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社民党の政策

社民党の地域政策

いきいき元気な地域創造プラン

地域格差の是正と地域の再生に向けて

いま、地域が疲弊しています。
都市部と過疎化が進む中山間地との格差も拡大しています。

 東京を始めとする首都圏への人口の流入と富の集中による地方との格差も広がっています。そして都市部と過疎化が進む中山間地との格差も拡大しています。景気の「回復」状況や雇用、賃金・労働条件についても、地域ごとの違いが拡大しています。

 景気拡大の恩恵にあずかるのは、東京、大阪、名古屋などの大都市圏のみで、北海道・東北や四国、九州といった地域では回復が遅れ、地域間の所得格差は拡大しています。内閣府が3月6日に公表した2004年度の県民経済計算によると、都道府県民1人当たりの県民所得は、全国平均では297万8000円(前年度比0.3%増)であり、2年連続で前年度を上回っています。地域間の格差を示す「変動係数」は3年連続で上昇し、15.57%となっています。特に「1人当たりの県民所得」が最も多い東京都(455万円、前年度比1.2%増)と、最も少ない沖縄県(198万円、前年度比0.9%減)とでは257万円の差があり、前年より7万円も拡大しています。

 わたしたちの生活実感に近い、厚生労働省が発表した2006年の都道府県別賃金調査でも、24都県で増え、23道府県でダウンしており地域格差の広がりは明らかです。物価変動の影響を除いた実質経済成長率は、2004年度は、45都道府県でプラス成長でしたが、青森県と高知県だけがマイナス成長です。

 有効求人倍率について、政府は回復しているとは言っていますが、非正規を除く数ではまだまだ少ないし、非正規を除いて1を超えているのは愛知だけでひどい状況です。新規求人状況を見ると都道府県別有効求人倍率(季調値、パートを含む)で、青森県0.38、沖縄県0.44から愛知県の1.72と、地域間格差はむしろ広がっています。人口減少の本格化に伴って、地域格差は今後いま以上にもっと拡大し、一段と大きな問題になっていくことが心配です。

 読売新聞社が行った「全国自治体首長アンケート」では、全体の9割が「小泉改革」によって中央と地方の格差が広がったと感じていることがわかりました。県民所得の変動係数でも、2001年4月に誕生した小泉政権下で、地域格差が拡大していたことが示されています。地域を切り捨て、格差を広げたのは、政府・与党の進めてきた政策の帰結です。

 かつては、ゼネコン中心・中央主導の大プロジェクト誘致型、公共事業依存の対策で地域にバラマキを行い、地域の国依存を強めてきました。それがいままでは借金を増やす一方で経済波及効果も少なくなり、環境も破壊し、かえって地域にマイナスになっています。

 一方、小泉内閣は「地域間の競争による活性化」をあおり、自治体に自助努力・自己責任を貫徹しようとしてきました。「平成の大合併」を進め「三位一体の改革」を進めてきました。「平成の大合併」で自治体の区域が広がり、行政の手が届かなくなった地域が広がっています。合併の成果を出せとして、負担は高く行政サービスは低くなろうとしています。「三位一体の改革」は、地方への負担押しつけであり、地方の犠牲で国の財政再建を図ろうとするものでした。4.7兆円の補助金改革のうち税源移譲は3兆円だけです。その上交付税等の5.1兆円がカットされ、約7兆円の蛇口が閉められたのです。2006年度の地方交付税は2000年度の4分の3となり、依存財源割合の高い山村など過疎地域の自治体財政は窮地におちいっています。

 人口比例配分の税源移譲と、小規模市町村に厳しい交付税カットで、自治体どうしの財政格差も広がっています。

 安倍政権も3年間で5兆円の交付税カットをもくろむ「新型交付税」導入で弱い自治体を締め上げながら、「頑張る地方応援プログラム」で、「やる気のある地方」、「知恵と工夫にあふれた地方」、「前向きに取り組む自治体」には交付税を割り増しするなどとして、自治体どうしの競争を煽っています。

