2010年12月10日


雇用・地域・くらし・環境・平和に力を入れた
「生活再建」予算を目指して
〜2011年度予算編成に当たっての提言〜

PDF→雇用・地域・くらし・環境・平和に力を入れた「生活再建」予算を目指して〜2011年度予算編成に当たっての提言〜

社会民主党

1.基本的な考え方

 世界同時不況に端を発した経済状況が深刻の度を増す中で編成される2011年度予算は、政権発足時に取り交わした三党連立政策合意に基づく、政権交代後初めての本格予算である。「生活再建」の立場から、小泉構造改革で崩壊の危機にさらされた社会保障や雇用、地方を再生させることが政権交代の原点であり、セーフティネットを張り直し、暮らしと地域に安心と活力を取り戻すまでには、さらなる予算の拡充が必要と考える。

  働き方の劣化が、暮らせるだけの賃金が得られないことや不安を生み、また、女性の就業率が低いことが、GDPの6割を占める個人消費を支える購買力の低下にもつながっている。「デフレ」脱却のためにも、働き方の改善と雇用の創出で賃金下落と物価下落の負のスパイラルを解消しなければならない。安心して働くことができ、セーフティネットを強化し将来の不安をなくしていけるようにすることは、税金を納められる層の増大と社会的給付の節約につながり、財政再建にも資する。

  財源探しのパッチワークのようなつぎはぎには限界がある。今まさに、非正規労働者の増加による空洞化や少子高齢社会に見合う制度の再設計、男女共同参画の推進、地方にあっては分権改革への取り組みが不可避であり、今後とも財政的充実と制度・税制改革が続けられなければならない。日本の将来ビジョンを見据え、社会保障全体と税制の抜本改革も含めた総合的な議論が必要である。

 以上の観点から、社民党は、(1)仕事と雇用の充実、人から元気にする経済、(2)地域と地方の活性化に資する、(3)拡大する格差と貧困に対する明確な対策、(4)低炭素社会の実現、(5)軍縮と平和の推進−に資するものとなるよう、2011年度予算編成に当たっての提言をとりまとめた。直面する経済・雇用危機に的確に対処し、福祉、医療、環境など生活に直結する分野について、予算の拡大、重点配分がはかられるよう強く要請する。

 あわせて、以下の要望が貴政権においてきちんと受け止められ、政権交代によってどんな社会や時代が作り出されるのかが、国民に対してより明確なメッセージが伝わるよう心から期待したい。

2.主要事項

(1)雇用対策の強化

◎「いのち」(介護、医療、福祉、教育)と「みどり」(農林水産業、環境・自然エネルギー)分野へ重点的に投資し、働きがいのある人間らしい雇用の創出に取り組むこと。

◎若者の就労支援を強化すること。大学生や高校生の就職を後押しするため、新卒者を試験的に雇う企業を支援する「新卒者体験雇用事業」の助成金を増額すること。

◎マンツーマンで専門的なアドバイスを行い、横断的に行政や地域資源とのコーディネートを行う「パーソナル・サポート・サービス」をモデル事業として推進すること。

◎非正規雇用の待遇改善を進めること。特に、官製ワーキングプアの雇用・労働条件の改善を図ること。

◎現在の厳しい経済状況、雇用情勢に鑑み、雇用保険財政の基盤を強化するために雇用保険に係わる国庫負担割合を法律の本則に戻すこと。

◎「高卒就職ジョブサポーター」「大卒就職ジョブサポーター」を公共職業安定所に配置すること。

◎30歳未満で新規開業5年以内の若者起業家に対して、設備投資や運転資金の低利融資を実施すること。

◎若年雇用奨励金制度の創設、新規採用人数の一定割合を既卒の若年層から採用する制度の導入、トライアル雇用からの正規採用などを推進すること。

◎雇用保険と生活保護との空白を埋めるために暫定的に行われている「新たなセーフティネット」を実効性のある使いやすい制度に改善すること。

◎次期通常国会において求職者支援制度に関する関連法案を成立させること。

◎公契約法制定に向けた調査・研究を進めること。

(2)地域の活性化

◎食料・農業・農村地域の再生と食料自給率の向上を国家戦略として推進し、森林整備の促進、木材産業の活性化、水産資源の保全と漁業再生に全力で取り組むこと。

◎森林林業再生プラン推進総合対策(555億円)は全額確保し、京都議定書で約束した毎年55万haの間伐を実施するとともに、温暖化対策や林業再生、地域、人材・雇用対策として推進すること。

◎国産材を活用した木造優良住宅を推進すること。

◎老朽化した危険な橋や道路・上下水道管等の社会インフラの点検・維持修繕・更新、電線の地中化、都市部の緑化、川底さらいなど住民生活な密着した安心・安全や防災のための公共事業を推進すること。

◎住民が住宅のリフォームを行った場合にその経費の一部を自治体が助成する「住宅リフォーム助成制度」は、住宅の改善を容易にするとともに、地域の仕事興しや地場の中小零細事業者の振興にもつながることから、国の施策として取り組むこと。

◎地場産業・伝統産業の支援を拡充すること。

(3)分権・自治の推進と地方再生

◎地方交付税法第6条の3第2項の規定に基づき、地方財政収支の財源不足を解消し、臨時財政対策債に過度に頼らない財政運営を可能とするため、国・地方を通じた税体系を抜本的に見直すとともに、交付税率の引き上げを図ること。

