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安倍改憲策動 2020年体制展望した段階戦略

 自民党は8日に開いた党大会で、「憲法審査会や各党と連携し、憲法改正原案を検討、作成することを目指す」とする運動方針を決定し、「憲法改正賛同者の拡大運動を推進する」と、護憲運動に対抗する改憲草の根運動の推進を掲げた。

 これに先立つ2月初め、安倍首相は改憲国民投票の実施時期について、来夏の参院選後が「常識」とブチ上げ、同月下旬の予算委答弁では「いよいよ条件が整ってきた。より幅広く議論が進み、どういう条項で国民投票にかけるか、発議するかに至る最後の過程にある」との認識を示した。同党憲法改正本部では、国民を投票慣れさせるための最初の改憲対象として、改憲を志向・容認する各党の合意が得やすく、国民の抵抗感も薄い項目である環境権や緊急事態条項、財政規律条項を念頭に置きつつ、項目絞り込みに向けた国会論議に着手するとしている。

 しかし、これらの条項導入に関する議論は今に始まったことではない。環境権については、裁判に訴えることのできる権利として措定されるのか、それとも一般的な国などの責務条項なのか。緊急事態条項(国家緊急権)については、まさに国民保護法など一連の有事法体系のひな形とされたように、災害対策基本法は内閣に一時的立法権を認めるなどの規定を整備しており、これに加えて憲法上の規定を置く必要性があるのか疑わしい。財政条項は、政府の財政政策を実際に制約できるのか疑問がある一方、大衆増税や社会保障抑制、地方財政圧迫のテコとして使われるだけではないのか。こうした指摘は改憲問題の浮上以降、一貫して行なわれてきたが、改憲草案を有する自民党が、これらに対してまともに応えてきたとはとても言えない。

 首相の改憲工程表を予想するとき、昨年末の解散強行の意味があらためて浮かび上がる。(参院での与党3分の2獲得を確かなものにするための来年衆参ダブル選の可能性に含みを持たせつつも)安倍政権は衆院4年任期を手にしたのだ。その先には、首相が汚染水は「アンダー・コントロール」と世界にはったりを効かせてまで手中にした20年東京五輪がある。首相が目指す「2020年体制」の日本とはどういう社会か。原発に回帰し、近隣諸国との強い緊張下で、戦争ができる法制度を持ち、一人ひとりにマイナンバーを振って管理・監視する。平和憲法はもうない。そんな近未来を許してはいけない。

(社会新報2015年3月18日号・主張より)


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