「15か月予算」(2017年度補正・2018年度当初予算)案のポイントと問題点

2017年12月22日

社会民主党政策審議会

 政府は本日の閣議で、2017年度補正予算案ならびに2018年度予算案を同時に決定した。補正予算案と次年度当初予算案をあわせて編成する、事実上6年連続の「15か月予算」となった。安倍政権下における「15か月予算」は、「防衛費は青天井、社会保障は削減ありき」という姿勢が露骨である。補正予算案で防衛費を2345億円も膨張させる一方、当初予算案で社会保障費の自然増分を1345億円も削減した。さらに、生活保護基準を改定し生活扶助費を削減したことは、憲法25条が保障する「生存権」を侵害するものであり、断じて容認できない。しかも突如として、憲法9条に基づく「専守防衛」を大きく逸脱する、「敵基地攻撃能力を保有」することになる長距離巡航ミサイル関連経費やイージス・アショア関連経費が計上された。8月末の概算要求に盛り込まれず、衆院選でも丁寧に・謙虚に説明されないまま、米トランプ大統領の「米国製軍事装備の大量購入(バイ・アメリカン)」という圧力に屈した。この「15か月予算」は、まさに「憲法違反予算」である。社民党は、、国民の暮らしや人権を切り捨てる一方、軍事化する予算を許さず、アベノミクスの生み出す、大企業と中小企業の格差、都市と地方の格差、正社員と非正規社員の格差拡大などを食い止める「ボトムアップの予算」を目指し、次期通常国会での論戦に挑んでいく決意である。

1.6年連続増で過去最大を更新した防衛予算

 2018年度予算の防衛関係費は、前年度比660億円増(1.3%増)の5兆1911億円となり、またもや過去最高を更新した。安倍政権の成立後6年連続の増額である。同時に決めた2017年度補正予算の防衛省分2345億円を加えると5兆4256億円に及ぶ。安倍政権前と比べ当初予算で12%近く拡大しており、苦しい財政事情の下で防衛予算の伸びは突出している。

 次期主力戦闘機F35を6機・785億円、垂直離着陸輸送機オスプレイ4機・393億円、潜水艦建造697億円、C−2輸送機2機・435億円、滞空型無人機グローバルホーク147億円など、戦争法による新たな任務に対応する装備の導入や南西警備部隊の配置など島嶼防衛態勢の整備が急ピッチで進む。

 また、北朝鮮のミサイル開発を理由とした、ミサイル防衛関係予算の増大も目立っている。日米で共同開発した迎撃ミサイル「SM3ブロックUA」などの購入費627億円や、固定式警戒管制レーダーの換装(FPS−7)102億円、自動警戒管制システム(JADGE)の能力向上47億円、米国製の陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)導入のための調査・基本設計に7億円など、次年度以降もミサイル防衛関係予算の拡大が必至である。

 ノルウェー製の射程500キロの長距離巡航ミサイル「JSM」の導入費として、21億6000万円も計上された。射程900キロの米国製巡航ミサイル「LRASM」、「JASSM」の導入に向けた調査費用3000万円も計上されており、なんの議論もないまま「専守防衛」の枠を超えた敵基地攻撃能力の整備に踏み出しつつある。

 いまや「北朝鮮の脅威」を煽れば何でもありの状況となっており、トランプ米大統領が米国製の武器の購入を求めていることと相まって、日本の防衛力拡大に歯止めがかからなくなっている。

2.暮らしを無視した冷たい社会保障予算

 社会保障費は、17年度当初予算から1.5%増え、32兆9732億円と過去最大となった。 高齢化に伴う社会保障費の自然増について、政府は2016〜18年度の3年間で計1.5兆円、年平均5000億円の伸びとする目標を掲げていたが、今回、6342億円の見込みを1345億円削減し、4997億円に絞り込んだ。3年連続で5000億円以内に圧縮したが、自然増の機械的なカットは、高齢者の暮らしを無視したやり方である。

 医療、介護、障害福祉の社会保障3分野の報酬を同時に見直す「トリプル改定」は12年度以来、6年ぶりとなった。医師らの技術料や人件費に充てる「本体部分」は0.55%のプラスの一方、「薬価部分」はマイナス1.45%となった。また、前回15年度は介護が2・27%のマイナス、障害福祉は据え置きだったが、今回、介護は0.54%、障害福祉は0.47%といずれも微増となった。

