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社民党・雇用・労働問題での取り組みー派遣法抜本改正待ったなし

景気悪化のしわ寄せを受け、雇い止めや中途解約で仕事や住まいを失う派遣・期間工・請負など非正規雇用労働者が増加の一途をたどっている。格差・貧困の拡大と非正規雇用の問題点をいち早く指摘し、労働者派遣法の抜本改正や失業者対策、再就職支援などのセーフティーネット拡充の必要性を訴えてきた社民党の取り組みが政府の雇用対策や民主党など野党の政策をも動かし始めている。昨年からの党の雇用・労働関係の取り組みと成果について紹介する。

雇用・労働問題での社民党の取組みと成果

雇用・労働問題の主な取り組み
-2008年以降-

◆ 1月17日  グッドウィル処分に関し厚労省に申し入れ

◆ 2月13日  「労働者派遣法の抜本改正に向けて」(案)を発表

◆ 4月 2日  「労働者派遣法改正案の方針と骨子」を発表

◆ 4月17日  「労働者派遣法改正案骨子」を発表(みなし雇用規定を拡充)

◆ 8月27日  「生活・地域の底上げ宣言」―景気減速と物価高騰に対する内需拡大・国民生活改善のための9兆規模の緊急対策―を発表

◆10月15日  「カジノ資本主義から脱却し、内需主導経済に転換を」をとりまとめ

◆10月15日  福島党首参院予算委員会:「非正規雇用」に不景気のしわ寄せが及んでいる問題を追及
→福島党首の調査要求に厚労省が回答【派遣・非正規3万人が失職】

◆10月16日  「生活・地域の底上げ宣言」(改定版)―内需拡大・国民生活改善に向けた10兆円の緊急対策―を発表

◆11月 6日  雇用問題や医療問題に積極的に取り組むため、「緊急雇用・医療対策本部」を設置(本部長=福島みずほ党首、事務局長=近藤正道常幹)

◆11月18日  衆院本会議で日森国対委員長がグリーン・ニューディールへの見解をただす(「代替エネルギーの開発や省エネによって雇用を創出する「グリーン・ニューディール」や、環境に責任ある投資による経済回復を図るべきとの提言や、需要を拡大するには、労働市場の規制緩和と労働者保護義務の撤廃ではなく、実質賃金の引き上げ、所得と富のより公正な分配を後押しすべきとの提言は注目に値すると思いますが、見解は如何ですか。」) →斉藤鉄夫環境相は1月6日、環境と景気対策の両立を目指す基本方針「緑の経済と社会の変革」を今年度内に策定する方針を発表。

◆11月19日  「金融・世界経済に関する首脳会合出席等に関する報告」についてをとりまとめ  「国際労働運動の強化を図るためのグローバル・ユニオンも、14日に「G20労働組合サミット」を開き、実体経済のための協調的回復計画の策定、グローバル金融市場の再規制、経済統治のための新しい国際システム、公正な分配と危機との闘いを柱とする「ワシントン宣言」をまとめている。とりわけ、国連環境計画とILOが「グリーン雇用」報告書で求めている「グリーン・ニューディール」をスタートさせ、代替エネルギーの開発や省エネによって雇用を創出するとともに、温室効果ガス排出削減に向けた、環境に責任ある投資による経済回復を図るべきである」

◆11月27日  参院国土交通委員会で渕上貞雄副党首が公営住宅単身者入居問題について、雇用促進住宅を自治体が譲り受けた場合には、単身者に係る入居要件を緩和をして、現在入居者を救済をするよう追及 →国交省から前向きの答弁(国土交通大臣の承認を得て若年単身者等のために公営住宅を目的外使用することも可能、地域優良賃貸住宅制度を活用し若年層の単身入居者を含めて現在の入居者の入居を継続した状態での買取りが可能、国は地域住宅交付金による支援を積極的に実施)

◆11月26日  社民党の「雇用保険改革・緊急プラン」<第1弾>を発表 →厚労省は11月28日、派遣労働者、期間工等の非正規労働者等への支援等の対応を発表 →厚労省は12月10日、「労働者派遣契約の中途解除等への対応について」を通達

◆12月 2日  福島党首が参院厚生労働委員会:社会保障費の抑制・採用内定の取り消し・派遣切りを追及

◆12月 4日  社民党はキヤノンの「非正規切り」を受け、厚労省と緊急交渉

◆12月 5日  社民党の「緊急雇用対策の提言」を発表

◆12月 5日  衆院予算委員会で保坂展人議員、非正規を切る一方、期間工を募集するキヤノン大分工場を追及、その際、大分キヤノンが「労働組合への加入不可」を条件に求人を出していた問題を追及 →12月26日、厚労省と事実経過等を確認