◎特に、三位一体改革で削減された交付税財源については、早急に交付税率の引き上げ等により復元すること。交付税の法定率の引上げ等により財源不足が抜本的に解消されるまでは、地域経済を活性化し元気な日本の復活を図る観点から、国の一般会計からの別枠の加算1.5兆円などの適切な対策を実施すること。

◎ひも付き補助金の一括交付金化に当たっては、必要な事業量を確保した上で、現行制度において地方交付税で措置されている地方負担分を含めた事業費全体に係る地方財源総額を確保すること。また、一括交付金化にあたっては、社会保障・義務教育関係は対象から除外すること。

(4)生活交通の再生

◎急速な高齢化、高齢者による事故の増加、環境負荷の増加の一方、公共交通は崩壊状態にある。社会参加の機会の保障、地域社会の活性化、地球温暖化対策にも資する生活交通の再生は待ったなしの課題である。次期通常国会において、移動権の保障をめざす交通基本法を制定し、総合的な交通体系を構築するための施策を推進するための体制を整備すること。その第一歩として、地方バスや地方鉄道、離島航空路など、地域住民に不可欠な生活交通への支援強化のための、地域公共交通確保維持改善事業(453億円)の所要額を確保すること。

◎社会実験による地域経済への効果や他の交通機関への影響、環境への負荷などの結果を検証し、高速道路料金無料化政策については、抜本的に見直すこと。

◎独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の「特例業務勘定」の利益剰余金については、JR三島会社およびJR貨物の経営基盤の強化、並行在来線を含む地域鉄道等地域交通の確保、整備新幹線等幹線鉄道の整備、モーダルシフトやバリアフリー設備の整備等、将来にわたって鉄道が期待される役割を果たすために必要な財源として活用すること。

◎国内外の人の交流拡大、安定した内需の創造、地域経済活性化や雇用機会を生み出す成長戦略の切り札であり、菅内閣が本年6月に閣議決定した新成長戦略においても主要な柱に位置づけられている観光関係予算を積極的に確保すること。特に、MICE(国際会議)誘致事業(2010年度:4.5億円、2011年度要求4.4億円)、訪日旅行促進事業(2010年度:86.5億円、11年度要求:88.7億円)について所要額を確保すること。

◎遠方海域・海賊対処・重大事案への対応体制を強化するため、しきしま級巡視船の整備について着実に継続するとともに、海上保安体制の強化に向け、老朽船舶、ヘリ等の代替建造の推進を図ること。 所要の予算額の確保を図ること。

(5)子ども手当

◎「子ども手当」は、法の趣旨に則り、スティグマ(負の烙印)のない普遍的な国の制度とする。なお所得制限は行わないこと。

◎当面、所得税・住民税の年少扶養控除廃止により、児童手当制度時と比べて、実質手取り額が減少する層については手当を行うこと。但し、本格実施にあたっては、年齢による区別を行わず全国一律の現金給付とすること。

◎子ども手当の費用について、地方負担が生じることのないよう、国と地方の協議の場において関係者と十分協議を行うこと。交付に関する人件費・事務費については、地方負担増とならないよう措置を講じること。

◎児童養護施設などに入所している子どもについては、デンマークの「子ども小切手」などの例を参考に、「子ども手当」が子どもの成長と発達に使えるよう必要な手立てを講じること。

◎「子ども手当」を含む「子ども・子育て新システム」については拙速な結論を出さないこと。「こども園」構想は、現在、子どもや親のセーフティネットとなっている公的保育の機能を低下させる懸念がある。また、現場の混乱を避けるために慎重に対応すべきである。

(6)子育て支援

◎「子ども子育てビジョン」に基づき、待機児童解消に向けた1年で5万人分に対応する緊急対策を実施し、保育の質と量の両方を確保すること。

◎保育料の負担軽減措置を充実すること。

◎待機児童対策を一層すすめることができるよう「安心子ども基金」を公立保育所が活用できるように改善し、同基金の上積みすること。

(7)教育

◎学校現場、子どもの実情から必要な、少人数学級の実現、教職員定数の改善を図ること。特に、小学校1・2年生における35人学級を実現すること。

◎学校給食費の無料化を進めること。

(8)基礎年金

◎基礎年金の国庫負担割合については、現行の2分の1を維持すること。国庫負担割合を引き下げることは、公的年金制度への信頼が揺るぎかねない。また、免除者などが将来受け取る年金受給額の減額につながり不安を増長することになりかねない。

(9)医療

◎高齢者医療制度の最終案は、現在1割負担に凍結されている70歳〜74歳の患者負担を法定の2割へと段階的に引き上げることとしている。患者負担の引き上げは、必要な医療も含めた受診抑制を招く危険性が強い。新制度においては、70歳〜74歳の患者負担を法定1割に定めるとともに、そのための予算措置を行うこと。また、新たな高齢者医療制度によって、国民健康保険に入る高齢者や高齢者のいる世帯の保険料が引き上げられることは容認できない。同じ所得であるにもかかわらず、健保組合等の被扶養家族であるか、独居等で国民健康保険に属するかによって、保険料に大きな格差が生じることは、同世代間の公平を欠くことになる。

◎「生命のトリデ」としての医療提供体制の整備・充実を図ること。地域医療の崩壊を防ぎ、誰もがどこでも良い医療を受けられる体制づくりのため、公立病院に対する地方交付税の財政措置の拡大や医師・看護師の確保対策を充実すること。