 財務省が強固に引き下げを主張してきた中でのプラス改定は、福祉充実を求める世論の高まりから言って当然である。しかし内容的には不十分な点や改善を要すべき点が多々残されている。

 介護の場合、前回の大幅マイナス改定の影響を払拭する水準とは到底なっていない。また、介護では、高齢者の自立支援で成果を上げた自治体に対する新しい交付金に200億円を計上したが、介護保険料の抑制を目指し、認定率を低下させることにつながりかねない。認定申請を受けつけないなどのいわゆる「水際作戦」を行う事態が増加しかねず、被保険者の権利を大きく損なう可能性がある。

 安倍政権は13年度以降3段階で生活保護の基準を引き下げたてきたが、18年度も5年に1度の支給基準見直しを進めてきた。生活費本体が180億円削減、母子加算は平均2割カットとなる20億円の削減の一方、子育て世帯への児童養育加算を40億円増額し、生活保護費の国庫負担は166億円減の2兆8637億円となった。

 食費や光熱費など生活費相当分について、厚生労働省は最大で14%引き下げる案を検討していたが、社民党はじめ野党が共同してヒアリングや要請を行い、18年10月から3年かけて段階的に国費ベースで年160億円削減する方針となり、減額幅が大きい世帯でも総額で5%の減額にとどめることになった。しかし、生活保護を受給している人からの聞き取りや家計調査をしていないことや、前回の13年の引き下げの影響の検証が不十分であることは看過できない。また、受給者以外の低所得者層の消費と均衡するよう受給額を計算し引き下げたというが、そもそも本来生活保護を利用できる人の7〜8割はできていないのが実態である。生活保護の基準は、経済的に苦しい家庭の子どもへの就学援助や、介護保険料の減免、税制、最低賃金の水準など国民生活に広く関わる。今回の引き下げが、貧困の負のスパイラルに拍車をかけることになりかねない。生活保護は「最後の砦」であり、憲法の保障する生活保障のあり方をきちんと議論すべきであり、人権を破壊する今回の引き下げや断じて認められない。

 子育て支援では、待機児童解消に向けた計画を前倒しで実施し、企業が負担する事業主拠出金を増やし、保育の受け皿11万人分の運営費1152億円を確保した。しかし、保育の質の確保に疑問のある企業主導型保育所を増やして待機児童対策とすることは問題が残る。

3.前年なみの教育予算、無償化には未着手

 文科省予算は前年度比0・01%減の5兆3093億円となった。2018年度の公立小学校の教職員定数については、小学校の英語教育の早期化・教科化に伴って、英語を専門的に教える専科指導教員を確保するため、義務教育費国庫負担金における教職員定数1000人の加配が認められた。国が教職員給与の3分の1を賄う義務教育費国庫負担金は1兆5228億円(0・13%減)と微減となっている。

 国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助は前年並みとなった。2017年10月の総選挙の焦点となった教育費負担軽減問題は、幼児教育無償化に向けた取り組みの段階的推進のために330億円が計上され、保護者の負担額は第一子の場合で28%程度軽減されるなど幼児教育について一定の前進が見られる。高等教育については大学奨学金事業については1063億円と10%程度増額され、給付型奨学金の給付人員が2万人増加し2・3万人となるが、「教育無償化」といった大胆な取り組みは未着手で今後どうなるか微妙である。

 原子力関連予算では高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃止措置に向けた予算は前年と同額の179億円(前年同)が計上されたのみだが、今後の廃炉措置に必要な費用はいまだ不透明である。今後、経産省が新たな高速炉計画に取り組む予定だが、核燃料サイクル計画自体を早期に清算するべきだ。

 20年東京五輪・パラリンピックを控え、文部科学省のスポーツ関係予算は前年度比1・8%増の340億円と過去最高となった。五輪に向けた選手強化事業に4・9%増の96億円を投じるほか、ドーピング防止に向けた体制を整備するため、検査員の育成などに3億円を計上された。20年パラリンピックの開催経費のうち、大会組織委員会や都との協議で合意した国の負担分300億円は、17年度補正予算案に一括計上される。

