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北朝鮮核実験 核の不安から解放されるためには

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は9日、「核弾頭の威力判定のための核爆発実験」だとして5回目の核実験を強行した。「核弾頭の標準化・規格化」と称して核弾頭量産を宣告しており、核搭載弾道ミサイルの脅威は現実のものとなりつつある。安倍首相は「新たな段階の脅威」と語ったが、この認識はその限りで正しいものだと言える。

 問題は、ではどうするかだ。「わが国の近隣に無法者国家がある」(菅官房長官)と非難のトーンを上げ、制裁一辺倒、すなわち経済制裁と軍事的圧力を強化するとともに、モグラたたきよろしく、制裁の抜け穴は中国だとして責任を転嫁するだけでよいのか。米軍は13日、核搭載可能な戦略爆撃機を韓国に派遣した。緊張が激化する中、もし偶発的であれ核の絡む軍事衝突が起きれば、北東アジア諸国民の破滅につながるという危機感が関係国指導者にあるのかが問われている。

 北朝鮮は7月6日、3年ぶりに「朝鮮半島の非核化」に言及する報道官声明を発表し、核による威嚇や核使用をしない約束を米国に要求した。ところがその直後、米財務省は金正恩国務委員長らを制裁対象にしたと発表。北朝鮮は「公然たる宣戦布告」と猛反発し、両国間の全外交ルートを遮断。昨年12月以来続いていた米朝非公式協議は中断した。先の核実験は、米国が「戦略的忍耐」などと称して北朝鮮の主張を黙殺し、これにメディアも追随するという状況が続く中で起きたことは、客観的事実だ。米朝2国間対話、さらに6ヵ国協議の再開に向けた努力こそ、最優先ではないのか。

 自国の安全を確保するためには核武装が必要だという北朝鮮の主張を、社民党は認めることはできない。だが、この主張は全ての核保有国の言い分であることも確かだ。日本のように非核国だが米国の「核の傘」に依存する国にとっても、人ごとではない。日本は、北朝鮮からの核以外の攻撃に対して米国が核で報復すること、すなわち核を先制使用することに反対していない。つまり、北朝鮮を核で先制攻撃しないと米国が確約することに反対している。これで北朝鮮に核開発を放棄させるための論理的整合性、ひいては成算があると言えるのか、大変疑問だ。

 韓国では独自核武装論や核の米韓共同管理論が浮上している。核武装の連鎖と、核使用の不安から北東アジア諸国民が解放されるためには何が必要か、本気になって考えるべきときだ。

(社会新報2016年9月21日号・主張より)


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