪崩現象を起こすことによってだ。「新党ブーム」「劇場型政治」などと言われてきたメディア利用と、小選挙区制を前提とした議員操作の手法の集大成を見ている観がある。あえて言えば、民意との乖離(かいり)を意図的に作り出す政治詐術だ。

 この希望は、公約の第1に「消費税増税凍結」を掲げている。しかし、小池代表らの発言からは、増税の前提は「身を切る改革」、すなわち定数削減という名の立法権力の弱体化、あるいは「一院制」導入という名の改憲の突破口づくりという考え方がうかがわれる。国会議員という既得権者の抵抗が大きいから増税を押し切られたという言い訳も用意済みということだろう。自民の右から急進的改革を後押しする「第三極」的役割を果たしつつ、改憲大政翼賛会を展望するというのが、この党の立ち位置だろう。警戒を強めるべきだ。

(社会新報2017年10月18日号・主張より)


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