2013年11月13日

国会改革についての提言
〜国権の最高機関、唯一の立法機関にふさわしい機能の充実を〜

社会民主党

1.基本的考え方

 国会改革とは、「国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」国会が、憲法の求める権能を十分に発揮し、国民の負託により一層応えることができるようにする改革でなければならない。

 しかし、現在、与党において検討されている「国会改革」は、 ねじれが解消したとたん、首相の委員会出席は予算委員会に限り、出席回数や出席時間に上限を設ける、また、他の大臣についても国会出席を減らすなどのものであり、議院内閣制の本来の機能を強化するものではない。それどころか、国会は逆に形骸化するとともに、強権的政治の土壌となる危険性がある。社民党は、国会を通じた国民への説明責任を重視し、審議の「効率」重視の名の下に国会の「形骸」化にならないよう、厳しく対処していく。

 また、「国会改革」は、議会の進め方に関わる問題であり、全党の協議・合意が必要である。一部の党だけで協議を行い、その結論を議論に参加しない党に押し付けることがあってはならない。この間進められてきた衆議院、参議院それぞれの改革の努力や院の違いにも留意すべきである。

 社民党としても改めて提言をとりまとめ、立法府と行政府の健全かつ新しい関係を作るとともに、言論の府として、活発かつ実質的な議論を行えるようにし、国権の最高機関、唯一の立法機関にふさわしい国会の機能の充実のために全力で取り組む。

2.具体的提案

T 立法機能の充実強化

 国会がその権能を十分に発揮し、活発かつ実質的な議論を行い、国民の負託により一層応えることができるようにするためには、まず国の唯一の立法機関である国会の政策立案機能が十分発揮できるようにすべきである。議員立法には、基本法と呼ばれる理念を示した法律やこれまでの枠を超えた先進的な法律、党派を超えて進めるべき法律などが多くあり、官僚依存ではない道を切り開いてきた重要な役割がある。国政課題が多様化、複雑化している現在、各議員や会派のアイディアを生かした議員提出法案が増加することは、国会審議活性化の点からも望ましい。

○議案提出要件の緩和
 現行の議案提出要件(衆議院20人以上、参議院10人以上)の下で、少数会派は自らの意見表明の機会が失われている。少数会派であっても意見表明が可能となるよう、議員立法の活性化のため、法案提出要件を緩和する(例として、衆議院の場合、10人、予算を伴う法律案は20人に引き下げる)。

U 行政監視機能・統制機能の強化

○国政調査権の充実
 委員会の議決か、40人以上の議員の要請で委員会が命令し行う予備的調査について、要件を緩和する。

○国家基本政策委員会(党首討論)の改善
・開催回数、開催時間の見直しを図る。全会派からの参加を可能にする。
・与党党首対野党党首だけではなく、各党党首級の議員による自由な討論の場も設ける。

○国会同意人事の見直し
・国会同意人事に当たっての意見聴取の場を活性化する(意見聴取の対象の拡大、議運ではなく各常任委員会での審査)。
・大使任命についても国会同意事項にする。

○附帯決議等の実施状況
・法案に対する附帯決議や委員会決議に対する政府の対応状況について、委員会への報告義務を設ける。

V 国会審議・運営の充実

 質疑時間は会派ごとに割り当てられ、自由な質問は認められておらず、国会の場における与野党間の論戦が十分に行われていない。会派によってはすべての委員会に委員を出すことができない。国会の論戦において野党各党の意見表明や政府責任の追及などが可能となるように改める。

○議員立法の審議の充実
・特に野党提出の議員立法については、大会派によって「吊し」が付けられ、趣旨説明すら行われがたい実態にある。議員立法の審が活発に行われるようにするため、予算委員会中などの時間や起草小委員会の活用、自由討議時間の確保等、委員会運営の在り方を工夫し、議員立法の審議を積極的に行う。
・議員立法については、議員に代わって、政策担当秘書や政党の政策担当事務局が委員会で発言できるようにしたりすることを検討する。

