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身勝手解散 アベノミクスの失敗をごまかすな

 安倍首相の“ジコチュー解散”“今のうちに解散”に対する憤まんがちまたには渦巻いている。

 消費税率の10%への引き上げの1年半延期とアベノミクス路線の継続について、国民の信を問うのだという。7〜9月期のGDP実質成長率が年率換算で1・6%減、2四半期連続のマイナス成長となったことを、いわば逆手に取り、それでも「デフレから脱却するチャンスを手放すわけにはいかない」と開き直っている。

 しかし、国民経済全体の視点から見たアベノミクスの失敗、すなわち個人消費の低迷の原因が消費税率の8%への引き上げであることは明らかなのだから、まずはこれまでの増税政策を見直すことが筋のはずだ。それをしないで、17年4月の再増税実施は「一切揺らがない」としつつ、来年の増税延期自体に反対する主要政党はない(つまり増税先送りは争点にならない)という状況の中で、「国民の判断を仰ぎたい」とはどういうことか。増税延期に対する支持を安倍政権の政策への「白紙委任状」と読み替え、ほころびだらけのアベノミクス総路線や原発再稼働、TPP参加、社会保障抑制、さらに集団的自衛権行使などを推進する政治力に転化しようという狙いは明らかではないだろうか。首相はなぜこんな無理筋を押してまで、逃げ切りを図ろうとしているのか。

 国債を買い支えるのは日銀しかないという現実が誰の目にも明らかになる中、海外の機関投資家の日本国債値下がり不安を解消するためには増税を実行しなければならないが、消費は低迷し、財政出動によって財政再建は実質棚上げされ、円安インフレの足音が聞こえてくる。しかし、国債価格下落(金利反転上昇)を恐れて金融緩和はやめられず、景気が腰折れしたまま、不況下のインフレに陥ってしまう。こうしたシナリオは「異次元緩和」がブチ上げられたころ、すでにささやかれていたものだが、現実のことになろうとしている。アベノミクスは「この道しかない」どころか、実際は八方ふさがりなのだ。

 あえて言えば首相は、それが分かっている。この先いいことがありそうもないからこそ、いま総選挙なのだ。株式相場をつり上げる政策さえとっていれば、当座は何とかしのげるというのが、首相の本音だろう。

 勤労国民にとってアベノミクスの続行とは、格差を広げ生活を圧迫する災厄にほかならない。社民党はこの点を明確に主張する。

(社会新報2014年11月26日号・主張より)


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