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共謀罪強行 「一般人は無関係」もちこたえられず

 「共謀罪」新設法案の成立強行。最大級の非難に値する暴挙だ。安倍政権を一日も早く打倒し、この民主主義破壊・人権抑圧法を廃止しなければならない。

 参院審議の終盤、「一般人は対象にならない」との政府の看板は維持できなくなり、政府は「対象になる」事実に開き直りさえした。法の基本構造からしてそうならざるを得ないのだ。与党を採決へと突き動かした一要因でもあるだろう。

 「構成員でなくても、関わりがある周辺者がテロ等準備罪で処罰されることもあり得る」と金田法相。そもそも共謀罪で処罰される者は「組織的犯罪集団(条約によれば3人以上)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を2人以上で計画した者」なのであって、計画者が構成員であることは必要とされていない。答弁はその意味で誠に正直だと言える。

 組織的犯罪集団を共同の目的が犯罪実行にある団体と定義した上で、組織的犯罪集団の団体(共同目的を有する多数人の継続的結合体)の活動として犯罪実行のための組織(指揮命令に基づき任務分担に従って構成員が一体で行動する人の結合体)により行なわれる犯罪の実行を計画した者を処罰するという法文構造は、堂々めぐりをしているだけであり、実は「組織的犯罪集団」の定義に限定効果はない(以前の法案と変わらない)ことを示している。

 さらに、6条の2の2項の、組織的犯罪集団に不正権益を得させる目的の行為遂行を計画した者を処罰する規定。この計画の主体が、組織メンバーに限られないことはあまりに明白だ。

 また、「準備行為」を客観的処罰条件としたことによる歯止め効果も、あからさまにメッキがはげた。刑事局長は、準備行為が行なわれるという「高度の蓋然(がいぜん)性」があれば準備行為の前でも任意捜査を行なうと言明した。では、計画(共謀)が行なわれるという高度の蓋然性が認められる場合も、捜査が行なわれるのが当然ということにならないか。「既遂処罰」の大原則に大穴を開けることによる「捜査の前倒し」は、嫌疑をかけられた(実態的には「嫌疑をかけたい」)全ての人は捜査の対象というところに行き着く。「嫌疑をもたれた段階で一般人ではない」という政府答弁こそ、政府にとっての「一般人は対象にならない」ことの真の意味であり、その線引きの判断は捜査当局の胸ひとつで決まるのだ。

(社会新報2017年6月21日号・主張より)


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