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情報公開法改正 特定秘密の永久隠ぺいを阻めない

 特定秘密保護法案が10月25日、閣議決定・提出された。特定秘密の範囲に関しては、特に特定有害活動について「おそれがあるもの」が頻出する法案12条の定義は広範だし、別表の特定有害活動やテロリズムの防止に関する事項の列挙では「その他の重要な情報」が乱発され、範囲は事実上無限定となっている。しかも、3条では特定秘密は「別表に掲げる事項に関する情報であって、…」とされ、特定秘密とは重要な情報に関する情報だという、官僚の悪知恵もここに極まれりという事態となっている。

 他方、民主党は同日、行政機関の不開示決定の是非を問う情報公開訴訟に際し、裁判所が当事者を立ち会わせずに証拠調べ(インカメラ審理)を行なう手続きの導入を柱とする情報公開法改正案を国会に提出した。

 裁判で司法が判断するインカメラの導入は同法制定以来の宿題となっていたもの。しかし民主案は23条2項で、被告(国)は「国の防衛もしくは外交上の利益または公共の安全と秩序の維持に重大な支障を及ぼす場合その他の国の重大な利益を害する場合を除き、同項の(審理の)同意を拒むことができない」とし、特定秘密とされる公文書の司法による検証を拒否できる仕組みとなっている。また、行政が裁判所の文書提出命令を拒否できる要件は、裁判所が文書を見て「国の安全が害されるおそれ」などを認めた場合とする現行の規定は、「相当の理由」を「十分な」に改めたものの、基本的に踏襲されている。

 同様のことは、公明党の求める公文書法改正にも言える。現状同法の適用外である自衛隊法に基づく防衛秘密が指定解除されないまま過去3・4万件も廃棄されたことが判明しており、歴史的重要文書を保存期間満了後に国立公文書館に移管する同法の適用拡大それ自体はいいことだが、今度はもし特定秘密指定が解除されなければ、移されることもなく行政が握り続け隠され続けることになる。

 結局問題は、原則解除の方針はおろか、秘密の指定および解除について検証するシステムもないため、秘密はいつまで秘密として秘匿管理されるのかという取り扱いルールが全く見えないということに帰着する。この問題を直視せずに情報公開法や公文書管理法の改正を「セット」で押し出しても、秘密保護法の制定を補完し、その反民主主義的な本質から目をそらさせるものとの評価を免れることはできないのではないか。


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