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衆議院選挙公約2009・概要版

生活再建10の約束

再建2

いのち セーフティネットを充実

 社会保障は、社会が支え合うセーフティネット(安全網)です。弱者の保護のみならず、長期的な社会の安定や発展の土台となるものです。それを単なる負担と捉え、赤字解消を名目に国や自治体の役割を縮小させてきた小泉構造改革は明らかに誤りでした。2002年度から始まった社会保障費の機械的な削減(毎年2,200億円)によって、医療、介護、年金など、生命や暮らしに直結するセーフティネットは機能不全をおこし、人びとを不安に陥れています。社会保障費削減方針を早急に撤回させ、セーフティネットを張り直し、いのちを大切にする政治を実現します。

1.医療

医師や看護師など医療従事者の数を増員します

○計画的に医師を養成し、少なくともOECD平均なみに医師数を増やします(日本の人口千人当たりの医師は2.1人となっており、OECD平均の3.1人をはるかに下回っています)。特に、地域医療を担う総合医師、小児科・産婦人科・麻酔科の医師を増やすために、医師研修制度のあり方、地域と診療科の採用枠の設定、診療報酬などについて改善を行います。

○看護師やコメディカルスタッフ(薬剤師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士など)の増員と労働条件の改善を行います。また、短時間正規雇用の導入、院内保育所など職場環境を整備し、女性医師や医療従事者の仕事と家庭の両立支援を行います。

医療空白地域の拡大を止めます

○地域の生命と健康の砦である公的病院(国立・公立・日赤・厚生年金・社会保険病院など)の統廃合に歯止めをかけ、がんや脳卒中の治療、救急医療・産科・小児科など地域医療を確保します。

○地域における医療施設の機能分化を明確にし、院内・病院間・地域の医療の連携を強化して、情報の共有を行うシステムをつくります。現場に丸投げするのではなく、各都道府県が、救急搬送システム、受け入れ医療機関の確保に責任を持てるよう国が援助を行います。

身近な地域で安心して出産ができる場を 確保します

○助産師の力を活用し、助産院、母子健康センター、産院など、妊婦健診と正常分娩の受け皿となる分娩施設を身近な地域に増やします。

○妊婦健診や分娩を健康保険の適用にして、医療やケアの透明性を高め、バラツキの大きい費用を是正します。自己負担分は国庫負担とし、基本的な妊婦健診と出産を無料化します。

診療報酬を適正に評価します

○2002年からの連続した診療報酬マイナス改定を引き上げます。療養病床に関する改定を是正し、“医療難民”“介護難民”を生み出している療養病床の削減計画を早急に見直します。

○機械的に日数のみでリハビリを打ち切るリハビリ日数制限を中止します。個々の患者の病状や障害の程度を考慮し、継続したリハビリを保障します。

○診療報酬は、人的配置や技術などについて引き上げます。救急医療、小児科・産科・麻酔科について診療報酬上の評価を行います。

世界に誇る国民皆保険を堅持します

○すべての国民が各公的医療保険に加入し、いつでもどこでも安心して医療を受けられる国民皆保険を堅持します。

○安全性、有効性、普遍性が確認され、国民にとって必要な医療は速やかに保険適用を図り、所得の格差が医療内容を左右する混合診療は導入しません。

○公費を投入して市町村国民健康保険の強化に取り組みます。保険料の減免制度を充実し、保険証の取り上げをやめ、無保険者をなくします。

○中学校卒業まで、子どもの医療費を無料にします。70歳以上の医療費自己負担は1割にします。

後期高齢者医療制度を廃止します

○「後期高齢者医療制度」は病気になるリスクの高い層だけを切り離し、高齢者の医療費削減を目的に設計されています。将来、医療内容が制限されかねないうえに、保険料負担は上昇率が非常に高く、持続可能な制度とはいえません。同制度を一旦廃止し、老人保健制度にもどします。

