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沖縄たたき激化 米軍特権は手つかず、新基地ありき

 昨年12月、日米両政府の沖縄じゅうりんは加速するばかりだった。オスプレイは墜落事故から6日後の19日に運航を再開。翌20日、最高裁は国の辺野古埋め立て承認取り消しの是正指示に沖縄県が従わないのは違法不作為だとする「違法確認訴訟」で県側敗訴の判決。27日、政府は埋め立て工事を再開。明けて1月6日、オスプレイは空中給油を再開。稲田防衛相は前日5日、「(事故)原因を完全に特定するには至っていない」としつつ、「(米側は)再発防止策を全て実施したことを確認」とする理解に苦しむコメントを出した。

 県側敗訴の確定後、菅官房長官は、判決確定後はその趣旨に従って協力するとの昨年3月の和解条項を引き合いに出し、国に従うのは当然との態度を示したが、これはおかしい。和解条項の言う「判決」の対象は、国の是正指示の違法性をめぐる訴訟(是正指示取り消し訴訟)であり、国地方係争処理委員会は同年6月、新訴訟の前提となる違法性の判断は行なわずに双方の協議を求める決定をしたため、県はこの訴訟を提起しなかった。しかし国は7月、3月和解条項にもあった協議をしないまま、違法確認訴訟を起こした。政府は何であれ司法のお墨付きが得られればよかったのだ。

 他方、日本側当局がオスプレイ事故の現場検証をできないという実態は、日米地位協定の問題性をあらためて私たちに突き付けた。

 53年に日米行政協定(地位協定の前身)の「NATO並み」改定が行なわれたのに伴い、いわゆる「刑特法」からは基地外での米軍特権を明示する条項は消えたが、基地内または米軍財産の捜索などには米側同意が必要とする条項は残った。しかも同年、どこででも米軍財産について捜索などをする権利を日本側は行使しないとの日米合意(事実上の密約)が結ばれたことが知られている。さらにこのとき、米軍機事故時に米側は日本側の事前承認なく自由に基地外の公有・私有地に立ち入ることができるとの本物の密約があったことが、今日明らかになっている。これは、米兵の公務外犯罪でも重要事件以外は裁判権を放棄するとの合意(その後日本側は米側に非公開を要請)と同質の問題だ。

 04年の沖国大ヘリ墜落事故後に合意された「米軍機事故ガイドライン」も結局、現場検証から日本側を排除するという米軍特権の根幹を再確認するものだった。「地位協定体制」の抜本的洗い直しこそ必要なのだ。

(社会新報2017年1月18日号・主張より)


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