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森友学園問題 政治家介入疑惑の背後に教育反動

 大阪府による森友学園の小学校設置認可は、国と府に金額の異なる工事請負契約書が提出されていたことが明るみに出て、先送りされる見通しとなった。国交省から補助金を得て財政負担を極小化しつつ、年度内認可にこぎつけたいという思惑が裏目に出た格好だ。

 同学園をめぐっては、格安の国有地借地契約や払い下げなどにより不当に利益が供与された疑いがある。しかも、国と学園側との交渉を仲介した鴻池元防災相が籠池理事長夫妻から「紙に入った物」を差し出されたという証言が事実なら、贈賄の疑いが生じる。政府は、会計検査院が検査中と言うが、検査院の仕事とは言うまでもなく売却価格の適正性という外形的なチェックだ。政府自らによる調査はもちろん、国会は国政調査権の行使をためらうべきでなく、最低限、理事長らの参考人招致が必要だ。

 森友問題のもう一つの重大な側面は、その反動的教育内容と、それに首相夫人の昭恵氏が明確に賛意を示していたことだ。園児に暗唱させる「大学」(中国の古典)の教材は昭恵氏や首相秘書が役員を務める団体から購入したものとの報道もあった。広告塔を担うだけではないつながりがあったと見る方が自然だろう。

 さらに言えば、この事件の背景には「安倍教育改革」が横たわっている。第1次安倍政権下で改悪された教育基本法は教育の目標として2条5号に「わが国と郷土を愛する…態度を養うこと」を盛り込んだ。教育委員会制度は14年に変わり、それまで教育委員長は教育委員の中から互選され、教育長は教委が任命していたのが、教育委員長と教育長は「教育長」に一本化され、首長の任命制となった。さらに首長は、教育行政の「大綱」を作る「総合教育会議」を主宰するとされ、その権限は強化された。大阪府では昨年4月から私学に関する事務が知事からその教育長に委任され、府教委事務局は「府教育庁」へと名を変えている。付け加えれば、幼稚園・保育所の教育要領・保育指針の改訂案には国旗と国歌に「親しむ」ことが明記された。

 もはや明白だろう。森友疑惑とは、自民―維新―日本会議の右翼ラインによる教育支配策動のほころびが表面化したものなのだ。その意味でも、政治家関与の解明は不可欠だ。土地代をめぐる折衝がヤマ場を迎えていたそのときに「安保法制国会通過、よかったです」と園児に叫ばせる。楽屋裏をのぞくようではないか。

(社会新報2017年3月15日号・主張より)


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