  旧来の自民党流の利権バラマキ論でも、小泉・安倍流の競争原理・自己責任論でも地域の疲弊は深まるばかりです。その延長線上では、真の地域のニーズが反映される魅力ある地域は実現できません。

 自治体ごとに地理的条件や面積、人口、経済構成などが異なっていることからくる違いはありますが、医療機関へのアクセス、消防職員の充足率や犯罪数、就学援助率、生活保護率、自殺率など、住むところの違いによる「命の格差」が広がることは認められません。公共サービスと人権保障をどうしていくのかが大きな課題です。

 地域の再生は、霞ヶ関や永田町ではできません。全国画一の物差しは要りません。住民自身が主役なのです。いきいき元気な地域を創造していくことは、地域の特色を土台にして住民の手で取り組んでいくことなくしてできません。

 地域の人々のくらしが豊かになってはじめて地域が再生したと言えます。住み慣れたまちで、いつまでも安全、安心、快適に暮らせるようにしていくことが真の地域再生です。それには、すべての人の人権が保障された地域に作り直すこと、人々がその地域で仕事ができるように再構築すること、自然と共生しうる地域にすることが必要です。

 地域の再生・自立を支える経済基盤の柱は、いわゆる地産地消を軸に地域の需給をまかなう産業・サービスの域内連関・循環を基本的に確保し、誰もが地域で暮らし続けることのできる雇用・賃金など経済環境を整備することです。とくに財政難の深刻な地域にあって、それぞれの地域特性に根ざして経済再生をはかろうとする「地産地消」、「地域通貨」、「福祉事業とワーカーズコレクティブ」、「福祉・環境・教育のサービス向上、経済波及、雇用創出効果」などの自主的努力こそ貴重であり、そうした努力をバックアップします。地域で元気に楽しく生活するために、「職・食・住・遊・学」といった生活に不可欠な場所と、そこにかかわる人材の育成を充実させ、雇用につなげていくことに積極的に取り組みます。

 社民党は、構造改革の「影の部分」に対し、自治体財政の充実強化とそれぞれの地域の特色を活かした地域経済の再生を通した地域の真の自立支援に力を注いでいくことで、地域からの格差是正を訴えていきます。地域経済の再生なくしては、自治体財政の再建も日本経済の再生もありません。社民党は、地域経済を日本経済全体の多極的中心として再生させることを軸に、分権・自治を支える地方経済の創造と、内需主導型経済への転換を目指します。環境や福祉など本来の「公共」事業によって、いきいきした地域経済と自治体財政の再生を図り、地域から元気と安心を創造するために全力で取り組みます。

1.地域が独自策を実施・展開する上で不可欠の権限・財源の保障

税財源の地方分権は、国・地方を通ずる行財政全体の構造改革にとっても重要な要素であり、むしろ不可欠の手段である。自治体が住民と一緒になって、自由に独自の施策を展開するため、権限移譲や税財源の移譲を進める。自治体への税源移譲が進めば、交付税は規模を縮小しつつ、高齢化が深刻な過疎地に重点配分していくことができる。なお税源移譲が行われても、財源にかたよりがあること、社会保障や生活のナショナルミニマムを保障しなければならないことから、交付税の財源保障と財政調整の二つの役割を維持するようにする。段階補正の制度の趣旨を十分に尊重し、小規模町村の財政運営に不利益が生じるような制度改正は行わないようにする。

2.日本版「地域再投資法」の導入

自立をめざす地域の「元気」「やる気」を支援するため、中低所得者層、女性、中小ビジネス・ベンチャー企業などへの公正な融資を金融機関に義務づけ、「地域全体の需要」に応えていくことを目的とする日本版「地域再投資法」を導入する。

  また、地域産業の振興、まちづくり、雇用の確保などの実現に向けて、公平性・中立性を保ちつつ「市場の失敗」を補完する役割を持った政府系金融機関を効率的に活用し、金融ビッグバンに伴う地域(金融)の不安を解消する。

