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オスプレイ投入 まず「例外扱い」をやめるべきでは

 4月18日に始まった、オスプレイ投入を含む米軍による熊本地震救援の輸送支援活動が同23日、終了した。自衛隊は約60人乗りの大型輸送ヘリCH47を約70機保有しているのに、なぜ約30人乗りのオスプレイなのかとの疑問の声に、政府が答えたとは言えない状況だ。

 そもそも安倍首相は17日朝の段階で「直ちに米軍の支援が必要という状況ではない」と述べたことが報道されていたのに、昼前には「直ちに実施したい」に態度を転換した。米軍から申し出があったとされるが、どちらから言い出したにせよ、共通の目的があったことは、その後の展開から明らかだろう。オスプレイは熊本沖合に派遣された海自ヘリ空母「ひゅうが」を発着拠点とし、熊本市の陸自西部方面総監部には日米共同調整所が設置された。平時からの日米一体化をうたう昨年改定の新日米ガイドライン(防衛協力指針)の実践そのものではないか。

 そうはいっても救援活動なのだから、あまり目くじらを立てなくても、と感じる向きもあろう。しかし、オスプレイはそもそも災害救援に適しているのか。南海トラフ地震対応を掲げた高知の日米共同統合防災訓練に、オスプレイは13年からの3年連続、参加を見送っている。最初の2回は天候を理由に自ら参加を断念し、昨年は5月にハワイで起きた墜落死亡事故の原因が不明だとして、県から事実上参加を拒否されたのだ。オスプレイの安全性問題に関して県知事は、水平(固定翼)モードから垂直(ヘリ)モードに転換する際の不安定性にもはっきり言及している。逆に言えば、本土での低空飛行訓練実現に向けた実績作りは、日米の関係当局者の悲願なのだ。

 オスプレイの運用実態がどういうものか、あらためて確認しておこう。米軍基地内でのみ垂直モードで飛行する、低空飛行訓練は150b以上で飛行するなどとした、普天間配備を翌月に控えた12年9月の日米合同委員会合意は全く守られていない。日本の航空法が米軍機にはほとんど適用除外されているという根本問題がある中でも、国交相への飛行計画の通報義務は適用されているにもかかわらず、自治体には情報が提供されていない。そもそも政府は米軍機訓練飛行ルートの存在さえ、米軍の運用に関わる問題を明らかにするよう日本から求めることはしないとの態度を貫いてきた。こういう状態で自治体は、住民は、受け入れてくれという方が無理なのだ。

(社会新報2016年5月11日号・主張より)


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