4.「生産性革命」を後押しする公共事業

 公共事業関係費は17年度当初から26億円増の5兆9789億円となり、第2次安倍政権発足後の13年度から6年連続の増加となった。防災・減災対策や老朽社会資本対策は進めていかなければならないが、政府が掲げる「生産性革命」を後押しする名目で、三大都市圏の環状道路など物流網整備が大きく伸ばされている。そのため、今回、財政投融資1.5兆円を活用する。一般会計予算の公共事業費が制約される中、もともと無駄な公共事業を生むとして減額続きだった財投でその分を肩代わりしていくこには疑問を禁じ得ない。国及び地方の債務とみなされない財投債の活用は、財政再建に取り組んでいる姿勢を演出するための帳尻合わせとも言われかねない。大企業の利益や経済活動のための「生産性革命」ではなく、本来の住民のための公共事業を問い直すべきである。

 整備新幹線が事業費ベースで850億円増の3480億円を見込み、北海道、北陸、九州・長崎ルートの3区間で工事を進める一方、地域公共交通活性化再生法等を踏まえ、持続可能な地域公共交通ネットワークの実現に向けた取り組みへの支援は、284億円の要求のところ、210億円とマイナスとなった。大規模公共事業を優先するのではなく、暮らしを支える身近な地域公共交通への支援を充実すべきである。昨年4月の熊本地震で被災した南阿蘇鉄道を含め、各地の鉄道復旧に9億円を盛り込んだことは、一歩前進として評価できる。

 2018年度までに返済することになっていた自動車損害賠償責任再保険特別会計(現・自動車安全特別会計)から一般会計への繰入金1.1兆円のうち返済されていない6169億円について、15年ぶりに返済を行い、一般会計から23億2000万円を繰り戻すことになった。療護施設や短期入所協力施設の拡充、介護者なき後を見すえた自動車事故被害者の生活支援の充実などに充てることは評価できるが、19年度以降の具体的な返済額については定めていないし、今後の見通しも立っていない。もともと自動車ユーザーの保険料の運用益であり、きちんと返済し、被害者保護増進事業の一層の充実や自賠責保険料の軽減をはかるべきである。

 新税「国際観光旅客税」によって18年度は3か月分の60億円の税収が見込まれ、観光庁分予算は、前年度比18%増の248億円と大きく伸ばされている。観光施策の推進自体は否定しないが、個々のメリハリなど、国民・負担者の十分な理解が得られるような努力を求める。

5.将来像や政治的決意が全く見えない農林水産関連予算

 農林水産関連予算は総額で2兆3021億円。だが安倍政権が推進する「TPP11」や日欧EPAなど前例のない農産物市場開放の足音が間近に迫る中、日本の第1次産業をどのように守り、支え、発展させていくのかという将来像や政治的決意が全く見えない予算案である。

 最大の問題はコメの生産調整見直しに伴い、10アール7500円の直接支払い交付金(17年度714億円)が廃止されることだ。米価によらず収入を見通すことができる貴重な財源だったが、今回の予算案にはその所得減を補う代替措置が不十分。18年秋から加入申請が始まる予定の「収入保険制度」に260億円が新たに計上されているが、過去5年間の平均収入を基準にする収入保険は過去の収入が下がれば補てん額も減り、交付金廃止後の水田農業経営の支援策になるのか大いに疑問だ。コメからの転作作物に補助金を出す「水田活用の直接支払い交付金」(3304億円)は増額されているものの、国が生産数量目標を廃止する中で主食用米の作りすぎを防ぎ米価安定の原動力になり得るのか疑わしく、国は需給調整を地域や民間任せにせず主体的に関わるべきである。

 総じて言えば「競争力強化」を謳い文句に農地中間管理機構(農地バンク)の推進や農地の大区画化、輸出環境整備など大規模農家支援に偏重し、「担い手」以外の家族経営や中山間地の農業などに対する支援は全く手薄で、安倍農政の新自由主義傾向が一層強まった予算案であり厳しい批判を免れない。

