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森友土地疑惑 昭恵氏喚問と交渉記録開示がカギ

 森友学園の籠池前理事長の偽証告発を求める声がかまびすしい。事件の本質と本丸(国有地の不当廉価払い下げへの安倍首相夫妻の関与疑惑)から目をそらさせるために、スケープ・ゴートを仕立て上げようという分かりやすい動きだ。一方で首相らは「悪魔の証明」「ゼロ回答」論を繰り返し、火の粉を振り払うのに躍起となっているが、これらに説得力はあるのか。

 密室での出来事について、ないことを証明するのは難しいのは確かだが、これは、籠池氏の証言がうそであるということと同じではない。だから、密室劇のもう一方の当事者である昭恵氏に、籠池氏と同条件で証言を求めるべきだという要求には何の不思議もない。

 また、ゼロであれ何であれ「回答」したという事実は、立派な関与ではないのか。加えて、あれが「ゼロ」であるという主張も疑わしい。籠池氏が公表した15年11月の昭恵氏付職員からの回答FAXでは、16年度予算措置への言及がよく指摘されるが、他にも、その時点での買い受け特約付借地契約における買い受けを実際に行なう場合は、埋設物撤去費用が「考慮される」、すなわち差し引かれるという一節がある。そして、それは実行されたのだ。

 これに先立つ9月3日の首相と当時の迫田理財局長(現国税庁長官)との会談、4日の近畿財務局などと工事業者との協議、5日の昭恵氏講演という、今では「疑惑の3日間」として知られるようになったころ、籠池氏の頭を占めていたのは、学校設立認可と用地所有が互いに前提し合っているという「ニワトリか卵か」問題の最終解決だった。

 だからこそ、学園側との交渉記録が真相解明のカギを握るわけだが、佐川現理財局長は「契約締結で事案は終了したので廃棄した」と言う(しかも、データは自動消去されたとまで言い出した)。しかし、16年6月20日に新たに結ばれた土地売買契約では支払いは10年の分割払いであり、しかも国による買い戻し特約も付いていた(そして、これも実行される可能性が高い)。つまり、「事案は終了した」どころではないのだ。

 稲田防衛相は、16年1月27日の稲田夫妻の弁護士事務所での籠池夫妻と政府側との協議に夫が同席したことを認めつつ、「記憶も曖昧で詳細は不明」だが「売却の話ではない」という奇怪な答弁をした。だがこの時期、売却への転換と値引きのからくりの話が煮詰められていたのではないか。

(社会新報2017年4月12日号・主張より)


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