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原発事故2年 ごまかしの利かぬ課題山積の現状

 福島第1原発で3月18日、停電が起き、使用済み燃料プールなどの冷却が止まった一件に、2年前の不安な日々を思い出した人は多いことだろう。この間、多くの出来事があったが、いま私たちの前にあるのは事故などなかったかのように振る舞う政権だ。ところが、なかったことにするどころか、何が起きたかも分かっていないことに、あらためて思いを致さざるを得ない。

 1〜3号機の炉内の状態、特に溶け出た燃料の状態が分からないとはよく言われることだが、そもそも事故時の状況からして判明していない。2号機の圧力抑制室で起きた圧力低下の原因を東電は水素爆発ではないとしてきたが、では何なのかは不明のまま。4号機の水素爆発も、映像を含め「見た」という人は実はいない。その4号機プールは「大震災と同程度でも耐えられる」とされているが、科学的説明とは思えない。

 そして1号機の調査妨害事件。今度は、13日に民主党前議員が入った際に東電側が撮ったビデオが「真っ暗だった」という怪事件が発生したという。この1号機問題とは、地震による配管破損があったかどうかという重大問題であることはよく知られている。しかし東電は実に不可解なことに、国会事故調から指摘されても、津波の到達時間として沖合1・5キロの波高計に到達した時間を使ってきたことをいまだ訂正していない。

 ことさら現実を暗く描こうというつもりはないが、炉建屋地下室で増え続ける汚染水問題が厳しさを増す中、偽装請負発覚で作業員の要員確保計画が暗礁に乗り上げたことも深刻だ。多重下請け構造の下で労働者はピンハネと、被ばく線量隠しか、さもなくば失業というリスクにさらされてきた。厚労省が健康管理のための「手帳」の交付対象としているのは、緊急作業従事者2万人弱中たった約900人。線量管理などに関する原子力事業者、元方事業者の責任を法的に担保してこなかったツケが弱者にしわ寄せされているのだ。


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