 また国営諫早湾干拓事業に関して、開門対策経費が計上されていないことは大きな問題だ。2010年の福岡高裁確定判決で国が開門調査の法的義務を受け入れて以降、開門経費の予算化を見送るのは初めてだ。国は今年4月に開門差し止めを命じた長崎地裁判決に控訴せず、急速に「開門しない」方針に傾いているが、今月18日にも有明海の漁業者が海上デモを行い養殖海苔の色落ち被害を訴えたように漁業被害は現在も続いている。国には福岡高裁判決を確定させた明確な責任があるはずで、満足な説明すらないまま一方的に方針転換して開門に背を向ける安倍政権の姿勢は許されない。

6.安倍外交のツールとなる外務省予算、ODAは90年代から半減

 外務省予算案は6967億円(0・6%増)とほぼ前年度なみとなった。安倍晋三首相が推進する「自由で開かれたインド太平洋戦略」の具体化に向けた関連費用として約300億円が盛り込まれた。発展途上国の離島のレーダー整備や港湾設備、中古船の供与などを政府開発援助(ODA)の無償資金協力で行う。河野太郎外相が重視する出張旅費や在外公館の施設整備費などを含む「足腰予算」には2149億円を投じ、外務省の定員も90人増やす。

 新規案件として、2025年国際博覧会を大阪に誘致するための活動費8億円を計上したほか、平成31年に日本で開催する20カ国・地域(G20)首脳会議の準備経費4億円も確保した。

 外務省ODA予算は4344億円(0・02%増)他省庁分も含めた一般会計ODAも5538億円(0・2%増)と1兆円を超えていた1990年代に比べていぜん低水準にとどまっている。

7.常態化する沖縄差別

 普天間飛行場の名護市辺野古への移設に使われる米軍再編等関連経費2212億円(8・5%増)が計上されている。辺野古新基地建設など、米軍の求める基地再編をさらに強行する姿勢を表わすもので、沖縄県民の新基地建設反対の民意を無視し、問答無用で工事を進める意思を示しているものだ。

 在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)は前年の1946億円から1968億円に増額された。別枠の米軍再編関係経費も同じ性質の予算が多く含まれ、米軍の肩代わりをするための予算全体が増えている。基地周辺対策経費(1063億円)や施設借料・補償経費等1418億円と合わせ基地対策等関連経費は4449億円に及んでいる。日米地位協定はもとより特別協定上の対象ともならない法的根拠のない支出を野放図に支出し続けることは許されない。

 沖縄縄振興予算は3010億円と前年度より170億円の減となった。とくに沖縄振興交付金は17年度の1358億円から170億円減額され、1188億円と4年連続の減額となった。江崎沖縄・北方担当大臣は「基地問題とはリンクしてはいない。事業に必要な額を積み上げた上で、現在の国の厳しい財政状況を踏まえて、総合的に勘案した」と述べたが、辺野古移設を容認した仲井真弘多・前知事時代の14年度は3501億円だったことを考えれば、辺野古の新基地建設に関する政府と沖縄県の対立を背景にした、懲罰的な減額と考えざるを得ない。

 そもそも沖縄振興予算は米軍基地受け入れの対価ではなく、沖縄の「特殊事情」を考慮して本土との格差是正や沖縄の自立的発展を目的とするものだ。安倍政権の露骨な基地と予算のリンク論は、これまでの沖縄振興制度を否定するものであり、到底認めることはできない。

8.被災地軽視、被災者切り捨てが極まった史上最低復興予算

 復興庁所管の18年度予算案は1兆6357億円で、初めて2兆円を割り込んだ17年度予算をさらに約1800億円も下回り過去最少を更新した。「復興創生期間」とは名ばかりの安倍政権の被災地軽視が一層極まった。

 16年度に被災3県に財政負担が導入されて以降、被災地では国の支援縮小の動きが相次いでいる。被災者が暮らす災害公営住宅の家賃減免のための国の補助は入居6年目以降、段階的に縮小されるが、吉野正芳復興相は補助据え置きを求める被災自治体からの要請を拒絶。さらに復興庁は復興交付金の新規事業の受付を年内で原則終了する意向を示し、仮設商店街の撤去や移設のための国の助成も18年度末で打ち切る予定であるなど、やせ細る公的支援と減り続ける予算額は表裏一体のものだ。現在も8万人近くが不自由な避難生活を続けている上、今秋はサンマや秋サケなどの記録的不漁が被災地の産業復興や地域経済にも影を落としており、国は一層柔軟できめの細かい被災地支援を続けるべきで予算減額や支援縮小は許されない。

