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辺野古基地建設 沖縄戦後史への鈍感さ許されない

 翁長沖縄県知事と菅官房長官との会談が4月5日に、安倍首相との会談が同17日に、ようやく実現した。

 この内容で注目すべきは、翁長知事は(若干の言い回しの差はあるが)2回とも「沖縄は自ら基地を提供したことは一度もない」と述べたことだ。沖縄の苦難の戦後史を背負った発言だ。官房長官と首相はその重みを理解できたのだろうか。

 知事は2回ともはっきり触れているが、沖縄における基地のための土地強奪は、沖縄戦に伴う軍事占領の結果として生じた(これは戦時国際法違反とされるが)だけではない。52年に対日講和条約が発効し日本が主権を回復すると、米軍は「銃剣とブルドーザー」による土地強奪を再び強化した。これに端を発したのが「島ぐるみ闘争」であり、その激しさは、「地代一括払い」という米軍の事態収拾策を断念に追い込んだ。話を辺野古に戻すと、公有水面を埋め立て県民の権利が及ばない国有地を造成するというこそくな形で、県民の海と浜辺を奪うことは絶対に許されないと、知事は明確に言っているのだ。

 知事は官房長官との間で、例の「粛々」発言と絡めて「沖縄の自治は神話にすぎない」との63年のキャラウェイ高等弁務官発言に言及した。この含意についても指摘がある。会談場所となった沖縄ハーバービューホテルは、キャラウェイが演説した将校クラブ(ハーバービュークラブ)の跡地に建てられたものだからだ。これも知事は指摘しているが、一昨年、沖縄が本土から切り離されて米軍政下に入った講和条約発効の4月28日を「完全な主権回復の日」として式典を行なったのは、当の官房長官であり首相だ。沖縄の戦後史への政権の鈍感さは、会場一つとってみても表れていると、多くは受け止めている。

 会談のポイントはいくつかあるだろうが、官房長官との会談で「私は辺野古の新基地は絶対に建設することはできないという確信を持っている」と宣言した後、「(島ぐるみ闘争で示された)県民のパワーというものは、私たちの誇りと自信、祖先に対する思い、将来の子や孫に対する思いというものが全部重なっていますので、私たち一人ひとりの生きざまになってくる」と述べたくだりは、ハイライトだったのではないか。知事は続けて「絶対に建設することは不可能」と、自らに言い聞かせるように繰り返した。この言葉を自分のものにできるかどうかが、私たちに問われている。

(社会新報5月1日号・主張より)


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