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改憲日程動揺 9条改悪反対の野党共闘で攻勢へ

 2日の都議選は、小池都知事が率いる「都民ファーストの会」が第1党に躍り出る一方、自民党が現有議席から34を減らし、それまでの過去最低をさらに下回る23議席にとどまる歴史的惨敗を喫するという衝撃的な結果となった。「安倍1強のおごり」に対する反発が高まる中で、知事のメディア露出と大量擁立で「受け皿感」を演出する都民ファーストの戦術が奏功したと言えるだろう。築地・豊洲問題にしても東京五輪の費用負担問題にしても、今後の展開は、「小池劇場」で対処できるものとはならないと考えられるし、知事本人と自民との関係が終始曖昧だったことからもうかがわれるように、安倍官邸は知事派を「五輪と改憲」に向けて連携可能な勢力と認識していると思われる。

 しかし、都議選自民大敗は、来る臨時国会中の自民改憲原案の衆参憲法審査会への提出、来年の通常国会にも改憲案の国会発議と国民投票という安倍首相が提起した改憲スケジュールに動揺をもたらしている。解散を急げば発議に必要な肝心の3分の2議席を失いかねない、衆院任期まで総選挙を延ばせば「追い込まれ解散」のリスクが高まる、その前に自民総裁選を乗り切らなければならないという状況下、首相は難しい判断を迫られることとなった。14年の国民投票法改正でも公務員の運動規制のあり方が明確にならなかったことが、公選法が適用される国政選挙との同時実施の誘因となる可能性もある。

 そうした中で懸念されるのは、首相が共謀罪導入をあおるために「テロの脅威」を使ったのと同様の手法を、9条改悪にも利用することだ。特定秘密保護法に言う「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要し、または社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、または重要な施設その他の物を破壊するための活動」とのテロリズムの定義は、殺傷・破壊活動ではないことを当然の前提とすれば、首相の政治手法の描写かと思わせるところがある。日本海沿岸の原発再稼働を進めつつ北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を強調し、公表するかどうかは別として破壊措置命令を常時発令状態にするというちぐはぐさも、脅威宣伝が第一という点でつながっている。

 併せて、野党戦線の分断工作への警戒が必要であり、この点で、小池知事派の動向への注視が欠かせない。野党共闘堅持へ社民党は汗をかかなければならない。

(社会新報2017年7月12日号・主張より)


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