◎乳幼児期の集団予防接種によるB型肝炎集団訴訟の和解協議については、無発症性キャリアの被害者を切り捨てることなく、誠意をもって原告の救済にあたること。

(10)介護

◎40万人以上の待機者に対し、この3年間で解消すべく、特別養護老人ホーム、介護保険施設、介護療養型医療施設などを、3年間で現在の2倍にするよう、本年度さらに10万人分追加すること。

◎介護従事者処遇改善臨時特別交付金(2009〜2010年度)については、来年度も維持できるよう予算措置を行うこと。また、2012年度の第5期介護保険事業計画をつくるにあたっては、同交付金を介護報酬の中に入れ込むのではなく、外付けを維持し国費でまかなうこと。

◎介護保険制度の見直しにあたっては、ケアプランにかかる利用者負担の導入、軽度者(要支援1・2、要介護1・2)サービスの地域支援事業への移行、生活援助の縮小、一定以上の所得がある者の利用者負担引き上げは行わないこと。

(11)共生社会

◎DV被害者支援のため、官民の連携強化、DVに関する相談員の育成等相談体制を強化すること。また、自治体におけるDVシェルター支援への予算を確保すること。

◎障がい者総合福祉法、障がい者差別禁止法制定に向けた「当面の課題」に対する予算措置を強化すること。

◎自殺予防のための相談体制を充実すること。自殺予防のための全国的な啓発活動を展開すること。自殺関連統計データを分析し、自殺対策を強化すること。

(12)低炭素社会

◎太陽光発電など再生可能エネルギー発電の「全量固定価格買取制度」を早期に導入すること。

◎地域の環境条件を活かした太陽光や風力、バイオマスなどの新エネルギーや燃料電池など再生可能エネルギーの普及にかかる財政支援措置を拡充すること。

◎小水力発電に対する支援を強化すること。

◎環境税(地球温暖化対策のための税)は、環境省案を軸に成案をまとめ、11年度から実施すること。ただし、税収や使途は、特定財源のようなエネルギー特会を活用して温暖化対策のみに充てるのではなく、一般会計で福祉や環境、影響緩和対策に充当すること。地球温暖化対策に対する国と地方の役割分担を踏まえ、地球温暖化対策のための税の税収額の一定割合を地方にも配分すること。

(13)沖縄振興と軍縮・平和

◎ミサイル防衛関連予算については、費用対効果の観点からも見直すこと。

◎沖縄振興費総額を確保するとともに、沖縄県民の負担軽減の観点に立った施策を充実・強化すること。

◎基地従業員の給与水準を維持したうえで、思いやり予算の総額を削減すること。

◎「南西防衛」関連予算は、調査費を含めて一切計上しないこと。

◎環境影響評価関連経費など辺野古新基地建設、東村高江のヘリパッド建設に係るすべての予算計上を見送ること。

◎自衛隊員の人権擁護などのために、ドイツや北欧等で実績のある軍事オンブズマン制度の導入に向けた調査・研究に着手すること。

◎憲法改正国民投票関連予算の計上を見送ること。

(14)法人税の取り扱い

◎法人税については、租税特別措置の縮小など課税ベースの拡大をはかるとともに、税収や地方財政を悪化させる税率の引き下げは行わないこと。

◎特に、地方法人課税の安易な縮減は行わないこと。また、仮に、国の法人税率を引き下げることにより生じる地方税の減収分及び地方交付税の減収分については的確に対処し、地方財源を確実に確保すること。

3.2011年度税制改正の重点項目

 グローバル化による経済社会の構造変化が進む中で、日本社会は、少子高齢化、デフレの長期化と所得の低下、格差・貧困の拡大、エネルギーなど資源制約、きびしい財政状況などの問題を抱えている。21世紀の税制改正の基本は、「公平・透明・納得・連帯」の原則に立って、社会的費用を分かち合うこと、社会保障制度との役割分担、地球温暖化対策などグローバルな課題への対応、地方分権を支えることである。

 失われてきた所得再分配機能の強化と税収調達機能の回復を急ぎ、不公平税制の是正をはかることを要望する。

 主要事項関係以外の重点項目は以下の通りである。

(1)所得税

○所得税の累進構造・再分配機能の回復、税収調達機能を高めるため、最高税率の引き上げ、ブラケット(税率適用範囲)を細分化し、幅を縮小すること。

○基礎控除は法的に整理し、控除額の引き上げと税額控除への転換を検討すること。

○子ども手当との見合いで廃止された住民税の扶養控除廃止の2012年度実施の凍結および控除縮小に伴う影響把握、緩和対策を実施すること。

○配偶者控除や扶養控除については、子ども手当の財源として安易に廃止せず、最低生活費の非課税化の観点から本人の基礎控除としてとらえ、多様な生活条件にも配慮しながら、課税単位ごとの仕組みや税額控除への転換を検討すること。

