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日韓条約50年 「65年に解決済み」論は既に空洞化

 日韓両国は6月22日、国交正常化50周年を迎えた。しかし、両国間の最大の懸案となっている「慰安婦」問題など植民地支配に起因する諸問題の解決について、日本政府は「日韓請求権協定で解決済み」との「原則的立場」を繰り返すのみで、両国はいまだ関係改善の糸口をつかむに至っていない。

 だが、この半世紀、何も変わらなかったということではない。韓国政府は05年、国交正常化に向けた日韓会談の文書公開を受け、@「慰安婦」問題等の反人道的不法行為については請求権協定で解決されたとみることはできず、日本政府の法的責任が残っているAサハリン残留者や被爆者問題も同協定の対象に含まれていないB強制動員被害者(徴用工)の補償については韓国側が「政治的次元」で補償を要求した結果、日本からの無償資金3億jの中には補償の性格を持つ資金が「包括的に勘案されていたとみるべき」だが、74年制定の対日民間請求権補償法に基づく補償は不十分だった  として、未申告者を対象に追加支援措置を講じた。11年には憲法裁判所が、「慰安婦」被害に関して日韓間で協定解釈上の紛争が存在するのに解決の努力を払わない不作為は違憲との決定を下した。続いて12年には大法院が、強制動員被害者の個人請求権は「消滅していない」との判決を出し、現在、元三菱重工徴用工が起こした裁判が二審判決まで進んでいる。

 日本でも、93年河野談話が「慰安婦」問題の強制性と軍の関与を認め、95年村山談話は植民地支配と侵略への反省とおわびを表明。10年菅談話は「その意に反して行なわれた植民地支配」と韓国併合の強制性を認め、植民地支配の不当性とその責任の認定は、政府の公式見解となっている。合法正当の立場に立っていた50年前とは変わっているのだ。

 「慰安婦問題協議が進展」との朴槿恵大統領の6月13日の言明の真相は分からないが、昨年1月以来行なわれた「慰安婦」問題に関する日韓局長級協議は8回を数えており、これは「解決済み」一辺倒ではできないことだと見ることもできる。95年設立の「アジア女性基金」による「償い金」を韓国政府の認定被害者の3分の2以上が受け取っていないことも、その評価は別として客観的事実であり、日本の謝罪事業が完結していないことを示すものだ。

 両国政府が「慰安婦」問題解決へと踏み出せば、それは不可能ではない。多くの人々が協力するだろう。

(社会新報7月8日号・主張より)


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