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2017連合春闘 「底上げ・底支え」春闘は時代の要請

 17春闘の本格スタート直後、厚労省は、16年の実質賃金指数が実に5年ぶりに0・7%上昇したと発表した。しかし、第2次安倍政権下で一貫して低下を続けてきた賃金水準の回復にはまだ至っていない。上がったといっても、所定内給与(基本給)は0・2%増にとどまる。また前年同月比で見ると0・4%減であり、その先行きは不透明だ。

 こうした中、連合は「月例賃金の引き上げが中小企業や非正規雇用の労働者を含め広く波及して初めて『経済の自律的成長』が可能となる」(経団連経労委報告に対する見解)として、ベア獲得にこだわる姿勢を鮮明にしている。今春闘方針の特徴は何だろうか。一言で言えば、この間訴えてきた「底上げ・底支え」「格差是正」の強調だ。

 確かに、「2%(定昇相当分を含め4%)程度を基準」とする賃上げ要求水準が掲げられているが、「17連合白書」は、高度成長インフレ時代に「総額人件費の一律の伸び追求」が有効だったのと同じ感覚で「賃上げ幅」の数字にだけ着目していては、低成長デフレ時代の課題には応えられないと指摘する。それは企業規模間および労働者一人ひとりの賃金水準格差であり、「白書」は「『物価上昇分』や『生活向上分』を賃上げの要素として考えるのは、まず賃金水準そのものが、そもそも生活ができる最低限の水準、そして社会的相場、産業あるいは地域に照らして不合理な格差のない水準をクリアしてから」だと言明する。その点を踏まえて「名目賃金の到達目標(目指すべき賃金水準)の実現」および「ミニマム基準の確保(その地域別最低到達目標が都道府県別リビングウェイジ=単身世帯および2人世帯の最低生計費=のクリア)」を重視し、具体的には、まず「誰もが時給1000円」実現などに最優先に取り組むとしている(地域別最低賃金は現状714円〜932円)。

 連合は、所得向上へ「リーダーシップを発揮する」との経営側の姿勢を評価するとしつつ、「相も変わらぬ『年収ベースの賃金引き上げ』へのこだわりや、内容の不確かな『〈創造型〉の働き方の自由度を高め』るなどの主張は、それ(労使への社会的要請)に真に応えているとはいえない」と苦言を呈している。これは、時代の要請としての「底上げ・底支え」「格差是正」との認識に裏打ちされたものであり、その確信の深さと具体性において、経営側と切り結んでいる。

(社会新報2017年2月15日号・主張より)


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