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辺野古訴訟和解「柔軟ポーズ」ではなく対米交渉を

 国交省は16日、翁長沖縄県知事の辺野古埋め立て承認取り消しの撤回を求める「是正の指示」をやり直した。4日の福岡高裁那覇支部での代執行訴訟の和解成立後、和解条項8項の「円満解決に向けた協議」を行なわないうちから、同省は7日に是正指示を行なったものの、指示書に不備があるとの県の指摘を受け、いったん撤回となったのだ。国側の焦りを示す事態だ。

 4日の和解により沖縄防衛局は、知事の取り消し処分を不服とした審査請求と処分の効力停止を求めた申し立てを取り下げ(よって知事の処分の効力を停止した国交相決定の取り消しを求める県による抗告訴訟の理由はなくなった)、埋め立て工事を中止した。仮に代執行訴訟で国は代執行の要件を満たしていないとの県勝訴判決が出たとしても、それが直ちに知事の処分が適法と認められることを意味しない以上、県側の勝利的和解を国にのませた要因は何なのかについて、種々の見方が提起されている。

 が、1月29日の和解勧告文で裁判所が、国と地方の対等をうたった地方自治法の「改正の精神にも反する状況」と指摘したこと、裁判が続く中で県の設計変更承認が必要となった場合は「知事の広範な裁量が認められて(国が)敗訴するリスクが高い」と明言したことは大きかったのだろう。

 では、今後の展開のポイントは何か。和解条項9項に、提訴へのプロセスが始まった是正指示取り消し訴訟について「判決確定後は、直ちに、同判決に従い、同主文およびそれを導く理由の趣旨に沿った手続きを実施するとともに、その後も同趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することを相互に確約する」とあることを、国側が盾にしてくると言われている。これに関して知事は8日の県議会答弁で、和解の対象は代執行訴訟と(知事の処分の効力停止を決定した国の関与に対する県の審査申し出を却下した国地方係争処理委員会の決定を不服とする)関与取り消し訴訟の2件だとし、「今後、設計変更などいろいろある。法令などに従い適正に判断することに変わりはない」と明言、仮に新訴訟で敗訴しても知事権限を行使して闘い続ける構えを示した(社民党の仲村未央県議への答弁)。

 流れは明らかに狭い法律論争の枠組みを超えて、和解勧告文が「オールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべき」だとしたように、政治の決断を求めているのだ。

(社会新報2016年3月30日号・主張より)


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