2010年8月27日

内閣総理大臣
菅 直人 様

緊急経済対策4本柱の提言
〜雇用回復、グリーン社会への転換、地域・地方の活性化、貧困の解消へ〜

社会民主党
党首 福島みずほ

 日本経済は、リーマン・ショック以降も厳しい経済状況が続く中、輸出の増加、企業収益の改善などよる緩やかな回復も見られましたが、4−6月期のGDPは年率0.4%へと落ち込み、二番底への不安が広がっています。構造的なデフレが進み、失業率は5%にのぼり、加えてドル安にともなう急激な円高が企業収益や中小企業経営を圧迫していることなど深刻な状況にあります。

 このような状況を打開するため、低炭素経済社会への転換、雇用の回復、落ち込む地域経済・地方の活性化、広がる貧困の解消を柱とした経済対策をうち、国民生活を向上させるため、以下の点につきまして提言します。

1 もっと雇用−若年・非正規雇用の改善

1.5兆円

完全失業率が5%台と高水準にある雇用問題への対応

@仕事を失った若年層に対しハローワークや地方自治体が就職まで個別に面倒を見る「パーソナルサポート」を制度化。

A大学生や高校生の就職を後押しするため、新卒者を試験的に雇う企業を支援する「新卒者体験雇用事業」の助成金を増やす。

B「高卒就職ジョブサポーター」「大卒就職ジョブサポーター」を公共職業安定所に配置

C30歳未満で新規開業5年以内の若者起業家に対して、設備投資や運転資金の低利融資を実施

D若年雇用奨励金制度を創設し、新規採用人数の一定割合を既卒の若年層から採用する制度の導入、トライアル雇用からの正規採用、ジョブ・カードによる正規採用などを推進

E地域若者ステーションや公共職業安定所において、フリーター等を中心に、職業教育訓練制度、職業相談・職業紹介から職業定着に至るまでの一貫した支援を行い、 トライアル雇用制度の積極的な活用

F住宅手当の支給期間の延長と収入要件の緩和、雇用促進住宅の活用など

G農業新規就労支援

2 低炭素・グリーン社会への転換

約0.6兆円

@再生可能エネルギーによる地域自給型エネルギーシステムの構築スマートメーター、スマートグリッド、スマートコミュニティの推進、6次産業化と連動した農山漁村での再生可能エネルギー導入支援事業の拡大

A消費刺激策の継続
・「家電エコポイント」の延長(1年延長)
・「住宅版エコポイント」の延長(3ヶ月分)

3 地域・地方の活性化

1.5兆円

地域活性化と雇用づくり

@特別養護老人ホーム、介護保険施設、介護療養型医療施設などを、3年間現在の2倍に、本年度さらに10万追加

A待機児童の解消へ緊急対策を実施、1年で10万人分に対応する認可保育園、認定こども園などの新設、増設

B地域活性化・きめこまやかな臨時交付金の継続
・老朽化した危険な道路や橋梁の補修や電線の地中化、都市部の緑化、川底さらいなど身近な公共事業
・公立の小中学校・高校、病院の耐震化・太陽光発電化・脱アスベスト化の促進

C間伐と路網整備の加速化にむけ、森林整備関連交付金の拡大、緑の雇用総合対策事業の拡大

D農山漁村地域整備交付金の拡大

E口蹄疫対策特措法の地域再生のための基金の創設

4 貧困の解消

0.7兆円

@生活保護基準を健康で文化的な最低限度の生活が保障できる水準へ引き上げるとともに、生活保護の国庫負担分を引き上げる。

A医療、介護の自己負担軽減
・公費を投入して市町村国民健康保険を強化。保険料の減免制度を充実し、保険証の取り上げをやめ、無保険者をなくす。18歳未満の子どもは被保険者人数から外し、子育て世帯の保険料軽減を。
・介護基盤の整備、介護報酬の引き上げなどに伴って上昇する介護保険料・介護利用料を抑制するために、国負担割合を30%に引き上げ。

B教育の格差是正
・就学援助を高校まで拡大、給食費(15歳まで)の無償化
・利子付き奨学金の利子分の補填。給付型奨学金の拡充        

C住宅セーフティネットの張り直し
・優良な公共賃貸住宅を増やすとともに、入居資格を緩和して、低所得の若者や高中年の単身者などの入居を可能に。
・公的賃貸住宅・民間賃貸住宅の借り上げなどの現物給付、家賃補助、住宅手当の拡充・制度化。
・貧困者を食い物にするいわゆるゼロゼロ物件に対する規制を強化

円高対策・中小企業支援

日本経済を直撃している最近の円高への対応

@円高で収益が悪化している中小企業の資金繰り支援策
・日本政策公庫等によるセーフティネット貸付の延長・拡充
・景気対応緊急保証制度(セーフティネット保証)の活用促進・延長
・中小企業金融円滑法(2011年3月まで)の延長

A政府・日銀が一体となった機動的・適切な為替・金融・経済対策などの実施

B円高緩和のための国際協調、中国やアジア諸国との通貨安定システムの追求

◆緊急経済対策に関わる財源(案)

・経済危機対応・地域活性化予備費の現在高  約0.92兆円
・2009年度の決算剰余金1.6兆円の一部  約0.8兆円
・特別会計(外為特会)の積立金の一部活用  約2.0兆円
・2010年度特別会計(主に財政投融資、外為特会)の剰余金活用 約1兆円

合計4.7兆円

・その他「非特定国庫債務負担行為」の1兆円枠の活用



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