2012年4月3日

国家公務員の新規採用抑制についての見解

社会民主党公務員問題対策特別委員会
委員長 福島みずほ

1.政府は本日の閣議で、「平成25年度の国家公務員の新規採用抑制の方針について」を決定した。「社会保障・税一体改革において国民負担をお願いする中、政府としても、公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施する必要」があり「その一環」であるとしており、今回の新採の大幅抑制は、消費税増税への理解を得るために、行革に取り組む姿勢を国民にアピールしようというためのようである。しかし、目的がきわめてこそくであるし、手法も安易にすぎ、将来に禍根を残すことになりかねないことから、政府は方針を見直すべきである。

2.国家公務員の新規採用は、自公政権時代の2009年度には約8500人であったが、民主党政権になり、11年度に09年度比37%減の約5300人、12年度は同26%減の約6300人としてきた。そして、13年度の新規採用について、行政改革実行本部は3月6日、09年度比4割以上削減する方針を決めていたところである。これに対し、岡田副総理は、09年度比7割削減するよう各府省に要請してきた経過がある。政治主導をかさにした、新採削減ありきの姿勢は問題である。また、新規採用枠の圧縮が11年度から3年連続となることに加え、極端な新規採用抑制は、世代間の年齢構成がいびつになり、人事バランスを大きく損なうことになるし、その影響も多年にわたることが心配される。

3.今回の大幅抑制によって、とくに税関や海上保安官、刑務官、入国警備官など、国民と接する最前線の現場や出先のマンパワーに大きなしわ寄せがもたらされる。復興事業にも影響が出かねないし、行政の遅滞も招来しかねない。また、社会保障の充実のための消費税引き上げと言いながら、公共サービスを担う部門を縮小することにつながることも問題である。

4.しかも今春卒業予定の大学生の就職内定率は、過去3番目の低水準の80.5%(2月1日現在)であるように、きわめて厳しい就職状況にある。新卒者の雇用状況全般が厳しい状況にある中で、若者のおよそ5000人分の雇用を失うことになり、雇用情勢の悪化にもつながりかねない。政府が率先して経費削減の名目で若い世代にしわ寄せする形で極端に採用を絞りこむことは、就職難に苦しむ「若者いじめ」との批判も免れないし、有為な人材の確保にも支障が出かねない。

5.新規採用が抑制された分、非正規雇用への置き換えが進むのであれば、政府自ら「官製ワーキングプア」を作り出すことになり、「分厚い中間層」の復活を標榜する野田政権としても自己矛盾になる。

6.消費税増税の露払いや総人件費抑制ありきで、公務員を翻弄してはならない。しかも新規採用抑制といった場当たり的なやり方は疑問である。国民のための公共サービスをいかに提供していくのかを基本に、各府省の業務ごとの抜本的な見直し・精査に基づき、長期的な展望も描きながら改革すべきは改革すべき姿勢で臨むべきである。社民党は今回の方針の問題点について今後とも委員会等で追及していく。



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