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衆議院選挙公約2009・概要版

生活再建10の約束

再建6

農林水産業 食料自給率アップと食の安全

 世界的な食料不足と穀物価格の上昇、WTOやFTA・EPAによる農産物の自由貿易化の拡大、米価下落と食料自給率の低下、担い手の高齢化と減少、農山村の疲弊、食料品への不信など農業・農村・食料をめぐる危機的な状況を打開し、地域社会と一体化した持続可能な農林水産業、豊かな農山漁村をめざします。

1.農業

○農業のもつ多面的機能、農山村地域の発展、担い手確保、食料自給率向上の観点から、大規模農家だけでなく、米・麦・大豆など主要な農産物を生産するすべての販売農家に対し、生産費と販売価格の差額を給付金として直接支払いする所得補償制度を導入します。中山間地域の維持や環境保全の面から直接支払(中山間地支払、環境支払)を上乗せします。

○日本は世界最大の食料輸入国であり、世界的な食料不足・高騰の中で、自国の食料生産を強化し、食料自給率は60%をめざします。特に自給率の低い穀物など飼料自給率を40%、大豆や小麦、油脂類、果樹の自給率向上をめざします。

○飼料稲・米、米粉の生産、水田放牧による耕畜連携、大豆トラスト、菜の花プロジェクト、えさ米のアルコール化など水田の多面的利用を推進します。小麦の20%を米粉で、飼料の30%を飼料米・稲でまかなう「田んぼの底力をいかす農業改革法」をつくり、水田を再生します。直接所得補償の導入とセットで強制的な減反(生産調整)は廃止します。政府備蓄米は、現行の回転備蓄方式・100万トンから、棚上げ備蓄方式300万トンに変更し、加工や援助用に放出し、大豆や飼料などの備蓄を増やします。米や乳製品などスーパー・小売サイドの市場支配力を見直し、生産者の所得向上につなげます。

○有機農業・農産物、減農薬農業、地産地消・生消連携、市民農園・体験農園を広げます。

○優良農地は470万haを確保するとともに、一般株式会社による農地取得や長期貸借は厳しく制限します。自治体や農業委員会の人員・体制を拡充し、優良農地の転用・改廃は原則禁止とし、規制を強めます。家族農業を守り、多面的機能の維持、農村の振興、持続可能な農業、水産・林業との連携をいかした地域主導の農地政策をすすめます。

○都市農業(農業産出額と耕地面積の3割を占める)の保全・振興を強め、新鮮・安全な農産物の提供、市民や子どもの農業体験の場、みどりや景観の形成、生物多様性、災害防止、温暖化防止などの機能を高めます。生産緑地制度に伴う税負担を軽減します。市民・体験農園を広げ、直売への支援、農山漁村との共存を図ります。

○食の安全・安心にむけて、すべての飲食料品に流通経路を明確にするトレーサビリティを導入し、外食・中食産業など原料原産地の表示を義務化します。複雑な食品表示制度・関連法を見直し、消費者の選択権確保のための「食品表示法」を制定します。

○汚染米流通の再発防止や国による予防原則の基準の明確化など政府の責任を強めた総合的な食品安全行政をつくります。農薬や食品添加物を削減し、遺伝子組換食品の表示義務対象を拡大、受精卵クローン牛の表示を義務化します。生産者や消費者の立場に立った米穀検査・表示制度をつくります。人体や環境に影響をおよぼすおそれがある「食品への放射線照射」は認めません。

○輸入農畜産物・食品に対する監視を強化し、食品衛生監視員を増員、罰則を強化します。

○米国産牛肉の輸入条件緩和には反対、再リスク評価の実施などBSE対策の強化を求めます。消費者の信頼が高く、データ取得のためにも全頭検査を当面継続します。

○食と農の結びつき、コメを中心とした日本型食生活を普及するため、学校給食の週4回以上は米飯とし、地場産の活用促進、自校方式の促進と国の助成拡大、栄養教育の定着、伝統料理の評価と味覚・調理授業、農業体験や給食用の田畑づくりなど食農教育を充実します。

○WTO農業交渉では、重要品目の関税削減や低関税輸入枠の拡大は認めません。国境措置や国内支持の柔軟性の確保、途上国の発展、環境保全、食の安全など農業の価値を高め、各国の食料主権を守り、一次産業を活性化する公正な貿易ルールを求め、WTOを改革します。MA米は削減・廃止をめざします。小麦や乳製品、砂糖など重要品目の関税撤廃をめざす日豪EPA交渉は、日本農業や地域経済に壊滅的打撃を与えるおそれがあり反対します。農産物の輸入拡大、国内農業の縮小につながるEPAやFTAには反対します。

○後継者・新規就農者への助成制度を設け、新規就農者を増やします。フランスなみの青年農業者への助成金制度(一人当り年間200万円以上)の創設や低利融資制度の拡充により、毎年の39歳以下の新規就農者(現在1万人)を大幅に増やします。

○農業振興公社での稲作オペレーターの創設など人件費を補助します。酪農ヘルパー・コントラクター制度など営農集団組織への人件費を補助します。農業スタッフ育成制度をつくり、コメの営農受託組織に派遣します。