○給与所得控除は上限を設けること。特定支出控除は対象範囲を拡大し、使いやすい制度とすること。

○証券優遇税制(11年12月まで)は、累進性や税収調達の喪失の原因であり即廃止するとともに、税率の引き上げもしくは総合課税制度を検討すること。

○老年者控除の復活など公的年金等控除を見直すこと。

○退職所得控除は、短期の在職期間については、優遇措置を見直すこと。

○NPO法人への寄付金の税額控除の導入など寄付金税制を拡充すること。

(2)法人税

○中小企業の法人税率は11%に引き下げるか対象所得を引上げるとともに、適用範囲(中小企業の区分)の見直しを検討すること。

(3)消費税

○消費税については、今後の税制改革や社会保障制度における消費税の位置づけ、再分配政策のあり方をはじめ、課税の適正化、逆進性対策を十分議論し、消費税額戻し金や消費税額控除を検討すること。地方消費税の税率(国の25%)を拡大すること。

○「ゆうちょ」・「かんぽ」の郵便局会社への業務委託に伴う消費税を非課税化し、「ゆうちょ」・「かんぽ」によるユニバーサルサ−ビスの円滑な推進を図ること。

(4)租税特別措置等

○租税特別措置(国税分で約5兆円・231項目)の縮減・廃止をすすめ、一層の透明化をはかること。

○聖域なき特別会計改革(会計数や勘定の整理・統合、透明化、埋蔵金の活用など)を断行すること。

(5)その他

○相続税や贈与税は、基礎控除の縮減や最高税率の引上げなど課税を強化すること。

○自然環境保全や温暖化対策のための資金および投機マネーの抑制を目的とした国際連帯税を創設すること。

○納税者の権利・意識を高めるため、「納税者権利憲章」を早期に制定すること。

○「社会保障と税の共通番号制度」は、拙速な導入をさけ、プライバシーの保護や税・社会保障制度のあり方、住基ネットや社会保障カードの問題、課税の適正化や所得の捕捉向上、分野の範囲、費用対効果、登録情報の訂正や取消に関する権利、国民の納得などを総合的に調査・検証すること。

○個人事業者の経営安定と事業発展をはかるための税制を検討すること。

4.各省庁・各分野ごとの具体的な重点項目

 上記以外の各省庁・各分野ごとの具体的な重点項目は以下の通り。

内閣府

 国のヘッドクォーターとして各種先進的施策の立案、調整、進捗状況の点検など重要な役割を担っている。新しい公共、男女共生、少子化社会への対応、環境未来都市などは新しい経済や社会の仕組み作りとして、まさに持続可能なゆとりや幸福を実感できる時代への課題である。

○内閣府として目指す地域活性化と観光立国というビジョンの中にしっかりと環境にやさしい、そして環境立国としてのこれからの日本の国の姿を重ね合わせること。

○かつて福島少子化担当大臣が担っていた男女共生型社会の実現も、女性の就労のM字カーブや男性の家事・育児参加のあまりにも低い我が国を根本的に変えて、男性も女性も人間らしい暮らしの中で次世代の育成に取り組めるようにするべく極めて重要であり、その施策の一層の充実を図ること。

消費者

○身の回りの製品などによる事故対策を強化すること。

○悪質商法・偽装表示に関する法執行体制を強化すること。

○消費者被害救済制度創設のための体制を整備すること。

○独立・公正・網羅的な事故調査機関を設立すること。

○消費者団体との連携・協働を強化すること。

○消費者問題に関する国際的な取組を強化すること。

○消費者庁関連法案の成立を受け、附帯決議に盛り込まれた消費生活相談員の処遇改善など、自治体の消費者行政充実にむけ、さらに地方財政措置の拡充をはかること。

沖縄対策

 「基地と振興策のリンク論」が言われて久しいが、必ずしも沖縄の経済的発展に寄与しているとは言い難い。一方で、本土からは「基地による経済的恩恵」が沖縄を支えているような誤った見方があり、基地問題を全国民の問題として捉え、我がこととして考えるきっかけを失わせている。真に自立した沖縄をめざすためには、今こそ沖縄のもつ地理的、歴史・文化的な特性を活かせる施策を大胆に展開し、「地域主権」の理念を先行的に実践していくことが重要である。

○本土に先駆けて県内全体における電線地中化、再生可能エネルギーの普及をはかること。

○港湾、空港整備と道路整備の補修、環境配慮型防波堤・護岸整備を推進すること。

○待機児童解消のため、保育所整備のさらなる促進(認可外→認可へ)をはかること。

○不発弾処理、遺骨収集、旧軍飛行場問題の解決など戦後処理事業を推進させること。

○県産品の流通促進(「おきなわブランド」の確立)の観点から、離島航路の維持・整備、那覇空港や地方空港の公租公課のさらなる低減を推進し、流通販路拡大のための輸送支援を行うこと。

○直轄国道の維持管理費(街路樹の剪定・除草)を拡充すること。

○沖縄産含蜜糖対策事業の促進をはかること。

○前期高齢者医療制度による市町村国保の赤字補填を行うこと。

国家公安委員会

○「犯罪被害者等基本計画」に対応した各種施策の推進など、犯罪被害者への支援を充実すること。

○死因究明制度(司法解剖、監察医制度、承諾解剖)の根本的充実を図ること。また、人員・体制整備等を進め、死因究明に生じている著しい地域間格差の解消に向け努力すること。

