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もんじゅ廃炉へ プルトニウム利用きっぱり放棄せよ

 政府の原子力関係閣僚会議は9月21日、高速増殖炉「もんじゅ」について「本年中に廃炉を含めて抜本的見直しを行なう」との方針を決定した。しかし、「核燃料サイクル」の推進と「高速炉」の研究開発の計画は維持するのだという。

 おかしな話だ。核燃サイクルの中心的コンセプトは、使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを燃料にして高速増殖炉で発電を行ない、消費した以上のプルトニウムを生産することであり、「準国産エネルギー」と言われたゆえんだ。増殖しない高速炉(高速の中性子による核分裂反応が起きることからそう呼ばれる)でプルトニウムを燃やすだけでよいとするのは政策的位置付けの本質的変更に当たり、しかも、新炉を国内に設置する現実的なあてはないに等しい。

 他方、プルトニウムをウランと混ぜて普通の原発で燃やす「プルサーマル」も、現状国内だけでプロセスが回らないのに加え、プルトニウムの消費量は限られる。プルトニウム増殖を断念し、消費を目的に据えても、余剰プルトニウム問題は解決できず、プルトニウム抽出・利用政策の破綻は隠しようがない。核燃サイクルの看板を掲げ続ける意味など、もう失われているのだ。

 もんじゅをめぐってはこの間、「運転継続には10年間で6000億円必要」との情報がリークされるとともに、田中規制委員長も既存施設では新規制基準の適合性審査に合格する見通しはないとの認識を示すなど、廃炉に向けた包囲網は明らかに狭まりつつあった。だが、年末までに廃炉が決まりさえすれば、それでよいというわけではない。もともと規制委は昨年11月の対文科相勧告で、新たな運転主体の具体的特定が困難ならば「もんじゅが有する安全上のリスクを明確に減少させるよう」もんじゅのあり方を抜本的に見直すべきだとしており、もんじゅが現在抱えている危険性を低減する必要があるのだ。

 ところが、新主体探しの迷走ぶりばかりが注目される中、安全確保の問題はなおざりにされた。だから原水禁や原子力資料情報室、原子力発電に反対する福井県民会議など6団体は9月7日、もんじゅの核燃料と冷却材ナトリウムを取り出し、別の安全なところに保管するよう命じることを、規制委に申し入れている。

 六ヶ所再処理工場を含め核燃サイクルはきっぱり断念、放棄し、もんじゅの安全な廃炉プロセスに入る。これが最も合理的政策だ。

(社会新報2016年10月5日号・主張より)


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