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派遣法改悪案 「女性の活躍」騙り間接雇用を拡大

 派遣期間制限の対象を「業務単位」から「人単位」に変えることを柱とする労働者派遣法改正案の本質は、派遣労働を恒常的に利用することを可能とし、間接雇用を一層促進することだ。

 具体的に見てみよう。無期雇用の派遣労働者については、期間制限がなくなる。「(派遣元が雇用を保障する)無期雇用は(派遣先の)常用(労働者)代替防止の対象にならない」と説明されるが、派遣先が無期派遣労働者を恒常的に使うことこそが常用代替にほかならず、説明になっていない。むしろ、実態は指揮命令を受ける派遣なのに請負を装う「偽装請負」の違法状態解消が目的と見るべきだ。期間を制限しないことの根拠とされてきた「26業務の専門性」という区分基準が消えるため、業務内容のチェックもなくなり、「どんな仕事でも派遣」という状態が現出することになる。

 そもそも派遣先に安い労働力を使い倒すという動機を与えないことこそ、派遣労働者の保護と同時に常用代替を防ぐ道であることが、故意に無視されている。

 有期の派遣労働者については、個人単位の規制として、同じ労働者の「同一の組織単位(課など)」での派遣上限は3年とされ、それ以上はそこでは働けない。ただし、派遣先単位の規制として、過半数組合または代表者からの意見聴取を条件とし、派遣労働者を代えてしまえば、「同一の事業所」で3年を超えて派遣を受け入れることが可能だ。

 ここで問題となるのは、18年以降に効力が生まれる、通算5年超の有期労働者の雇用主(この場合は派遣元)に対する労働契約法18条の無期雇用転換権行使との関係だ。有期派遣3年上限とは、まさに派遣期間切れと雇い止めを連動させることによって、無期転換権を封じるためとしか思えない。

 また、意見聴取を欠いたまま有期派遣受け入れを続けた場合は派遣先の「直接雇用みなし制度」の適用対象となるとされるが、何が適正手続きなのかははっきりしていない。同じ組織単位でなければ違法ではないこと、業務規制がなくなることも併せて考えると、違法派遣に際しての「みなし雇用」の適用対象はかなり限定されたと思われる。

 労働市場に参入する女性の多くが低賃金の非正規なのに、その非正規の最たるものである間接雇用を後押しする法案を出しておいて、「女性の活躍」とうそぶく。このダブルトーク(二枚舌)政権の欺瞞(ぎまん)をこれ以上許してはいけない。

(社会新報2014年10月29日号・主張より)


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