○取調べの可視化の状況等の調査研究を実施すること。

金融庁

○金融市場・商品への規制・監督の強化。生・損保の不払いを厳しく監視すること。

○中小企業、農林水産業、多重債務者、失業者や低所得者層へのセーフティネットとなる公的金融制度の再構築に向けて努力すること。

○社会に貢献する金融NPOの育成・支援をはかること。

○有価証券報告書において、企業の社会的責任に関する数値(男女別従業員数及び平均賃金、障害者雇用率、CO2排出量)を報告させること。

○悪質業者の取り締まりとハイリスクのFX取引への監視監督を強め、取引の透明化、消費者保護の強化をはかること。

財務省

 国際的に人、モノ、カネの移動が大幅に増加する中、税関(海も空も)での仕事量は質、量ともに増大しており、その充実は急務である。また、納税環境を整備し、税への信頼を高め、脱税などを減少させるためにも国税職員の増員を図る必要がある。

○国税職員・税関職員の定員増加、国際税務専門官や審理専門官の増設など機構の充実、職務にかかわる予算の増加と職員の処遇改善を図ること。

総務省

 今や地方の疲弊、産業の空洞化、若年人口の急速な減少は著しく、一方での首都圏への人口流入、都市における貧困の拡大は深刻な状況となっている。まず、地方、地域が自立的に存立していけるような基盤づくり、人、仕事、医療、そして緑の分権型エネルギーの確立が不可欠である。また、地方公共サービスを支える人材は安易に制限するのではなく、情報弱者をも含めたきめ細やかな行政サービスのあり方も含めて再構築する必要がある。

○地方交付税の総額確保と再分配機能の充実による地域格差の是正を図ること。

○道路橋りょうをはじめ国民の安全安心のための社会資本の老朽化に対応して必要な維持・整備費については、地方の需要として適切に算定すること。

○経済・雇用危機への対応を強化するため、2001年以降、約6.8兆円削減されてきた地方財政計画の水準を復元し、2010年度予算と同規模水準を確保すること。とくに、雇用対策、福祉・医療などセーフティネットの構築、農林業振興策など、急増する自治体の一般行政経費を地方財政計画・地方交付税に的確に反映すること。

○子育て支援、障害者福祉、高齢者福祉などの地方自治体の社会福祉関係施策の充実、増加する生活保護率への対処のため、地方交付税の総枠の増額と福祉・保健・医療関係の単位費用の改善を行い、予算の確保を行うこと。少子化対策・子育て支援対策の特別枠の設置を図ること。

○地方の経済雇用情勢の厳しさが増す中、地域の活性化と雇用確保に継続的に取り組むことが必要であり、その所要経費については、単年度限りの特例措置ではなく、恒常的・安定的な財政措置を講じた上で、増額すること。

○自治体は、地球温暖化対策をはじめ、環境施策の推進において国以上の財政負担をするなど大きな役割を担っており、地球温暖化対策に地方が果たす役割を十分反映した制度設計の検討を行うこと。

○地方が必要とする社会資本整備が着実に実施できるよう、一括交付金を含め、社会資本整備予算の総額について今年度並みの水準を確保すること。

○三位一体改革以降、2,000億円程度減額された人口10万人未満市町村に対する段階補正と条件不利地域の市町村に対する人口急減補正を完全に復元すること。

○「スマートシティ」構想や農業の第6次産業化と連動する再生可能エネルギーの普及を推進すること。

○消防、防災体制の充実を図ること。特に緊急消防援助隊の緊急特別増強、女性消防団員対策の強化に優先的に取り組むこと。

○国直轄事業負担金の段階的な廃止が地財計画規模や地方交付税の縮小に結びつくことのないよう、財源保障の水準を維持すること。

○所得税の累進度の強化、地方消費税の充実、金融資産課税の強化など、公共サービス充実、地方分権推進、所得再分配機能の強化の観点から税制の抜本改革を進めること。

○安心と安全の住民生活のための自治体サービスの充実と質の向上と人的資源の確保のため、地方公務員の総人件費(定員・給与)抑制政策を転換すること。人件費に係る特別交付税の削減を行わないこと。

○高金利で借り入れた政府資金の補償金なしの繰り上げ償還及び借り換えについて、認定要件の緩和等による公債費負担の軽減対策をさらに拡充するとともに、恒久的な制度とすること。

○各自治体の基金の一部で「地方基金」を創り、ゼロ金利で融通し合う、「自治体版グラミン銀行」について検討すること。

○地下鉄施設の安全性・快適性の向上、耐震性の強化、保安装置の改良等について、財政措置の充実を図ること。

法務省

 大阪地検特捜部の検事が証拠品を自ら改ざんしていた事件が発生し、わが国司法制度に対する信頼は地に落ちた。同様に捏造された証拠や、共用された自白による冤罪事件が存在する疑いも指摘されている。大阪地検特捜部の事件を逮捕された検事個人の問題に切り縮めるのではなく、検察制度や我が国の司法制度全体を見直す契機としなくてはならない。

○バランスのとれた法曹人口の拡大を図ること。法テラスの体制、予算を拡充すること。

○司法修習生の給費制度を継続すること。

○自白の強要や被疑者の人権侵害、冤罪を抑制するため、取り調べの全課程の可視化を導入すること。

○検察不祥事の徹底解明と再発防止に万全を期すとともに、証拠管理の在り方を検討すること。

○国際化にふさわしい在日外国人に対する人権配慮と入管行政の充実を図ること。

○刑務所等矯正保護施設の改善、老朽化対策と社会復帰対策の充実を図ること。

○受刑者への医療態勢を改善すること。介護保険の適用を検討すること。

文部科学省

 新政権においては、とりわけ教育並びに人材育成こそ我が国最重要課題と位置づけられている中で、初等中等教育から高等教育、あるいは大学や研究機関における若手研究者の育成、支援、待遇改善が急務である。

