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秘密保護法案 国際的な規範にも合致していない

 特定秘密保護法案に関する議論の中で、6月に取りまとめられた「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(公表地の南アの首都ツワネにちなんで「ツワネ原則」と呼ばれる)への注目が高まっている。国家秘密の存在を前提としつつ、これと自由権規約などの国際人権基準で保障された諸権利とのバランスをどう取るかという問題意識に基づき、国連や米州機構、欧州安全保障協力機構、さらには国際人権団体も参加して策定されたものだ。

 法案はツワネ原則を考慮していないのではないかとの社民党の福島みずほ副党首の質問に対し、森雅子担当相は、知る権利や取材の自由への配慮を明記し、秘密の範囲を限定し、秘密指定の基準を定め公表することになっているとして「ご懸念にはあたらない」と答弁した(11月13日、参院国家安保特別委)。しかし、これらが実効性を有しているのならまだよいのだが、実際はそうなっていないのだから、こんな答弁で納得するわけにはいかない。

 ツワネ原則は、「人権、人道に関する国際法への違反についての情報」など、何を秘密にしてはならないかを明確にしている。また、期間限定の秘密指定、秘密指定解除請求手続きの明確化、裁判の公開性などの原則を定めている。これらを担保する規定は、法案には一切存在していない。

 また、ジャーナリストなどの非公務員による秘密へのアクセスや情報保有などについて「共謀その他の犯罪で訴追されるべきではない」とすると同時に、情報源などの開示を強制されるべきではないことも明記している。

 これに対し、特定秘密を「管理侵害行為」により取得する行為(未遂を含む)、さらに、これを共謀、教唆(きょうさ)、扇動することを幅広く処罰対象としているのが、秘密保護法案だ。

 こうした法案の欠陥は根本的なものであり、一部分の小手先の修正でどうなるものでもない。国際協力NGOからは、秘密指定の対象事項である「安全保障に関する重要なもの」や特定有害活動の「外国の利益を図る目的」、あるいは「テロリズム」などの定義が無限定と言っていいほど曖昧かつ幅広いため、国際協力活動が阻害されるおそれがあることに対する強い懸念が示されている。秘密取扱者に対する「適性評価」の対象に政府の委託事業などを行なうNGOが入ることも危惧されている。法案は速やかに廃案にすべきだ。


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