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自民勉強会 沖縄差別と戦争法制定推進は同根

 自民党議員勉強会で沖縄地元紙2紙をはじめとする報道機関を恫喝(どうかつ)したり沖縄県民をおとしめる発言が行なわれた問題で、安倍首相は3日、問題発覚後1週間たってようやく、「国民に対しても申し訳ない気持ちで、沖縄の皆さまの気持ちを傷つけるとすれば申し訳ない」と陳謝した。しかし、この謝罪の前提となる認識が「沖縄県民の思いに寄り添って負担軽減、沖縄振興に力を尽くしてきたわが党の努力を無にするかのごとき発言が行なわれた」というものだとすれば、そこに反省は見られない。多言は無用と思うが、辺野古問題の経過一つとってみても、自民党がいつ沖縄県民の思いに寄り添い負担軽減に努力してきたと言えるのか教えてほしいものだ。

 講師を務めた百田尚樹氏の沖縄認識がひどすぎることは言うまでもないが、さらに問われるべきは、こういう見解が形成され表出される背景だ。百田氏は「本当に沖縄の2つの新聞社は絶対つぶさなあかん」と述べたのに続き、「沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」と語っている。軍拡や戦争のきっかけが欲しい。そのためには沖縄を再び「捨て石」にしても構わないと言っているに等しい。ほとんどの戦争が権力による情報操作から始まっていることを考えれば、報道威圧と沖縄捨て石発言は見事につながってくる。そればかりでなく、安倍政権の秘密保護法制定、さらには「公益および公の秩序を害することを目的とした」表現活動や結社は認められないとした自民党改憲草案とも共振し合う関係にある。

 百田氏は「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。基地の周りが商売になるということでみんな住みだした」「基地の地主たちはみんな大金持ちなんですよ」などと、すぐに事実とは異なると分かる発言もしている。こうした言動に関して6日に那覇市で行なわれた戦争法案参考人質疑で琉球新報社の高嶺朝一前社長は「全部米軍統治者が陰で言っていた話、論理、風評のたぐい。占領者が統治するために組み立てた風説」と述べ、そこに「占領者の論理」を感じ取れると指摘したことは重要だ。ほかでもない首相応援団の面々のメンタリティこそ沖縄にとっての「占領者」と同質であることが示唆されているからだ。

 戦争とは、占領する権限をめぐる権力者同士の争いであるという本質を思い出させてくれるではないか。

(社会新報7月15日号・主張より)


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