◆12月10日  参院予算委で福島党首が質問 →麻生首相、雇用促進住宅の活用を言明

◆12月11日  派遣労働者らの雇用問題が深刻化している愛知県のハローワークや雇用促進住宅を視察

◆12月15日  社民党は、年末年始のハローワーク延長開所を厚労省に要請 →12月19日、厚労省はハローワークにおいて、年末緊急職業相談の窓口を開設し、非正規労働者等に対する職業相談を実施することを発表

◆12月16日  12月11日に実施した社民党・愛知県豊田市の雇用促進住宅の視察を受け、非正規労働者の雇用保険と住宅問題で厚労省に申し入れ  →舛添要一厚生労働相は12月26日の記者会見で、失業した労働者の住宅確保策として、廃止が決定している約3万1000戸の雇用促進住宅を活用することを正式に決定したと発表(1月上旬からの入居開始、2011年3月末までの緊急措置)

◆12月18日  野党三党と連合は、「緊急雇用対策関連4法案」の成立を求め社会文化会館(社民党本部)で緊急集会を開催

◆12月18日  福島党首は参院厚労委でハローワーク延長開所に関連する質問、「2009年問題」に関し追及

◆12月18日  総務省に対し、緊急雇用対策を行っている自治体を支援するための申し入れ  又市副党首が参議院総務委員会で取り上げ →鳩山総務大臣が特別交付税で支援するとの答弁、総務省は20日付で各自治体に通知(各自治体が臨時的な雇用・就業機会を創出するための対策(自治体による直接雇用、離職者等を雇用する民間会社等への委託・助成等)に対し、特別交付税で支援する。) →2009年度地方財政計画において、地域雇用創出推進費5000億円(2009年度、10年度の2年間)を計上(間伐や学校耐震化をはじめ、地域の知恵を活かした未来につながる事業の推進に必要な歳出を計上し、地域の雇用を創出する。)

◆12月21日・22日  大分キヤノンを視察、自治体が緊急雇用安定基金(仮称)等を創設した際の、キヤノンの参加も要請 →24日、大分キヤノンは失職社員に対し、休業補償金を支払う方針を固めた/基金も検討

◆12月29日  失業者への職業紹介・住宅提供・生活資金の貸与などを目的とする「緊急雇用安定基金」(仮称)の創設を求め、河村建夫官房長官に対し申し入れ →官房長官は「基金は一つの考え方。検討してみる必要がある。法律でなくても、助け合いの精神でやれることからやっていきたい」と対応

◆12月29日 大分キヤノンが「労組加入不可」を条件に求人を出した問題で、保坂副幹事長が厚労省と事実経過等を確認。

◆年末年始  寮の追い出しなどで行き場のない労働者を支援するため、労働組合や市民グループなどが日比谷公園にて実施した「年越し派遣村」に参加 →厚労省講堂の開放 →自民党と民主党の対立の中、社民党が汗をかいた結果、参議院で「雇用と住居など国民生活の安定を確保する緊急決議」を実現(1月7日)

◆2009年1月 4日  民主党と労働者派遣法改正については早急に一致点を見いだし、野党統一の改正案の作成を目指すことで一致。両党でプロジェクトチームを設置することに。

◆2009年1月16日  非正規労働者の切実な相談に迅速に対応するため、非正規労働者の生活支援策として、就職あっせんや生活保護の申請、法律・医療相談などに1か所で対応できるよう、国と自治体や弁護士会、医師会などが協力して運営する総合相談窓口を各都道府県に設置するよう厚生労働省に申し入れ

◆2009年1月27日社民・民主・国民新の野党3党で経済界が中心となって基金を設立するようにとの要望書を経団連に提出
日本経団連に野党3党で「基金創設」を申し入れ

実態調査

厚労省、85000人が職失うと公表


党対策本部が怒りのホットライン開設(08年11月21、22日)

 社民党は11月6日、金融危機・景気後退に伴う非正規労働者の雇用へのしわ寄せ問題と、医師不足・地域医療問題などに取り組むため、福島みずほ党首を本部長とする「緊急雇用・医療対策本部」を設置した。同21、22の両日、同対策本部主催の労働電話相談「派遣・非正規の切り捨てを許さない怒りのホットライン」には2日間で36件の声が寄せられた。「年末で雇い止めで宿舎を出されてしまう」など切実な訴えも。

