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北朝鮮核実験 核放棄要求する日本の構え整えよ

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が6日、06年以来4度目となる核実験を強行して以降、米軍が10日に核兵器搭載可能な戦略爆撃機B52を韓国に単独派遣し、12日には米下院が金融制裁復活を柱とする追加制裁法案を可決するなど、東アジアの緊張は激化の一途だ。韓国では与党幹部が核武装を公然と主張し、日本も独自制裁の強化を検討するとともに、強力な安保理制裁決議が必要だとしている。

 「核兵器による非人道の被害を受けた被爆者は、いかなる理由をつけようとも北朝鮮の核実験に強い怒りをもって厳しく抗議する」(6日の被団協緊急抗議声明)。すなわち、いかなる国のいかなる理由であっても、核兵器によって自国の安全を確保しようとする考え方は非難されるべきであり、改められるべきである。だが、問題はこれからであり、「北朝鮮の挑発行動は許容し得ない」(安倍首相)と繰り返すだけでは、事態は動かないのが現実だ。

 第1に、核放棄への道筋をいかにつけるのか。この点では、08年12月以来6ヵ国協議が開かれていない、つまり理由はともあれ、北朝鮮を含めて安全保障論議を行なう東アジア共通のテーブルが機能していないことは、決定的に重要だ。朝鮮戦争休戦協定を平和協定へと転換し、法的な戦争状態を終結させるべきだとする北朝鮮の主張それ自体は正当なものであり、これがなぜ考慮に値しないと言わんばかりの扱いを受けるのか、理解に苦しむ。日本は国際対話の場の設定に努力すべきであり、それは北朝鮮に核放棄を要求することと矛盾するものではない。

 これと関連することだが第2に、日本の非核の主張は国際的に説得力を持ち得ているのか。昨秋、日本が国連に提出した核廃絶決議案採択で米英仏が棄権に回るという事態が起きた。米国の「核の傘」への依存を続け、国際法上の核兵器禁止を求める決議案には「時期尚早」として棄権しつつ、核の法的禁止論の根拠となっている核の非人道性に言及した決議案を出すという、首尾一貫しない態度の矛盾が露呈した瞬間だった。

 昨年末に日印首脳が締結で合意した日印原子力協定はどうか。NPT(核不拡散条約)未加盟のインドに核保有国としての地位を認めることを前提に原子力協力を行ない、再処理容認にもつながりかねない協定の行方を北朝鮮が(さらには韓国も)注視しているとは考えないのか。二重基準は通用しないのではないか。

(社会新報2016年1月20日号・主張より)


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