 また、科学技術関連予算の削減は国力の低下ともなりかねず、世界的な視野で広く充実を図るべきである。合わせて急速に拡大する「子どもの貧困」に対する対策としても学力サポート、就学援助、奨学金充実、返済猶予などの措置を図る。

○学校の耐震化、脱アスベスト、太陽光パネル設置をすすめること。

○国立大学の運営交付金を増額すること。

○高校無償化(「朝鮮学校を含む」)を確実に実施すること。

○給付型奨学金制度を創設するとともに、返済猶予制度を強化すること。

○就学援助制度を高校まで拡大すること。

○大学および大学院における研究予算を増額すること。

○学童クラブ予算を増額すること。

○児童・生徒の遊びや勉強相談の相手となる青年リーダーを学校ごとに登録するなど、いじめ・不登校防止の緊急対策を推進すること。

○高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉にすること。

○ITER(イーター)計画から撤退すること。

厚生労働省

 厚生労働省予算は、今や一般歳出の半分以上を占め、社会保障費の自然増だけでも1兆2400億円にのぼっており、菅政権が「強い経済、強い財政、強い社会保障」を掲げる大きな背景ともなっている。加えて働き方の多様化、非正規労働者の増大、世界に類を見ないスピードで進む少子高齢化によって、従来の年金、医療、介護などの社会保険方式の持続可能性が問われ、根本的な制度改正の必要性が指摘されている。また、厚生労働行政は、国民の安心、安全の根幹をなすものであるからこそ、十分にメッセージ性と信頼感のある施策展開が求められている。

 新政権としてはじめての全体像を組む2011年度予算では、第1に安心のメッセージ、第2に時代に見合った働き方の実現、第3にマニフェスト項目の柱でもある子どもへの社会的支援、第4に貧困大国日本からの脱却を目指すものでなければならない。

○障害者自立支援法の廃止と障がい者基本法の制定、障がい者の権利条約の批准に向けて自己決定権の尊重と教育就労支援に全力をあげること。

○国民皆保険の根幹である国民健康保険の空洞化、負担増に対して国庫補助の引き上げを行うこと。

○生活保護における医療扶助、介護扶助を見直し、医療保険、介護保険に組み込むこと。

○貧困対策としてパーソナルサポート体制の充実や、福祉による早期のサービス情報伝達と支援を強化すること。

○子どもの貧困解消への数値目標を設定すること。

○虐待防止に係る人材の増員と質の向上を図ること。

○建設国保の育成・強化と現行補助水準の維持を図ること。

○高齢者福祉、児童福祉、障害者福祉、公的扶助、地域保健、地域医療などの福祉医療関係予算の確保に向けて、高齢化や子育て支援、生活保護受給者の急増など、需要の拡大に応じた自然増の確保と、給付の改善や職員の処遇改善に向けた予算の確保を行うこと。

○年金や医療、介護保険などの各社会保険財政の強化と安定的な給付、社会保険の所得再分配機能を強化するため、各社会保険に対する公費負担を確保すること。

○企業による障害者雇用率増のための施策を充実すること。

○自立支援医療費を確保すること。

○「消えた子ども」を把握するためのデータベースを作成すること。

○後期高齢者医療制度を廃止すること。

○妊婦健診費用を確保すること。

○地域における助産院増設を支援すること。

○女性医師への就労継続支援を強化すること。

○遺骨収集・返還事業予算を増額すること。

○引き続き保育労働者、介護労働者、医療従事者の待遇改善をはかること。

経産省・中小企業

 大企業・輸出優先の産業振興から小規模・中小企業の育成支援への転換をはかり、原発中心のエネルギー政策から地域自給型の再生可能エネルギーへの転換を急ぐべきである。

○「電源立地地域対策交付金」など原子力発電関連予算について大幅に削減すること。

○政策コンテストで「高額電気自動車に対する補助上限を設ける等、補助の適正な水準を検討することが条件」として「B」評価であった「電気自動車等導入促進事業費」に関し一部減額すること。

○求職者と中小企業のマッチング支援など、「中小企業人材対策」を増額すること。

○「中小企業の資金繰り対策」を増額すること。

○中小企業向け「雇用調整助成金」や「地域雇用開発助成金」を拡充すること。

○「クールジャパン戦略推進事業」を増額すること。

○「クラウド・コンピューティング」のセキュリティ対策を推進すること。

○太陽光発電など再生可能エネルギー発電の「全量買取制度」を早期に導入すること。

○地域の環境条件を活かした太陽光や風力、バイオマスなどの新エネルギーや燃料電池など再生可能エネルギーの普及にかかる財政支援措置を拡充すること。

○知的クラスター形成を推進すること。

○クレジットカード決済を利用した悪質商法への監視を強め、消費者保護の徹底など包括クレジットへの規制を強化すること。

農林水産省

 食料・農業・農村地域の再生と食料自給率の向上を国家戦略として推進し、森林整備の促進、木材産業の活性化、水産資源の保全と漁業再生に全力で取り組むべきである。

(1)農業

○農林水産予算は、00年から1兆円も削減されており、農林漁業の再生と食料自給率の向上にむけて、10年度予算額(2452億円)以上を確保すること。

○元気な日本復活特別枠の「畑作物の所得補償交付金」、「所得補償実施円滑化基盤整備」、「森林・林業再生プラン推進総合対策」、「農山漁村地域整備交付金」などの要望額(2179億円)は全額確保すること。

