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野党共通政策 「アベ政治」に対する対案パッケージ

 社民、民進、共産、生活の野党4党と「市民連合」は7日、政策協定を結んだ。その内容は、野党と市民の共闘の立脚点である「安保法制の廃止と立憲主義の回復」、その前提としての「与党と改憲勢力の3分の2議席獲得阻止」に加え、「個人の尊厳の擁護を実現する政治」として、「公正で持続可能な社会と経済をつくる」観点から、格差・貧困の解消、保育士の処遇改善、教育費負担の軽減、正規・非正規労働者の均等待遇、最低賃金引き上げ、女性への雇用差別の撤廃と男女賃金格差の是正などを掲げたものだ。さらに、応能負担原則に基づく公平な税制の実現、TPP(環太平洋経済連携協定)反対、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設中止、原発に依存しない社会の実現に向けた地域分散型エネルギーの推進などが盛り込まれたことも、注目に値する。

 またこれに先立つ1日、4野党は幹事長・書記局長会談で、安倍政権の進める改憲や来年4月からの消費増税に反対するなどの一致点を確認するとともに、先の通常国会で共同提出した法案の内容実現を目指すことでも合意した。これには、全産業平均賃金との格差を埋める介護や保育労働者の賃金引き上げ、特別条項付き36協定(時間外・休日労働協定)があれば事実上青天井の残業時間に上限規制をかける法案なども含まれる。これらが全体として4野党の共通政策を構成しているのであり、「戦争法廃止だけ」ではないのはもちろんのこと、「アベ政治」への対案パッケージとして、与党の薄っぺらな「野合批判」をハネ返す体系性と内実を備えているのだ。

 だが、これで事足れりとするわけにはいかない。ここまで野党間の連携が進んだのは、市民の後押しに加え、そのテコとなったところの、情勢への市民と野党の危機感の反映でもある。安倍改憲を阻止する参院3分の1議席は81議席。しかし、前回13年選挙で当選した(つまり今回非改選の)現在4野党に属する議席に、無所属(沖縄社大党)の糸数慶子さんを加えても、28議席にしかならない。最低でも53議席をもぎ取らなければ、3分の1には届かないという計算になるのだ。

 いよいよ本番。都合のいい数値だけをつまみ食いし、アベノミクスの「成果」を語る与党側こそ、現状認識から処方せん提示にわたり支離滅裂と言いたいところだが、それは具体的問題に即して語られるべきだろう。結果を出す選挙にしよう。

(社会新報2016年6月22日号・主張より)


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