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北朝鮮核実験 敵対関係の終結で悪循環の打破を

 2月12日に北朝鮮が強行した3回目の核実験に対する国連安保理決議の行方は、本稿執筆時点では定かではない。しかし、現局面に直接つながるのが、核実験前の1月に採択された「弾道ミサイル技術を使用し、かつ安保理決議1718(06年)および1874(09年)に違反する12年12月12日の発射を強く非難する」決議2087であることは衆目の一致するところだ。日米韓主導の圧力強化と北朝鮮のさらなる反発というチキンレース的悪循環を脱する道筋を探るためには、この決議に反映されている国際政治力学を正しく読み解くことが必要だ。

  決議2087は、制裁強化策を具体的に盛り込み、「さらなる発射または核実験が行なわれた場合には重大な行動をとる決意」を表明する一方、06、09年決議にはあった国連憲章第7章への言及がない。また、前文には「全ての国は関連する安保理決議によって課せられた規制を含む国際法に従って宇宙を探査および利有する自由を有することを確認」するとの文言が登場している。これは明らかに、安保理決議によって宇宙条約で認められた主権の行使を侵害されることはあり得ないとの北朝鮮の主張を意識したものであると同時に、安保理決議を国際法に含めるという苦しい論法で、過去の制裁決議の正統性を確認しようとするものだ。

  対する北朝鮮が「6ヵ国協議も(朝鮮半島非核化)9・19共同声明(05年)ももはや存続不可能であることを宣言」「多種多様な衛星と長距離ロケット打ち上げとより高い水準における核実験を…米国を標的として行なってゆくだろう」と激烈に反発したことは周知のこと。だが、この国防委声明には「今後は朝鮮半島を含む地域の平和と安全保障のための交渉はありえても、朝鮮半島の非核化に関するいかなる対話も存在し得ない」との一文も対米メッセージとして含まれていた。この点を黙殺すべきではないとする識者は多い。

  北朝鮮が、核兵器なしに対米抑止力を担保できないと考えていることは間違いのない事実であり、北東アジア全体の安全保障環境を変える方向でしか、北朝鮮に核開発をやめさせることはできない。これがこの20年間の紆余(うよ)曲折、一進一退の最大の教訓のはずだ。その基本は、「休戦」という名の戦争状態の終結であり、さらに日米との関係正常化だ。平和体制構築という大道を見失ってはならない。


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