○農業分野における担い手を確保し、雇用対策にも貢献する「青年農業者助成金制度のモデル事業」(1人年200万円、5000人で100億円)を検討・実施すること。
農業大学校など研修施設を充実すること。

○TPPについては、各国の交渉状況などの情報を随時公表し、国内への影響を十分把握するとともに、参加を前提としない農漁業の再生を進めること。

○FTAやEPAは、まずアジアの近隣諸国との経済連携を優先し、各国の重要品目の関税は維持し、互いの国益となるよう協力しあい、柔軟な取り決めとすること。

○「戸別所得補償制度」は、直接支払として、畑作、野菜・果樹、畜産・酪農、森林業、漁業に拡大すること。

○米の戸別所得補償制度の定額部分を2万円に引上げること。

○米の棚上げ備蓄100万トンおよび20万トンの買い入れを着実に実施すること。

○中山間地域等直接支払は、これまでの集落における共同活動および営農の継続を尊重したものとし、直接支払を増額・恒久化すること。

○環境保全型農業直接支援対策(48億円)を増額すること。生物や景観など多面的機能や有機農業などを支える「環境直接支払」を導入すること。

○水田利活用自給率向上事業を継続し、地域性を重視したものとすること。

○六次産業化を推進し、それを支える太陽光やバイオマスなど再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度など導入し、支援すること。

○農山漁村地域整備交付金を継続し、農業農村整備事業を増額すること。

○諫早干拓の開門調査に向けた費用を計上し、同時に農業・防災対策を進めること。

○学校給食における地場農産物の利用に対する助成措置

○家畜伝染病予防対策は、国の責任を強化し、被害農家への補償を手厚くすること。

○全ての食品に対するトレサビリティ制度を導入、原料原産地表示を義務化すること。

○鳥インフルエンザ対策に万全を期し、早期に感染ルートの解明を行うこと。

○鳥獣害対策、里山保全に全力を期すこと。

○酪農ヘルパーやコントラクター(飼料の農作業受託組織)への人件費を補助。

○普及指導員の配置・普及指導活動の実施等、社会的協働による山村対策構築事業、バイオマス・再生可能エネルギー総合対策の予算計上および学校給食用牛乳等供給推進事業交付金の全額確保。

(2)森林・林業、水産・漁業

○森林・林業再生プランを着実に実施するため、関連予算の安定確保を図ること。

○森林林業再生プラン推進総合事業(430億円)は全額確保し、京都議定書で約束した毎年55万haの間伐を実施し、温暖化対策と林業再生、人材・雇用対策を進めること。

○森林環境保全直接支払事業は、搬出間伐に限定せず、切捨て間伐も対象とすること。

○間伐や路網整備を促進し、フォレスターなど技術をもった林業者を育成・増員すること。

○森林整備加速化・林業再生事業の基金の積み増しを行うこと。

○森林・林業・木材産業づくり交付金を増額すること。

○緑の雇用総合対策事業の基金積み増しと追加募集および研修費を増額すること。

○全国の森林情報の把握およびデータベース化など情報整備を進めること。

○水産資源の維持・回復および漁業者の所得補償制度などを整備すること。

○漁業の担い手確保・育成支援事業を全額確保すること。

環境省

 脱化石燃料・地球温暖化防止と生物多様性の保全は国際社会の大きな課題である。2011年のCOP17にむけ、国際枠組みに縛られない日本独自の気候変動対策を構築し、国民的合意を形成、低炭素社会経済の確固たる方針を示し、内閣一体で取り組み、企業投資をリードしていくことが政権の役割である。

○世界に公約した90年比25%削減を実現する「地球温暖化対策基本法」を速やかに制定し、国際合意に縛られず実行すること。

○先進国の削減義務に空白が生じないよう京都議定書の第2約束期間の合意に向けた準備を検討すること。

○環境税・炭素税の導入、キャップ&トレード型の国内排出量取引制度の創設。

○COP10・MOP5での議定書をふまえ、生物多様性保全の強化と遺伝子組換作物・生物の規制強化および国内法の改正を進めること。

○化学物質対策・規制を強化すること。

○水俣病問題については、すべての水俣病被害者に対する救済・補償を行ない、チッソ分社化の再編計画は慎重に判断し、医療や介護など福祉対策予算を拡充すること。国が中心となって不知火海沿岸の健康・環境調査を実施すること。

 

国土交通省

 国土の健全な発展と安全の保持は常に重要な課題であり、南北に長く豊かな自然と温暖な気候に恵まれた我が国の美しさは、広く内外の人々の心をとらえ続けてきた。今般、地球温暖化などの全世界的な進行によって、低炭素社会を目指すべく我が国の社会的インフラ整備をどう計画していくのか、従来の施設、設備、道路、橋、港などの老朽化と相まって問われている。加えて急速な国際化にも十分対応しうるビジョンを持つことも必要とされている。

 また少子高齢化は人口の都市集中や地方の過疎化を一層進展させ、その中で人間にとって基本的な人権のひとつをなす移動の権利は十分に保障、機能しなくなっている。まずは山紫水明の日本の国土を守り、新たに世界に開かれた日本として持続可能な公共インフラ整備に光を当て、加えて安心・安全の追求が求められている。