  郵貯はみんなの大事な貯金であり、地域のために、みどりのために、福祉のために、女性起業家やNPO、中小企業のために使うべきである。地域への再投資という観点から、郵貯資金による低所得者や中小ビジネス、ベンチャー企業、再生可能エネルギー産業、女性の起業、NPO、ワーカーズコープなどへの投資・融資を推進。地域での資金循環を活発にして地域内で資本蓄積が進むような仕組みを設ける。地域経済を支える中小企業に対する金融支援策として、 郵貯資金をこの信用保証協会に融資する道を開く。 

3.「大きな公共事業」を地域の住民ニーズにあう
「小さな公共事業」に転換

 大規模公共事業は、巨額の負債と維持費負担を残して地方財政を圧迫し、地域環境を破壊するだけで住民の本当の生活ニーズを反映しておらず、相次ぐ住民投票に見られるように、地域住民自身からも批判が強まっている。 利権体質を生み、無駄が多い、大規模プロジェクト中心の「大きな公共事業」から、地域発信型の住民参加による「小さな公共事業」へ転換します。このことで、住民ニーズに合致した環境・福祉・生活重視の新しい街づくりや地域経済の自立的基盤の確保に役立つとともに、地元に直接仕事が回る効果が期待される。

※従来の公共事業と「小さな公共事業」との違いは、
[1]生産機能中心→生活機能中心、
[2]縦割り・中央主導→地方分権、
[3]ゼネコン救済型→住民ニーズ・地元重視型、
[4]環境破壊型→環境・福祉重視型、
[5]景気対策効果なし→地域経済振興などである。

 具体的には、保育園の集中建設、空学校の高齢者用施設への改修、共用トラクターの購入、集荷所・貯蔵施設の建設(稲作と畑作との複合経営)、道路・駅のバリアフリー化、ユニバーサルデザインのまちづくり、トランジットモール、緑地化、リサイクル施設整備など地域の知恵と工夫を生かした様々な事業が考えられる。

4.くらしに身近な公共施設を維持

 政府は、国会で「利便性が高まる」、「郵便局ネットワークの水準を維持する」、「過疎地の郵便局を守る」などと再三答弁してきたし、「万が一にも国民の利便に支障が生じないよう、万全を期すること」を求めた参議院特別委員会の附帯決議もなされている。しかし、地域の実情を無視した1048局での集配業務の廃止という唐突な「地方切り捨て、住民サービス切捨て」の再編計画は、地域をますます疲弊させる。局員の大幅移動も予定されており、中山間地の過疎化に一層拍車を掛けることも心配である。医療機関もない、鉄道もバスもない、農協も学校も役場もない地域が広がっている。暮らしに身近な公共施設をできるだけ維持するようにする。

5.三位一体の投資効果

 福祉・教育・環境への投資こそが、雇用創出をはじめとする裾野の広い地域経済への波及効果をもたらし、老後や子育てなどの将来不安を一掃しうる。福祉・環境サービスの充実と雇用と地域経済の三位一体(ホームヘルパーの充実→地域の雇用増加→福祉水準向上・収入増→お年寄りと労働者の安心感→地域消費の増)の効果を求めたい。失業者の研修・能力開発を通じて、福祉ヒューマンパワーの育成、森林の担い手確保、教員養成で、福祉に安心を生み、森を守り、豊かな教育の提供につながる。福祉・環境・教育分野に関する公的関与による雇用創出を促進する。公契約条例を制定し、入札に賃金等の条件を加味し、低賃金労働者の犠牲の上に自治体の事業が発注されることのないようにする。

6.いきいきとした農林水産業の復興

 きれいな水と空気、豊かな大地はいのちの源。少数の生産者に経営を集中させ、その少数の農家にだけ経営安定策を実施するという、選別と大規模化を目指す「農業の構造改革」、「戦後農政の大転換」としての新たな「品目横断的経営所得安定対策」の行き着く先は、農産物の生産低下、中山間地農業の没落、食料自給率の低下と優良農地の喪失、多面的機能の低下であり、農家と地域農業、環境の破壊である。