 政府がこうした非正規労働者の実態を全く把握していないとして福島党首が10月15日の参院予算委員会で実態調査を要求していたが、厚生労働省は11月28日の対策本部の会合で「10月から3月までの半年間で派遣・期間工など非正規労働者3万人以上が職を失う」との調査結果を公表(12月26日には8万5000人と上方修正)、事態の深刻さがあらためて浮き彫りとなった。

 対策本部では自動車や電機など製造現場での「派遣・期間工切り」による影響を調査するため愛知県(12月11日)と大分県(同21・22日)に調査団を派遣した。トヨタ自動車の本拠地である愛知県では、職業安定所や雇用促進住宅を視察。住まいを失う労働者用に廃止予定の雇用促進住宅の活用を要求した。大分県では1000人以上の非正規労働者削減を進めている大分キャノンを調査。行政・会社側との意見交換の中で「緊急雇用安定基金」(仮称)の創設などを提案し、会社側も検討を約束した。

失業者支援

生活・住宅支援で窓口設置など

首相に党の「緊急雇用対策の提言」を手渡す(同12月9日)
首相に党の「緊急雇用対策の提言」を手渡す(同12月9日)

 社民党は、国会質問や申し入れなどで「派遣・期間工切り」を進める企業の責任を厳しく追及するとともに、政府や自治体に対し職や住まいを失った非正規労働者の生活支援を緊急に実施することなどを求めて具体的に政策提言してきた。景気減速に伴う雇用創出などをまとめた「生活・地域の底上げ宣言」(8月27日)、雇用維持などに重点を置いた「同宣言・改訂版」(10月16日)を相次いで発表。11月26日には雇用保険問題に絞った「雇用保険改革・緊急プラン」(第1弾)を、12月5日には「非正規切り」に歯止めをかけるための「緊急雇用対策の提言」をまとめ、麻生太郎首相にも手渡した。

 これに対し政府・与党は同5日、非正規労働者の雇用創出策などをまとめた新雇用対策を麻生首相に報告。さらに厚労省は10日、「労働者派遣契約の中途解除等への対応について」との通達を都道府県労働局あてに提出し、派遣元に「やむを得ず解雇しようとする場合には法令等に基づく責任を果たす」こと、派遣先にも「事前通知や就業あっせんなど派遣先指針に基づく」対応をとることを求めた。

 社民党が強く求めた失業者への生活・住宅支援については、ハローワークでの相談窓口の設置や生活資金の貸し付け(労働金庫)、雇用促進住宅の活用等を決定。緊急雇用対策を行なっている自治体に対する支援についても、又市征治副党首が参院総務委員会で鳩山邦夫総務相から、特別交付税で対応するとの答弁を引き出した。

安全網強化

雇用保険の加入要件など緩和へ

 失業予防とセーフティーネットの強化も、社民党が重視してきた政策だ。特に失業した場合の生活や再就職への基盤となる雇用保険改革を求めてきた。11月26日に発表した「雇用保険改革・緊急プラン」では、@今後失業給付の大幅増が見込まれる雇用保険積立金への国庫負担率を堅持することA受給資格要件を「1年以上」から「6ヵ月以上」に戻すB「1年以上の雇用の見込み」を要するとの加入要件は(細切れ雇用が多い)派遣労働者の加入を阻んでおり廃止すべき  などを提案した。

 さらに12月5日の「緊急雇用対策の提言」では雇用維持策として雇用調整助成金の支給要件の緩和と拡充、大学生などの内定取り消しでは企業名の公表、雇用保険未加入者などを対象とする職業訓練や求職期間中の「就労・生活支援制度」の創設も提起した。

 厚労省は現行制度による対策として、雇用調整助成金の助成率の引き上げや助成対象となる労働者の範囲の拡大などを発表。新たな対策として内定取り消し対策の強化、雇用保険加入要件の派遣差別といわれる「雇用の見込み」について「6ヵ月以上」に緩和することを明らかにした。

 年末年始にかけて日比谷公園で実施された「年越し派遣村」の実行委員会などが、被解雇者がたらい回しされることなく同一場所で労働・医療・生活・住居などの相談ができる各県ごとの総合窓口の設置を求めている件については、福島党首らが厚労省に要請書を手渡し、実現を働きかけている。

住宅政策

雇用促進住宅の積極活用が実現

 派遣や期間工などが雇い止めや中途解約されると、仕事だけでなく住まいも同時に失ってしまうケースも多い。「年越し派遣村」には食事と住居と職を求めて500人が押しかけた。東京の日比谷公園だけの特別な光景ではなかった。全国的に路上生活者やネットカフェ難民が増えているとの指摘もある。

