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指針改定中間報告 「切れ目のない」軍事一体化への道

 日米両政府は8日、日米ガイドライン(防衛協力指針)再改定に向けた中間報告を発表した。安倍首相の掲げる「積極的平和主義」および7・1閣議決定に言及し、「日米同盟のグローバルな性質を反映するため、協力の範囲を拡大する」と宣言する一方、97年改定で盛り込まれた「周辺事態」での協力の記述が消えた。

 97年指針で周辺事態は「地理的なものではなく、事態の性質に着目した」概念とされていたが、周辺事態での米軍への「後方地域支援」(実態は兵たん支援)は「戦闘行動が行なわれている地域とは一線を画される」地域で行なう活動とされていた(周辺事態法では「現に戦闘が行なわれておらず…」というそれ以降踏襲される規定に変えられている)。周辺事態対処の削除は、日本周辺という事実上の地理的限定のみならず、活動のいわゆる非戦闘地域への限定の緩和という活動内容に関わる方向も意味していることは明らかだ。

 この点は閣議決定にすでに盛り込まれている。同様のことは、他国領海内での機雷除去に執着する安倍首相答弁にも表れている。機雷掃海は後方支援と区別された運用面での(つまり作戦上の)日米協力の一部として、97年指針に明記されていたことだが、これを領海・周辺公海上に限っている周辺事態法の規定見直しが視野に入っているのだろう。安倍政権の閣議決定と「15事例」は、指針改定協議の中身そのものなのだ。

 ガイドラインとはそもそも何なのか。日米の関係4閣僚会合で新指針が合意されても、それは条約ではないのだから、単なる政治的合意文書にすぎないはずだ。そうでないというなら、条約の国会承認を定めた憲法73条3号に違反するはずだが、安保条約改定に連動させたくない政府は、この点をいつもごまかしてきた。

 前回改定時も同様だったが、今回の報告も、指針は「いずれの政府にも立法上、予算上または行政上の措置を取ることを義務づけるものではない」とすると同時に、「日米両国の全ての行為は、おのおのの憲法およびその時々において適用のある国内法令…に従って行なわれる」と明記している。これは、憲法の枠内というぎまん的な建前を掲げておくという以上の意味を持っている。新指針に沿った将来の(その時々において適用のある)法整備を前回に続き明確に約束しているのだ。「いつでも、どこでも、何でも」米軍を支援する合意を許してはならない。

(社会新報2014年10月22日号・主張より)


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