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社民党の政策

インフレ不況 バブル期待清算し個人消費に力を

社会新報
08年8月20日号掲載記事
 

 米国の住宅ローン破たん問題で、米政府は信用不安を抑えるための公的資金注入策を次々と打ち出している。その結果、FRB(米国の中央銀行)は焦げ付くおそれのある債権を大量に抱えることとなり、財務状況の悪化も懸念されている。一連の大型景気刺激策により、09会計年度の財政赤字は過去最大だった04年度を上回る見通しだという。

 また米政府は、金融機関の財務諸表(連結決算)には表れない証券取引の促進を見直す方向に転じた。リスク回避のためだとして住宅ローンをばらばらにしたり他の債権と組み合わせて証券化し、売りまくったことでリスクは国内外に拡散。いったん住宅バブルがはじけると、損失額もはっきりしないので信用収縮が急速に進み、金融不安と実体経済の悪化が悪循環になるという深刻な危機を前に、これまでの方針との整合性も何もないということか。

 ドル余りなのに金融危機。一歩間違えればドル暴落であり、事態はインフレ不況(スタグフレーション)の様相を深めている。つい先日の洞爺湖サミットまで、日米などは原油値上がりについて、これは需給ギャップの問題であり高騰すれば需要が減って価格も落ち着くと言っていた。しかし今、住宅バブル破たんを受けた短期投機資金の流入が決定的であることを否定する者はいない。価格シグナルによる需給バランスには向かわず、崩壊するまで需要も値段も上がるのがバブルの特徴なのであり、現実はそのように推移している。

 不況の波は当然、日本にも及び、麻生自民党新幹事長は11年度までのプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の目標断念を示唆した。いわゆる「上げ潮派」の退潮は明らかだ。つまりは「新たなバブル」待望論でしかなかったわけで、その信用は失墜した。金融で過剰ドルを回していく米国経済に付き合い、さらにそれを見習い、支えていくために超金融緩和を続け、一方で負担増と賃金抑制政策をとったため、株価と輸出依存体質が深まった。インフレ不況が現実化した今、従来の枠組みの中では進むも退くも難しく、動きがとれないというのが日本経済の現状ではないか。

 これまでの路線を転換し、個人消費と内需を力づける緊急対策を行なうとともに、弾みがついてしまった格差拡大と貧困化に歯止めをかけるために、セーフティネット(安全網)を強化する。これ以外に現下の経済危機を乗り切る方策はない。

 

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