 社民党は「緊急雇用対策の提言」などで生活の基盤となる「住む」ことの保障を訴えた。@(派遣元や会社側が用意した住居については)雇用契約の残りの期間は継続居住を保障することA住居喪失不安定就労者などを対象とした就職安定資金貸し付け事業の拡大B雇用促進住宅や公営住宅の活用など  を提案した。

 厚労省は12月15日から全国150ヵ所のハローワークで住宅確保や就職などの相談・支援窓口を開設。同19日には非正規労働者が離職後も引き続き住居を無償で提供するか、費用を負担した事業主を支援する「離職者住居支援給付金」(仮称)制度の創設(1人1ヵ月4〜6万円、6ヵ月まで)を発表した。また資金貸し付け事業についてはハローワークと労働金庫の連携で最大186万円(6ヵ月後の時点で就職していた場合は一部返済免除)の資金融資を行なうことを決めた。

 さらに舛添要一厚労相は同26日の記者会見で、廃止が決定している約3万1000戸の雇用促進住宅を活用する方針を正式に決定したと発表。国交省も公営住宅の活用を表明。社民党の提案が生かされた形だ。

雇用創出

「命とみどり」への公共投資を


辻元議員 ヒューマン・ニューディールを提案(09年1月6日)

 社民党は昨年8月から12月にかけて緊急経済対策や雇用対策を相次いで発表した。この中では中長期の課題として「雇用創出」にも言及。例えば10月16日発表の「生活・地域の底上げ宣言」(改訂版)では、非正規社員100万人の正社員化支援(社会保険の事業主負担の支援約2400億円)とともに、太陽光発電の普及など省エネ・自然エネルギーへの転換に伴う新たな雇用の創出を提起。また12月5日の「緊急雇用対策の提言」では、国連環境計画とILO(国際労働機関)が呼びかける「グリーン・ジョブ(みどりの雇用)」の考えに基づき、温室効果ガス排出削減に向けた代替エネルギーの開発などによって雇用をつくり出すこと、さらに地域活性化にも結び付く農業や森林関係分野への交付金などの拡充、小中学校の耐震化推進、介護報酬の大幅引き上げ、医療制度の見直しなどを盛り込んだ。今年1月6日の第2次補正予算案に対する衆院本会議での代表質問で、社民党の辻元清美議員はこうした「命とみどり」の分野への集中的な公共投資による雇用の創出を目指す「ヒューマン・ニューディール」を提唱している。

 政府も日本版「グリーンニューディール政策」ともいうべき環境と景気対策の両立を目指す基本指針の策定構想を打ち出したほか、第2次補正予算の中にも農業関係の雇用事業や、教育分野では公立小中学校の耐震化事業、介護従事者の処遇改善などの経費を計上している。

派遣法改正

登録型派遣は原則禁止すべき

 社民党は昨年4月、登録型派遣の原則禁止を柱とした「労働者派遣法改正案」(骨子)を発表した。派遣会社に登録し仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」をめぐっては、登録型の一種である日雇い派遣が、低賃金で不安定雇用のため、働いても貧困から抜け出せない「ワーキングプア」の温床となっているとして規制強化を求める声が強まっていた。

 同案では@派遣対象業務を見直し、登録型派遣は専門的・一時的・臨時的業務に限定するA常用型を基本とし日雇い派遣は禁止B派遣元のマージン率の上限規制と情報公開の義務付けC時間外・休日労働や労災補償、賃金支払いに関する派遣元と派遣先の責任の強化・明確化D派遣期間が1年を超える場合には直接雇用の「見なし規定」を設ける  などを提起した。

 昨夏以降、製造現場で「派遣切り」が急速に広まるにつれ、野党だけでなく政府・与党内からも30日以内の派遣禁止にとどまる政府の派遣法改正案の見直しに言及する答弁や発言も出てきた。登録型を維持しながら「60日以内の派遣契約を禁止」とする改正案を持っていた民主党は、法案提出を棚上げし、製造業派遣原則禁止の方向へ舵(かじ)を切った。社民党が強く働きかけたためだ。今年1月7日、社民党の福島党首と民主党の菅直人代表代行が会談し、製造業派遣を禁止する必要性で一致し、派遣法改正案作成に共同で取り組むことで合意した。4野党共同提出を目指している。

