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ヘリパッド強行 米軍のため住民蹴散らす横暴糾弾

 沖縄・高江のヘリパッド建設を強行する政府の姿勢は、権力意思の貫徹に向けた強固な構えを示すとともに、暴力的弾圧への憤激を全国に巻き起こしている。

 ヘリパッド建設の狙いは何か。政府は、海兵隊がジャングル戦闘訓練を行なう北部訓練場の過半の返還に伴うものであり、負担軽減の一環なのだという。だが、海兵隊は「使用不能な北部訓練場を日本政府に返還し、新たな訓練場の新設などで土地の最大限の活用が可能となる」と、その本音を明確にしている。すなわち、基地機能強化そのものだ。

 これを象徴するのが、オスプレイによる使用だ。07年に行なわれた沖縄防衛局の「自主アセス」(国も当時の沖縄県もアセス法・条例の対象ではないとした)は、オスプレイについて触れなかった。つまり、隠していた。7月21日に採択された県議会意見書が、県議会はオスプレイ配備撤回・海兵隊撤退を求める意見書を可決してきたと指摘した上で「海兵隊の訓練施設であるヘリパッド(オスプレイパッド)建設は到底容認できるものではない」と主張しているとおりなのだ。

 実は、03年に奄美・琉球諸島が世界自然遺産候補地となったとき、「希少種が多い(沖縄本島)北部地区に米軍基地が存在し国内法が及ばないこと」を理由として登録推薦が見送られた。ところが政府は今年6月、返還対象ではない訓練場の存続とヘリパッド新設を前提として、返還予定部分の「やんばる国立公園」への指定を決定し、訓練場を除く範囲を自然遺産に推薦するという動きを見せている。生物多様性と地域共同体を壊した上で自然遺産に推すというのは、ブラックジョークの類いではないか。

 権力以外の何ものをも信じない安倍政権の冷笑主義的態度は、米軍属による女性暴行殺害事件を契機に菅官房長官をキャップとして設けられた「沖縄県における犯罪抑止対策推進チーム」の実態によく表れている。同チームの名で防衛省と各地の防衛局から動員された約70人は、防犯パトロールには1日も参加せず、高江の反対運動への監視と警備に当たっていたというのだ。同チーム設置の目的はもちろん、地位協定改定要求をかわすことにある。同時に、立ち上げの時期と動員準備期間を考えると、初めから住民弾圧を狙いとしていたのではないかと疑われる。

 国民の守護者然として耳障りのいい言葉を連発する安倍政権の酷薄さは、徹底的に暴露されるべきだ。

(社会新報2016年8月17日号・主張より)


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