 人間が自然に働きかける農林水産業は社会の経済活動の基本であり、雇用を生み出す力も秘めている。地域経済の再生には、農林水産業の復興が不可欠である。環境保全型農業の推進、国民の公共財産である森林の流域管理システムの推進、農林水産業の担い手に対する所得補償制度の確立で、これまで破壊され続けた農地・山林・河川を再生する。地域の商工業と農林水産業の連携や、都市と農山漁村の結びつきを回復していく。

 自治体ごとに「アグリミニマム」(地域に最低限確保したい農的環境=農地、緑地、生き物、大気・水、水源、山林、河川・池などいのちと暮らしのための持続可能な環境)などの保全目標値を定め、街づくりに生かす。

 またその地域にしかない環境や資源を活かしながら、自然と共生する地域として、持続可能な地域発展を目指す。

 米を中心とした日本型食生活の普及に力を入れ、米粉パンなど米消費の拡大に積極的に取り組む。同時に地域の食文化を維持・活性化し、地域生活の自立・自給力拡大につながる地産地消の促進、いのちをいただく食育、スローフード運動等に取り組む。学校給食を充実するため、自校方式への促進と国の助成拡大、栄養教諭の定着をはじめ、その土地の農産物を奨励(優先)し、食べる喜びを充実させるとともに子どもの健康を守る。

7.生活交通は地域福祉とまちづくりを支えるインフラ

 規制緩和によって、クルマ社会に取り残された人をはじめとするあらゆる移動制約者の交通手段がなくなろうとしている。地域公共交通の廃止は、小・中・高校生やお年寄りの、いわゆる「交通弱者」の足を奪うことになり、ひいては地域の「衰退」にもなりかねない。環境問題、高齢化問題、地域活性化、地域コミュニティの復興といった21世紀の豊かな社会づくりに必要な課題の解決には、自治体ぐるみの生活交通の再生がなくてはならない。地域活性化・過疎対策の基本に、生活交通の維持が位置づけられるべきである。

  「公共交通は赤字でも福祉など他の分野で便益を生む」というクロスセクターベネフィットの考え方で、通勤、通学、通院、買物の生活の「足」を確保するため、地方の生活バス路線や地方ローカル鉄道、LRT(新型路面電車、軽快電車)に対する財政支援を強化する。将来的には、道路目的財源の総合交通財源化を行い、生活交通の維持・復権のための財源を国・自治体の責任できちんと手当てすることを目指す。「公共交通特区」を設定し、総合的な計画に基づく交通規制の実施、公共交通の走行・利用環境の整備、公共交通の利用促進を図る。

8.自然エネルギーは地域にもやさしい

 自然エネルギー促進法で地域を再生する(デンマークの市民共同資本による風力発電など)。太陽光や風力、バイオマスなど再生可能エネルギーは、中央集権型ではない地方分権型のエネルギーであり、地域を元気にする可能性を秘めている。新エネルギーに関する研究、開発は今後も注目を集めていく産業であり、地域の特性を活かしたエコロジー産業は、経済的にも地域還元度の高い産業である。

9.地域のニーズに基づいた地域産業振興を

 企業誘致等による地域振興は限界が見えてきた。地域の資源、地域のニーズに基づいた地域産業振興策の必要性が高まっている。地域の企業間の連携はもちろん、地方公共団体、大学などの教育・研究機関といった「産・官・学」を含めた地域産業の集積を拡大し、充実させることにより、中小企業にとっても景気の流れをよくしていく方向を見つけていく。

  地域住宅産業は環境にやさしく地域の雇用や経済にも裾野が広い効果を持っており、循環型社会にふさわしい木造住宅建設の振興に努力する。

10.地域創造の担い手は住民

 政府も、「地域再生」や「都市再生」を掲げてはいる。しかし、それはまやかしである。地域再生法の特例措置は道路、下水道、港湾、漁港、農道、林道などの公共事業の補助金の特例が中心であり、都市再生法も、大都会の大規模再開発が中心である。住民が地域創造の担い手であり、その主人公である。自治体と協働して地域の創造に取り組む住民への積極的支援を実施すべきである。自治基本条例やまちづくり条例の制定、情報公開を進める。

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