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秘密法案修正 法案の本質的問題手つかずのまま

 「補完勢力」「翼賛野党」という活字が新聞紙上で踊っている。かくも世の憤激を招いているのは、自公とみんな、維新4党による秘密保護法案の修正内容があまりに薄っぺらだからだ。

 第三者機関と言えば秘密指定の妥当性を検証する独立機関のことだったはずなのに、いつのまにか責任も曖昧な首相の「第三者的関与」にすり替わった。指定期間は30年どころか、外国からの提供情報などは60年超も可能とされ、永久秘密に法的根拠が与えられた。

 指定対象事項を掲げた別表からの「その他の重要な情報」削除はどうか。外交のうちの安保関連と特定有害活動、テロの部分で「その他の…」が「国民の生命および身体の保護に関する重要な情報」などに変わっただけ。外交分野でも、外国政府との交渉や協力の方針・内容については「その他の安全保障に関する重要なもの」との規定が残っている。そして、指定対象とは「別表に掲げる事項に関する情報」との記述はそのままだ。拡大解釈の抜け穴がふさがれたとは到底言えない。

 これら4党修正の内容から、また、衆院審議を通じて政府が法制定の理由として唯一堂々と掲げることができたのが「外国との情報共有」だったことからも、透けて見えてくるのは秘密保護法の軍事的性格だ。

 行政機関の長の裁量で幅広い情報が秘密指定され、その存在や廃棄されたことも明らかにされない。秘密は国会や裁判所にも隠され、主権者国民の権利は広範に侵害される。結局、修正はこうした法案の根本問題を全く解消していない。「適性評価」や罰則規定にはほとんど手を触れていない。

 4党は、管理侵害行為による秘密取得の処罰条項に目的規定を入れ、対象を限定したと言うかもしれない。しかし、秘密の認識や取得目的を判断するのは第一義的には、法案により捜査・監視活動拡大の根拠を手にすることになる取り締まり当局だ。そして、たとえ起訴・有罪に至らなくても、捜査対象となっただけで、それがいかに国民をどう喝し萎縮させる効果を発揮するかは、治安維持法の経験が教えている。さらに裁判で争おうにも、秘密の内容そのものは法廷で開示されず、弁護側が被告を守ることは極めて困難となる。

 第一、たまたま放置されていた秘密文書を見るのはよいが、管理者が中座したときに見るのはダメなどという森雅子担当相の答弁で、誰が納得するのか。ここには権力のおごり以外ない。

(社会新報2013年12月4日号・主張)


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