○畜産業の自給体制を確保し、所得補償の導入で経営を安定化します。安全・安心な牛乳・乳製品、食肉の国内自給体制を確保するため、自給飼料基盤に立脚した酪農畜産の推進体制を図ります。牛乳や乳製品、食肉生産に対し再生産が可能となるよう、販売価格と生産費の差額を所得補償する制度を導入します。

○野生鳥獣害対策は、多様な森林の造成、里山の整備や農耕地の利用(放牧など)など農林業の再生と農山村の活性化をはじめ、生物多様性の保全と動物との共生、鳥獣行政の人材育成をすすめます。

○北海道のビートや沖縄のサトウキビなど甘味資源作物を振興、果樹・野菜の国内消費を向上します。

2.森林、林業

○森林整備の加速化と緑の担い手育成、森林吸収源の確保、地域材の利用拡大により、林業振興、山村の活性化を図ります。

○国土の7割を占め、水を育み、国土を守り、自然環境との共生、資源の循環利用など多くの宝をもつ森林を再生し、持続可能な森林をつくります。天然生林や種の多様性をいかした適切な除間伐、空気や水などの環境保全、木材生産の増加につなげます。

○地球温暖化防止・京都議定書で約束した森林吸収源▲3.8%(1300万炭素トン)の目標を達成するため、森林吸収源10カ年対策をはじめ、毎年20万haを追加した年55万ha(2012までの6年間で330万ha)の間伐など森林整備を加速化します。必要予算額である毎年度1330億円の追加的森林整備費を当初予算で確保します。

○森林整備の促進にむけ、国が主導して地域の林業事業体の育成整備、不安定な林業労働者の賃金や安全・定住などの処遇改善、事業計画の前倒しを図ります。不在村の森林(約330万ha)は国が責任をもって買い上げ管理するなど適切な森林整備、所有者対策をすすめます。

○長期的な林業専門家の育成にむけて、緑の雇用制度の拡充で1万人、緊急雇用対策で4万人の労働者を確保するとともに、高校や大学での林学教育を充実し、技術をもった林業就業者10万人(現在5万人)を確保します。林業への直接所得補償制度を導入します。

○山村政策を強化します。中山間地域の多様な資源(水田、林野、自然環境など)を活用し、地域社会の活性化、農林複合の推進、上流と下流の連携を強め、第一次産業の振興を図ります。

○木材輸入大国である日本は、世界的な違法伐採や乱伐、農地開拓などによる森林減少と環境破壊を防止するため、違法な外国産材の流入規制・監視を強化し、国産材の利用を拡大します。

○地域材や山に置かれた間伐材を製品やエネルギーなどに有効活用し、木材自給率(現在23%、国内生産量は1931万〓)や木材産出額の向上を図ります。学校など公共施設での地域材利用の義務づけや木質バイオマスの利用を推進します。

○森林行政の独立法人化はやめ、国有林事業(764万haを所有)は、その公益的機能からも一般会計で事業を行い、林野庁による一元的・一体的管理を基本とした実施体制をめざします。

○50年先を見た国有林や民有林の長期展望をつくり、森林路網をきちんと整備し、高性能の機械による木材収穫、地域のフォレスター(森林官)による森林管理、森林学校による林業の担い手育成・実習、木材バイオマス利用など持続可能な森林をつくります。これらにより、木材産業および山村・中山間地域経済を活性化し、財政、雇用、脱化石燃料に貢献します。

3.水産・漁業

○藻場・干潟の復元など浅海の生態系を守り、沿岸漁場、豊かな里海を再生し、漁業を支援します。

○漁業者への直接所得補償制度を導入し、水産資源の回復、水産業の振興、持続可能な漁業をつくります。

○漁業者の労働環境を改善し、暮らしや人権を守ります。沈没事故による人命の救出体制を確立します。漁船漁業を守るために漁船員の福利厚生、特に社会保障制度の充実を図ります。

○原油・燃料高騰にあたっては、国の責任で燃料代の直接補てん、休業補償、燃料高騰緊急対策基金の改善などを行い、漁業者・漁村を守ります。

○資源の回復と持続可能な漁業のため、ABC(生物学的漁獲許容量)、TAC(総漁獲可能量)、IQ(個別漁獲割当)を、魚種に応じて組み合わせた資源管理をすすめます。

○漁獲制限や輸入制限を行う場合には補償措置を講じます。また密漁や違反船を取り締まり、資源の枯渇防止に取り組みます。国際的資源乱獲に歯止めをかける新たなルールづくりに努力するとともに、国際的な資源保護措置を損なうすべての違法・無法漁船の廃絶とその漁獲物の日本市場への輸入を禁止します。

○漁獲量が減少している魚種や魚体選別機が使用されている漁種については、資源状態をより正確に把握できる調査研究体制を整備するとともに、資源保護策が的確に運用できるように取り組みます。沿岸や閉鎖的水域の海水汚染を調査し、対策を講じます。

○漁獲の合理的な管理、漁業資源保存、鉱物資源・海洋微生物資源等の開発に当たっては、海洋生態系に配慮して行うようにします。

○産地ブランドの確立、産直や直売を支援するとともに、量販店による価格支配体制を見直し、漁業者の経営安定、所得向上につなげます。

○漁業の持続的な発展、魚が主菜になる日本型食生活の普及のため、魚文化の復権、学校給食への魚の安定供給にむけた支援をはかります。

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