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社民党の政策

郵政改革のめざすもの 又市征治副党首に聞く

又市征治副党首3月24日に発表された郵政改革案の骨子が同30日の閣僚懇談会で了承され、郵政改革法案の大筋が固まった。国民のための郵政改革を推進し、民営化で壊されてきた郵政3事業(郵便、貯金、保険)のユニバーサル(全国一律)サービスを再建する道筋は描かれたのか――。政府・民主党、国民新党との協議で郵政改革案の策定作業に当たった社民党の又市征治副党首(参院議員)に聞いた。

 

 

 

ユニバーサルサービスを担保し地域の経済に貢献

分社化で低下の利便性立て直す

――今の持ち株、郵便、窓口の3社を統合して親会社とし、貯金、保険の金融2社を子会社とする新しい3社体制に再編するとともに、金融を含むユニバーサルサービスを課すことになった。

又市征治副党首:この間、特に過疎地からの民間金融機関撤退が進み、郵便局が年金受け取りなどの唯一の窓口となる状況だった。ところが金融のユニバーサルサービス提供義務のない民営化・4分社化で、地域から金融機関がなくなるという不安が現実のものとなった。公社時代の高齢者見守りサービスである「ひまわりサービス」もなくなった。

 これは地方だけの問題ではない。都市部でも、分社化で局員の兼務ができなくなったため集配のついでに金融の頼まれごとを請け負うこともできなくなり、利用者の利便性は低下した。

 利用者の立場から3事業一体のユニバーサルサービスを立て直すことが今度の郵政見直しの基本目的だ。

「民業圧迫論」はためにする批判

――ゆうちょ銀行への預け入れ限度額の1000万円から2000万円への引き上げなどをめぐり、「民業圧迫論」が根強い。

又市:郵政を官業に戻そうとしているのではない。また、ただもうけろと言っているのでもない。ユニバーサルサービスを担保するコストは年間約1・2兆円。これを国民に負わせることなく、民間会社としての郵政が自ら負うためにはどうしたらいいかという問題だ。一般の民間金融なら限度額はない。イコール・フッティング(対等)を言うなら、民間同士なのだから、ゆうちょの限度額は本来、青天井でもおかしくないはず。この間にゆうちょの貯金残高は毎月約1兆円流出し、かんぽ生命の総資産と合計するとピーク時から約100兆円減った。

 社民、国民新の両党はもともと、上限3000万円を主張していたが、政府の判断は2000万円となった。急激な変化による混乱を避けようという考え方は一定理解できる。ちなみに、貯金の全くない世帯を含めた全世帯の平均金融資産保有額は1000万円を上回り、退職金の額は官民問わず2000万円を超える人が多い。

 同様の観点から、郵政グループ各社間の受委託手数料にかかる消費税も免除すべきだ。もし形式的に難しいのなら、各社の業務で兼務する部分をつくるという知恵もあるのではないか。

 政府による親会社の、親会社による子会社の株式保有比率は、人事権を握る2分の1超と言ってきたが、結果として3分の1超となった。これでも重要事項の決議は拒否できる。これも公共サービスとしてのユニバーサルサービスをいかに担保するかということなので、自治体による株式の保有がもっと検討されていいと考えている。

雇用の正規化を進め処遇を改善

――限度額を上げると地域金融機関を圧迫するという批判をどう見るか。

又市:郵政改革の大きな目的の1つが、金融の持つ公益性発揮という観点からゆうちょ資金を地域に還元し、地域に貢献すること。ゆうちょには融資のノウハウの蓄積はなく、地域密着型の金融機関にはそれがあるのだから、協調・連携融資をやればいい。また国債への資金運用の必要性は認めた上で、地方債の購入も進めるべきだろう。業務用品の原則本社調達を地元調達に改めたのも当然だ。

――雇用の非正規化を拡大し、雇い止めの脅しで過大ノルマを課すなど、今日の郵政職場の異常な状況を国会で追及してきた。

又市:社員約43万人のうち48%が非正規。フルタイム勤務換算で正社員との収入の開きは実に4倍に及ぶ。格差・貧困問題に取り組む政府の出資会社でこんなことを認めるわけにはいかない。仮に約10万人の正社員化を行なうとして、処遇向上のために必要な額は2000億円を下らない。ユニバーサルサービスの確保と併せ、このための資金を調達することも、新生郵政の重要な課題となる。

(社会新報10年04月14号より)


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