 安倍政権は17年度予算から帰還困難区域に設ける「特定復興拠点」の除染費用を国が負担する方針へ転換し今回、除染費など同拠点整備事業費は前年比で倍以上の690億円が計上された。「汚染者負担の原則」との環境政策の大前提を崩す事実上の東電救済策がさらに拡充した形で看過できない。その一方で復興庁が公表する避難者数に、多くの自主避難者が含まれていない恐れが指摘されている。福島県による自主避難者への住宅無償提供は3月末で打ち切られ、強制立ち退きを迫られている人もおり、国として責任ある対応が早急に求められるが、帰還一辺倒の今回の予算案にそうした配慮は微塵もみられない。未曾有の大震災と原発事故から間もなく7年、帰還困難区域を含む被災地の一刻も早い復興の重要性は当然だが、避難を継続するか帰還するかは原発事故被害者の意思が最大限尊重されるべきで、居住・避難・帰還のいずれの選択においても国の十分な支援を定めた「子ども・被災者支援法」の理念を踏まえた対応を安倍政権に重ねて強く求める。

9.抜本改革にほど遠い地方財政

 地方財政は、概算要求時点で、地方交付税は0.4兆円の減、臨時財政対策債は0.5兆円の増となり、財政制度等審議会や経済財政諮問会議等において自治体の基金問題が「地方財政富裕論」の象徴としてクローズアップされた。こうした中、自治体が自由に使える一般財源総額は、17年度比356億円増の62兆1159億円で過去最大を確保した。

 地方交付税は、国から繰り入れる入口ベースでは、対前年度521億円減の15兆5150億円となったが、特別会計の加算を経た出口ベース(自治体への配分ベース)で3213億円減とはいえ16兆85億円を確保した。交付税の減額は6年連続だが、今回の交付税の減は、地方税収が景気回復で3631億円増の39.4兆円を見込まれることによるものであり、基金の残高増加を理由とするものではないとされている。

 リーマン・ショック後の景気悪化に対応して設けた「歳出特別枠」1950億円について、財務省などが廃止を求めていたが、公共施設等の老朽化対策や社会保障関係の地方単独事業費の増に対応した歳出を同額確保した上で廃止することになった。歳出特別枠がなくなることは残念だが、社民党は、臨時・一時的な財源から恒久的財源へと転換を図ることを検討すべきとしており、その分公共施設等の老朽化対策や社会保障関係の地方単独事業費の増に振り返られたことを受け止めたい。

 また、自治体が廃止を求めていた臨時財政対策債(赤字地方債)は、3兆9865億円と2年ぶりに減るものの、前年度比1・5%(0.1兆円)減にとどまる。本来、交付税法の趣旨に基づき、国の責任で手当てすべきであり、交付税率の引き上げなど抜本的に改革すべきである。精算額の繰り延べや機構(地方公共団体金融機構)の準備金のさらなる活用などを講じて18年度は何とか交付税額を確保しているが、基金問題は持ち越されており、住民の暮らしや福祉の充実、地域の振興を図るうえでも、19年度以降を展望した自治体財政の充実強化に向けた取り組みの強化が求められる。

10.本予算においてこそ中小企業振興を中心に据えるべき

 補正予算案においては、中小企業等における「生産性革命」の実現として支援策を講じるが、そのような対策をすること自体、アベノミクスの失敗により大企業と中小企業の格差が拡大していることの証左である。一方、当初予算案では、中小企業対策費が昨年度より減額された。「生産性革命」と言いつつ、中小企業への支援策を減じることは整合性が問われる。大企業優遇のアベノミクスを転換し、本予算において中小企業振興をこそ中心に据え、手厚く支援すべきである。

以上

(関連)
「15か月予算」(2017年度補正・2018年度当初予算)案の決定について(談話)

 

 



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