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総選挙教訓 安倍路線破綻にらみ「勝つ選挙」へ

 14日に行なわれた衆院総選挙の結果、自公与党は、参院否決法案の再可決や改憲案の国会発議に必要な3分の2超議席を維持した(ただし参院では与党は3分の2に達していない)。

 アベノミクス幻想をあおるという安倍首相の選挙戦術は、明らかに(土井たか子元党首の追悼集会での落合恵子さんの言葉であるが)「今だけカネだけ私だけ」のことを考えよというメッセージを伴っている。一方、(沖縄の反基地の声のように)この政策は私たちの生命や権利を脅かすのだという譲れない具体的な根拠を持った拒否表明が、「野党は批判だけ」との一言で門前払いされるという風潮も強まった。今回の選挙が投げかけた問題は大きい。

 「今のうち解散」とはよく言ったものだが、その言葉の持つ意味を首相とその周辺以上に理解していた人は、あまりいないのではないか。よく考えると来年はやはり大変なのだ。春闘が年1回だから賃上げが物価上昇に追いつかないのだと言っていたが、そもそも雇用非正規化政策によって、組織労働者の賃上げの波及効果は減殺されている(現在サービス業などで見られる労働市場ひっ迫による賃金上昇も、この制度的分断を揺るがすものではないという点では限界がある)。

 「世界一活動しやすい国」を要求する企業の行動原則とは、安くて使い勝手のいい労働力や低い税負担などを求めることであるから、安倍政権は労働力調達の自由化や企業減税を進める以外にないし、それでも生産拠点の海外移転という資本の移動の自由そのものを認めないわけには本来いかない。国際的あつれきを生むという点で円安誘導にも制約があるとすれば、政策に起因する内需低迷が続く中、首相のできることは、(本人は自慢で言っているようだが)トップセールス、それも原発(および武器)輸出しかないのではないか。また、来年は戦後70年に当たり、外交・歴史問題でも厳しい局面が予想される。

 社民党は、今回も反転攻勢する姿を具体的な形で示すことができなかった。党を応援する人々の「社民党は勝つ選挙を戦い成果を出せ」という声には切実さが増している。他方で沖縄では、新基地反対の大衆運動が自民小選挙区全滅という結果を導き出した。「沖縄のようには闘えない」で話を終わらせている場合ではもはやない。安倍政治の行き詰まりは必至だとしても、それはさらに悪いものを用意するかもしれないのだ。

(社会新報2014年12月19日号・主張より)


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