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2014年春闘 積極賃上げで暮らし底上げ底支え

 本格的な春闘シーズンを迎えた。連合は今年、「月例賃金にこだわる闘い」を進め、定昇・賃金カーブ維持相当分の約2%を確保した上で、「過年度物価上昇分はもとより、生産性向上分などを賃上げ(1%以上)として求める」とし、併せて1%を目安とする格差・配分是正を要求するとの闘争方針を掲げている。

 安倍首相は海外で「いかなる既得権益も私のドリルから無傷でいられない」などと語って悦に入っているようだが、日本の経済・社会がどういう状況にあるかは、何より数字が雄弁に語っている。それは一言で言えば、日本は果たして「先進国」なのかという問いを発せざるを得ないものだ。

 賃金は物価下落幅を上回って低下を続け、年収は15年間に60万円、15%も減った。これは先進国で日本だけだ。この間、公務員賃金も、民間のペースを先取りする形で減少し続けたことにも、注意すべきだろう。

 年収200万円以下の「働く貧困層」は1100万人に迫り、就労世帯全体の約2割を占めるに至っている。OECD(経済協力開発機構)加盟34ヵ国国中、日本より「相対的貧困率」が高い(日本は16%、平均は12%)のは(近い順に)トルコ、米国、チリ、イスラエル、メキシコの5ヵ国だけ。主要21ヵ国で見ると、税による再分配効果は日本が最低、社会保障(現金給付)による再分配効果は下から数えて韓、米に次いで3位だ。日本の世帯別所得格差は、上位20%の獲得所得が下位20%の10倍超という状況となっている。

 男女の賃金格差で見ると実態にはより迫るものがある。女性非正規労働者の平均所定内給与は男性正社員のそれの51%にすぎず、男女の賃金格差はOECD平均の2倍に近づいている。

 多くの指標が、日本には暮らしの底上げ・底支え政策が不在であることを示している。これでデフレ経済の悪循環から脱することができるのかといえば、それはおぼつかないと考えるほかない。あえて言えば、日本は労働力しか売るものがない者が生活していくのがかなり困難な社会にさえなりつつあるのではないか。

 賃上げで労使の分配のひずみと偏りを正し、生活を底上げするとともに、制度面の改革による底支えを行ない、相まって社会的な格差とゆがみを是正していくという道筋こそが、真の意味での「好循環実現」への方途のはずだ。「全ての働く者の処遇改善」を目指す今春闘の意義は大きい。

(社会新報2014年2月12日号・主張)


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