HOME広報社会新報・主張・一覧>埋立取消処分停止 なりふり構わない沖縄の民意圧殺

広報

社会新報・主張

社会新報

埋立取消処分停止 なりふり構わない沖縄の民意圧殺

 辺野古基地建設強行に向けた安倍政権の暴走が加速している。翁長沖縄県知事による埋め立て承認取り消し処分に対し、石井国交相は10月27日、処分の効力停止を発表、翌28日には県に対して取り消しの是正勧告を行なった。さらに政府は27日、是正が行なわれない場合に備えて代執行手続きに入ることを決定し、沖縄防衛局は29日、埋め立て本体工事に着手した。沖縄に対する攻撃は、常軌を逸していると言うほかない。

 そもそも、行政機関の処分で不利益を被った国民(一般私人)の救済を目的とするはずの行政不服審査法に基づき、国の行政機関である沖縄防衛局が「私人」の顔をして同じく国の行政機関である国交相に処分停止の申し立てや審査請求を行なうことは、明らかに法の趣旨を逸脱しており、制度の濫用(らんよう)だ。

 来年施行の改正同法7条2項には「国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為については、この法律の規定は、適用しない」と定めている。同法改正はこれまでの運用上の解釈を明確にするためのものとされており、「固有の資格において処分の相手方となった」行政機関が当該処分の審査請求をすることを法が予定していないことは明らかだ。そして従来、「固有の資格」とは「一般私人が立ち得ないような立場にある状態」を指すものと解されてきた。

 そこで公有水面埋立法を見れば、沖縄防衛局が一般私人ではないことが一層明白になる。埋め立て事業主体が私人であれば知事の「免許」が必要となるが、国の場合は(取り消された)「承認」だけでよいのだ。政府は恣意(しい)的脱法行為を即刻やめるべきだ。

 他方、工事を環境面から監視する「環境監視等委員会」の委員4人が就任後、新基地建設関連事業受注業者側から寄付を受けていたことが発覚した。さらに、受注業者の1つのコンサルタント会社が同委員会の運営業務も受注していた。このコンサルは防衛省や国交省からの出向先ともなっており、中立性や客観性という点で、不服審査請求と同様の「お手盛り」疑惑がある。加えて、この委員会設置は前知事が埋め立て承認の条件として求めたものであり、これが6月以降機能していないことも、承認取り消しの根拠になり得る。これでも強行するつもりなのか。

(社会新報2015年11月4日号・主張より)


HOME広報社会新報・主張・一覧>埋立取消処分停止 なりふり構わない沖縄の民意圧殺