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改憲策動阻止 武力行使の歯止め欠落の追及から

 安倍首相はいよいよ改憲の野望を隠さなくなった。昨年12月の第3次内閣発足にあたり首相は「憲法改正は歴史的チャレンジ」と改憲への意欲を強調した。また、1月5日の年頭会見で首相は「新たな安全保障法制を整備する」と語った。

 これら一連の発言は、首相がなぜ昨年12月、解散を強行したのかという事情の一端を示している。改憲には「あと2年」では足らず、「あと4年」のフリーハンドが欲しいのだ。この間に平和憲法の外堀を埋め、最低でも改憲への道筋を確かなものにしたいのだ。そのための重要なステップが集団的自衛権行使の手続きを法定する安保法制整備だ。

 昨年7月に閣議決定された武力行使の新3要件について、集団的自衛権行使にあたっては「これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」との枠がはまっているので、これは実質的には個別的自衛権行使と変わらないとする擁護論が公明党などからはしきりに繰り返されている。しかし、今後の法整備において問題となるのは、法文上の概念規定が何を限定することで、逆に何をすることを許容してしまうかであり、「明白な危険」の語感が強いかどうかなどという印象論ではない。

 そのことを教訓的に示すのが、(今回改正が予定される)武力攻撃事態法の03年制定時の議論だ。政府当初案で武力攻撃事態は「武力攻撃(武力攻撃のおそれのある場合を含む)が発生した事態または事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」と定義された。法案修正で武力攻撃事態(武力攻撃が発生した事態または武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態)と武力攻撃予測事態(武力攻撃には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態)が分けられたが、予測・おそれ・武力攻撃の3事態構造は維持された。

 法案審議では予測・おそれ事態と重なる周辺事態での米軍後方支援と憲法との関係などが問題とされた。政府は、当時の自衛権発動3要件に合致しない限り日本の武力行使や米軍の武力行使と一体化する支援は行なわないが、予測・おそれ事態において武力攻撃排除の準備行動は行なうことは可能、などとかわした。

 見てのとおり新3要件下でこのときの歯止めは存在しない。言葉遊びにごまかされるわけにはいかない。

(社会新報2014年1月14日号・主張より)


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