○審議時間の充実
・一括審議は厳に抑制する。
・逐条審議を活用する。
・委員会審議は本来野党の時間が最優先されるべきとの観点から、審議時間は野党に重点的に配分する。

○少数会派の発言機会の保障
・多様な民意を反映した国会審議を実現する観点から、少数会派の委員会割当、委員外発言を柔軟に行えるようにする。
・少数会派にも、本会議質問や討論の機会を与える。

○議員の相互討論重視
・一般質問や、対政府質疑以外の自由討議を充実する。

○請願審査の充実
・憲法によって国民に保障された請願権の審査をより実質的なものとするために、請願審査を随時行うこと、請願の審査結果について、請願者に報告する方途を講ずること、採択された請願はその内容の実現を図るための措置をより積極的に講ずることなどを検討する。

○政府答弁者の見直し
・質問者が必要とする場合には指名する者の出席を求めることができるようにし、その者は答弁を求められたとき以外は発言してはならないものとする。
・政府参考人の「説明を聴く」(衆議院規則第四十五条の三、参議院規則第42条の3)という規定に官僚優位の発想が残されており、見直しを行う。
・憲法第六十三条は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」と規定しており、一方的な内閣総理大臣や閣僚の国会出席回数の削減は審議の充実の方向性に逆行する。

○「通年国会」には反対
・憲法が会期制と会期不継続原則を採用したのは、国民の人権保障の観点から会期中に成立しない法案は、いったん廃案とすることが必要と考えたからである。「通年国会」は、憲法や国会法に抵触する恐れがある上、国会に緊張感がなくなりかねない。
・審議の充実の観点からは、与野党合意による会期延長や臨時国会の早期召集で対応する。

○その他審議の充実
・質問主意書制度の充実
・常時の公聴会・参考人質疑の活用
・政策大綱や法案要綱に対する審議の実現
・連合審査の活性化

W 「開かれた国会」

○国会議員への資料・情報提供の充実
・立法や重要政策の決定に係わる政府の情報や独自に収集した情報の管理及び国会議員への提供を充実する。

○HPを通じた「国会データベース」機能の充実と国民への提供
・諸外国においては、政府から提供された報告書などを議会が刊行することによって、また議会自身が内容のある審議、調査を行いその結果を刊行することによって、議会は国政課題に関する国民への最大の情報提供機関となっている。会議録、質問主意書・答弁書、法案、立法資料、審議会答申、立法過程情報(与野党合意など)、委員会要求資料等、HPを通じた「国会データベース」機能の充実と国民への提供を強化する。

○国会情報公開法の制定
 国民の不断の監視と批判を進めるため、国民の「知る権利」を保障するとともに、開示請求手続き等を定めた「国会情報公開法」を制定する。

○傍聴・参観制度の手続の自由化・簡略化

X 国会の政策立案機能・立法補佐機関の充実強化

○立法補佐機関の充実強化
・両院の調査局・調査室、議院法制局、国会図書館調査及び立法考査局の機能、各会派の政策スタッフなど立法府にふさわしい補佐機関の質量両面の充実強化を図る。

○その他
・優れた人材が国会議員を目指し、その能力を最大限発揮できる環境づくりを行うことが国会審議の充実につながることから、在職立候補制度や議員退職後の措置を検討する。

Y 両院協議会

○両院協議会の実質化
・衆参のねじれのない間に、新たな合意形成の仕組みとして両院協議会のあり方を検討する。両院協議会における成案作成のため、各党の実力者・政策責任者を両院協議会委員にするとともに、実務担当者会議体を新たに設けることを検討する。

Z 政治倫理の確立

○政治倫理委員会の設置
・政治倫理審査会を常任委員会の政治倫理委員会とする。

○政治倫理委員会の充実
・開会要件の緩和、与野党同数の会派構成、専門の調査スタッフの強化、証人喚問権や懲罰委員会に対する勧告権の付与などを検討する。

以上

 



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