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オスプレイ 低空訓練と新基地推進の二兎追う

 米軍輸送機オスプレイが東日本の各地(北海道、東京、神奈川、静岡)への飛来を(反復を含め)強行する中、同機をめぐる状況は異様の度を増している。

 第1に、ヘリ(垂直離着陸)モードでの飛行を基地内に制限するなどした12年9月の日米合同委員会合意がほごにされている。同合意には「運用上必要な場合を除き、MV22は通常、米軍施設および区域内においてのみ垂直離着陸モードで飛行し、転換モードで飛行する時間をできる限り限定する」とある。例外を認めているとの言い方もできるが、「通常」が通常でなく、例外が常態化していては、規制のための合意に意味はない。合意違反の既成事実化は、低空飛行訓練実施への地ならしに他ならない。

 不可解なのは政府の態度だ。沖縄の県議会と全市町村の行政・議会が名を連ねた13年1月の対政府「建白書」は、普天間配備以降のわずか2ヵ月間で合意違反「300件超を目視」と明記し、これに関する国会質問も多々行なわれたが、政府は、米軍の環境レビュー(自主アセス)、合同委合意等で「安全性は十分確認している」と無意味な答弁を返すのみで、自ら実態を調査し違反を認定しようとはしなかった。それは今日に至るまで変わらない。

 一般的に航空特例法で米軍機は日本の航空法の適用対象から除外されているとは言っても、同法の定める訓練(有視界飛行)の通報義務は米軍機にも課せられている。オスプレイの訓練への住民の不安が厳然として存在する中、飛行計画に関する情報の関係自治体や住民への提供は当然であり、これを防衛秘密などの名の下で隠すことは許されない。「国民の命と暮らしを守るため」に他国防衛の戦争をしてもよいのだと宣言した安倍政権の本末転倒ぶりも、ここに極まれりだ。

 第2に、政府は、自衛隊のオスプレイ17機を配備する佐賀空港に、辺野古新基地が完成するまでの間、普天間の米軍オスプレイを配備する方針だという。オスプレイの危険性を新基地建設推進の材料として利用すると同時に、「沖縄の負担軽減」を演出しつつ、基地ができたら、そのオスプレイはまた沖縄に戻ってくることになる(佐賀空港の自衛隊機利用も固定化するだろう)。基地負担の総量をどんどん増やしておいて、交付金のアメをもちらつかせながら「負担の分かち合い」を各地に迫る。執ようなまでの東日本初飛来劇は、そのパフォーマンスだ。

(社会新報2014年7月30日号・主張)


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