雇用危機にすばやく対応
三重の「安全網」の整備を

近藤正道 党緊急雇用・医療対策本部事務局長 コメント

近藤正道 社民党は他党に先駆け格差是正を訴え、労働分野の規制緩和に異議申し立てをしてきた。昨年初めには労働者派遣法の抜本見直しの必要性を指摘し、改正案の骨子を提起した。ところが昨年夏以降、アメリカ発の金融危機・景気後退の影響もあって非正規労働者を中心に大量の「首切り」が発生し雇用危機に直面してしまった。党は11月に緊急雇用・医療対策本部を設置し、国会での質問はもちろん、電話相談や現地調査、政策提言、厚労省はじめ関係機関との交渉・申し入れなどさまざまな活動を展開してきた。内容とスピード感で各政党の中では一番頑張ってきたと自負している。

 緊急対策では党が提案した雇用促進住宅の活用や雇用調整助成金の支給要件の緩和など成果があった。また大企業の社会的責任についても厳しく問うてきた。大分キヤノンの問題をきっかけに企業の拠出による基金構想を提起し、民主党などにも呼びかけて日本経団連と議論を重ねている。

 これからの課題として派遣法の抜本改正をまず実現しなければならない。今の政府の改正案は問題にならない。派遣は原則禁止で例外的に認めるという1999年改正以前に立ち返り、登録型を原則禁止し、少なくとも製造業派遣は直ちにやめるべきだ。またセーフティーネットをしっかり整備することも重要だ。非正規の半数以上が加入していないといわれる雇用保険を加入しやすい制度に改め、同時に生活保護との間に、長期失業者が生活支援を受けながら職業訓練も受けられる仕組み「雇用保険 求職支援 生活保護」の三重のセーフティーネットを実現したい。

 そして雇用の創出は、これまでの外需依存や、道路・ダムなど大型公共工事ではなく、内需中心の持続可能な経済体制をつくり雇用に結び付けていくことが求められている。環境や自然エネルギー、農業、脱原発などの「みどり」と、医療や介護、子育て、教育など「命」にかかわる分野への集中的な公共投資が必要だ。いままさに社民党が語ってきた「命とみどり」の政策が世界でも、日本でも脚光を浴びているが、党は自信を持って政策実現に取り組んでいくべきだ。

各県で党の取り組み強化

 派遣切りなどで非正規雇用労働者が大量に職を失っている問題で、自動車や電機などの製造現場を多く抱える地域を中心に深刻な雇用不安が危ぐされている。党の各都道府県連合も対策組織を立ち上げ、雇用・労働相談の実施や自治体への申し入れなどに取り組んでいる。

 トヨタ自動車の本拠地、愛知県では1万人(昨年12月の厚労省調べ)を超える非正規労働者が3月までに職を失うとされている。自治体の税収も大幅減が予想され、地域経済への影響も避けられない情勢だ。党愛知県連合(冨田勝三代表)は1月21日、県と名古屋市に対し公営住宅の活用や、緊急支援などの相談に応じる国・県・市の総合窓口の設置などを求める申し入れを行なった。

 キヤノン関連の工場がある大分県や栃木県では昨年末、派遣や請負の大量契約解除の問題が浮上。党が関係ユニオンなどと会社側に抗議するとともに、県などに雇用維持や住居の確保に取り組むよう要請した。埼玉県では日産ディーゼル上尾工場の派遣切りに対し、ユニオンを結成した労働者らと党の県議らが同席して県や上尾市に雇用維持に努力するよう申し入れた。電機・精密機器などの関連工場が多い長野県では昨年12月、党県連合が「緊急雇用調査要請団」を立ち上げ、県労組会議と合同で県や労働局に緊急対策を申し入れた。

 今後さらに大量の失業者が予想される中で、党全国連合は、各都道府県連合に非正規労働者を組織する全国ユニオン加盟の組織との連携や、自治体・経済団体への要請行動の実施など雇用問題の取り組み強化を指示している。

派遣法改正待ったなし

非正規雇用労働者の大量失職に対する緊急の生活・住居・就労支援がようやく動き始めたものの、雇用危機をめぐる課題は山積している。まず「派遣切り」など企業の安易な非正規解雇に歯止めをかける法整備が必要だ。また内需中心の持続可能な経済体制の構築による新たな雇用の創出も求められている。社民党はすでに労働者派遣法の抜本改正に向けた骨子案をまとめ、「命とみどり」を重視した雇用創出を提案している。今後も取り組みを強化し、社民主義政策の実現に向け奮闘していく。

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