 したがって、「政権交代」に寄せられた民意及び、急激な人口減少、少子高齢化の進展、長期債務の累積、社会インフラ更新時期の到来といった社会経済情勢を踏まえ、大規模公共事業重視の予算や政策というこれまでの国土交通行政のあり方について、安全・安心、分権・地域活性化、暮らし・生活、低炭素・環境を重視する姿勢への転換を継続する。

(1)交通

○地方バス・鉄道・フェリー予算、都市鉄道利便増進事業、都市鉄道整備事業、電気自動車による公共交通のグリーン化促進事業について、積極的に概算要求額の確保を図ること。幹線鉄道活性化事業、鉄道駅総合改善事業、鉄道防災対策事業、低公害車普及促進対策などについても、積極的に概算要求額の確保を図ること。

○ノンステップバス等の購入やそれに伴うバス停付近の整備、地下鉄駅へのエレベーターやエスカレーター設置など、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく旅客施設や車両のバリアフリー化を促進するため、所要の補助金の確保と補助制度の拡充を図ること。

○ターミナル整備の促進、パーク・アンド・バスライドの導入拡大、バスロケーションシステム、PTPS車載器等の施設の導入、バスレーンの拡大、ICカードシステムに関する車載器等の施設導入・整備等の促進に向けて、自動車運送事業の安全・円滑化等総合対策事業の所要の補助金の確保と補助制度の拡充を図ること。

○地球温暖化防止や大気汚染防止のため、CO2、NOX削減の排気ガス規制に対応したDPF装置や低公害バス車両の普及促進並びに開発を図るため、助成制度を拡充すること。

○都市の活性化や環境対策の面から路面電車復活の動きが各都市で活発化していることから、車両購入や施設改善に対する助成措置を講ずるとともに、延伸、新設計画の実現のための施策を積極的に進めること。路面電車事業の活性化やLRTシステム導入の促進等が図られるよう、LRT総合整備事業による一体的・総合的な支援を強化すること。

○通勤ラッシュを緩和するため、都市鉄道・地下鉄整備等への公的助成を拡充すること。

○「人にやさしい」視点で歩行者安全策を追求し、楽しく歩ける歩道整備を推進すること。自転車道の整備、自転車通行帯の設置を推進すること。

○マイカーに依存せず公共交通を活用した、エコ通勤を導入する企業への支援策を検討すること。

○シルバーパスの充実、障がい者割引に対する公費負担制度を創設すること。

○公共交通機関のバリアフリー化を推進すること。

(2)観光

 国内外の人の交流拡大、安定した内需の創造、地域経済活性化や雇用機会を生み出す成長戦略の切り札であり、菅内閣が本年6月に閣議決定した新成長戦略において、成長戦略の主要な柱に位置づけられている「観光立国の推進」のため、観光庁関係の概算要求額を積極的に確保すること。

(3)建設

○住宅困窮者への住宅支援策を強化すること。

○新築や増改築に際し、省エネや環境配慮型建築資材を使用した場合の助成制度の充実、適用基準の緩和をはかること。

○耐震基準を満たす住宅の割合を拡充するため、耐震改修費用への定額補助を創設すること。

○介護や安否確認が受けられる高齢者向け住宅を整備すること。

○徒歩や自転車で暮らせるコンパクトなまちづくりの支援を強化すること。

○ゲリラ豪雨などに備えた予防的な治水対策を強化すること。

○ダムをはじめとする大規模公共事業について、情報公開及び住民参加の徹底を図りつつ、必要性・緊急性・優先度・費用対効果を精査し、大胆に見直しを図ること。補助ダムについても直轄ダムに準じて見直しを行うこと。

防衛省

 ヒロシマ・ナガサキ、オキナワの悲惨な体験を持ち、世界に誇る平和憲法を持つ日本こそ、平和な世界へのリーダーシップを発揮すべきである。また、国際安全保障環境の変化、国内外ともに多発する自然災害、PKO要請など自衛隊を取り巻く環境は変貌を遂げている。自衛隊を「専守防衛」の実力を持った組織として位置づけた上で、その隊員の一人一人がしっかりとした歴史認識・人権感覚を持つことは教育の上でも日々の活動の上でも極めて重要である。

○唯一の被爆国として、世界の非核化の推進の先頭に立つとともに、日本国憲法の「平和主義」の理念に基づき「専守防衛」を厳守し「軍縮のための予算」とすること。

○隊員の日頃の健康管理体制の充実、とりわけ海外勤務による負担増への対策を講じること。

○沖縄をはじめとする基地周辺自治体の防音工事など、基地周辺整備事業費を拡充すること。

○すでに内示を出している「米軍再編交付金」を確実に支出すること

外務省

 世界における情報収集と情報発信の重要性は近年高まっており、とりわけ軍事によらない紛争の解決、あるいは紛争の予防を第1とする我が国では外交官にかけられた期待と果たすべき役割は大きい。

○日本が出資する国際機関での収支の透明化を図ること。

○アフガニスタン支援を、教育人材育成や母子保健支援中心に見直すこと。

○外交官の増員(とりわけアジア、アフリカ地域)と待遇の改善(とりわけ赴任地での出産や女性外交官の処遇)を図ること。

○イラクへの医療支援を実施すること。



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