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開会要求拒否 国会の軽視は憲法無視体質の一部

 戦後最長の95日間、会期が延長された通常国会が9月27日に閉会して以降、国会が開かれていない。政府・与党は「首相の外交日程を優先せざるを得ない」などとして、野党5党が10月21日、憲法53条の規定に基づき、議員125人の連名で衆院議長に対して召集要求を行なったにもかかわらず、開催を拒否し続けている。

 憲法53条には「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」とある。確かに、召集時期については規定されておらず、その決定は内閣に委ねられているとは言えるが、内閣には臨時国会の召集義務が課せられていることは明らかであり、通常国会早期開催をもって臨時国会に替えてよいと読むことはできない。

 菅官房長官らは、憲法53条による召集要求があったのに臨時国会を開かなかった先例として、03年の第3次小泉内閣の例を挙げ、現状を正当化する。しかし、このとき召集要求が行なわれたのは11月27日である。当時の内閣法制局長官は、憲法53条の解釈について「召集のために必要な合理的な期間を超えない期間内に召集を行なうことを決定しなければならない」と定めたものとの見解を示した上で、「この合理的な期間内に常会の召集が見込まれるというような事情」があれば、臨時国会を召集しなくても憲法には違反しないと答弁した。召集の準備期間とは関係ない理由を挙げて開催を拒否するのは、従来の政府憲法解釈とも相いれないということになる。

 その第一の理由となった外交の場で、安倍政権は何をやっているのか。安倍首相は11月19日の日米首脳会談で、日米の南シナ海共同警戒監視への自衛隊参加について「検討する」と明言した。中谷防衛相は同6日のベトナム国防相との会談で、同海をにらむカムラン湾の基地に海上自衛隊艦船を寄港させることで合意した。これらのことは、4月27日合意の新日米ガイドライン(防衛協力指針)に盛り込まれた情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動協力への布石であり、戦争法が施行される前から同法の発動態勢をつくるものとの評価は免れないだろう。

 首相は防衛協力指針改定直後、法案の国会提出前に米議会演説でその成立期限を約束した。安倍政権とはそういう政権なのであり、その筋金入りの国会軽視は、憲法無視と一体なのだ。

(社会新報2015年12月2日号・主張より)


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