○保険者機能の強化、財政の安定化、医療供給体制などの面から、市町村国民健康保険の適正規模を検討します。

○在宅医療を中心に据え、切れ目のない医療と保健、福祉を結ぶ「地域ケア」の実践を広めます。

○患者や家族の要望を踏まえた実践を通じ、患者の尊厳を大切にした終末期医療や看取りのあり方を探求します。

がん対策、肝炎総合対策、難病対策に取り組みます

○がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。

○がん対策基本法に基づいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。

○薬害肝炎感染の拡大が国の責任であることを明確にし、全国的な肝炎治療体制の整備と医療費助成や治療中の生活支援を柱とする総合的な肝炎患者支援法を制定します。

○難病の調査研究費を増やし、特定疾患の対象を拡大します。難病患者の治療の確保、負担軽減、療養環境の向上の観点から難病対策基本法をつくります。

患者の権利を確立します

○患者本位の医療を実現するために、インフォームド・コンセント(十分な説明と理解、納得したうえでの合意)を徹底します。「患者の権利基本法」を制定します。

○カルテ開示の法制化やレセプト(医療費明細書)の開示を早急に進め、患者や家族が医療記録を知る権利を保障します。

医療事故の再発を防止します

○「医療基準監督局」(仮称)を設置し、医療事故の原因調査、再発防止のために、医師の事故報告の義務化や安全指導を行います。また、被害者救済のための公的医療賠償責任制度をつくります。

新型インフルエンザ対策を強化します

○現在行われている定点観測(全国5000か所)を充実し、インフルエンザの種類、感染の状況、重症度などを継続的にチェックします。2次、3次流行、症状変化の把握を適確に行い迅速に対応します。

○感染症患者の受け皿となる地域の医療機関の基盤を強化します。

2.年金

年金記録問題を解決し年金制度の信頼回復を図ります

○いわゆる「宙に浮いた年金」「消えた年金」「改ざんされた年金」など年金記録の正確な回復作業を促進します。年金記録がまちがっている可能性が高い人について、一定基準による早期の救済策を検討します。

○事務局体制を強化し、記録が回復した年金の支給を迅速に行います。

年金に関する情報提供と情報共有をすすめます

○年金記録を政府と国民が共有し、毎年双方向でチェックする仕組みをつくります。毎年送付する「ねんきん定期便」には、前年の加入記録や所得、年金見込額、過去の加入記録、積立金の運用成績、年金制度運営のための行政コスト・間接コストなどを掲載します。

○保険料の履歴や将来の受け取り見込み額を自分で確認できる「マイ年金手帳」をつくります。

○公的年金の老年者控除等を復活するとともに、年金からの税・保険料天引きをやめさせます。

年金保険料の流用を禁止します

○年金保険料の使途を年金給付に限定します。

○運営管理業務における公平性、効率性、透明性を確立します。

○年金積立金管理運用独立行政法人に対する国のチェックを厳しくします。

最低保障機能を備えたわかりやすい年金制度をつくります

○年金制度を一元化し、転職や結婚などで移動する必要のない、公平でわかりやすくい制度にします。新しい年金制度は、自分の賃金が年金受給に反映される「所得比例年金」(財源は保険料)と、社会が支え合う「基礎的暮らし年金」(財源は税金)の組み合わせです。

○「所得比例年金」は、だれもが無理なく支払える所得比例の保険料(給与所得者は労使折半、自営業者らは全額負担)で、納付した保険料に見合った年金額になります。

○「基礎的暮らし年金」は無年金や低年金を防止する最低所得保障の機能を果たします。全額税財源による社会連帯のセーフティネットです。「所得比例年金」の受給額によって額は異なり、所得比例年金がゼロの単身で月8万円を保障します。

○国民の合意形成を早急に行うべく国会で議論を開始し、高齢者が生活できる年金額が手元に残るように、医療・介護の自己負担(保険料と利用料)や税制のあり方を総合的に見直します。

○「所得比例年金」の保険料は税と一体徴収します。総合課税化を推進する「公平番号制度」を早期に導入し、所得を正確に捕捉して不正を防止します。

3.介護保険・高齢者福祉

利用者・高齢者の費用負担を軽減します

○利用料、保険料など、費用負担が引き上げられ、必要なサービスを利用できない高齢者が増えています。保険料の段階区分をより細かく設定します。低所得者の利用料負担は、所得に応じた負担率に改善します。

サービス制限、認定制度、利用限度額などを見直します

○訪問介護、福祉用具など軽度認定者に必要なサービスが利用できるように基準の見直しを行います。同居家族がいる場合の生活援助、院内介助など、サービス利用の一律的な制限を是正します。

○要介護認定基準の改定により、要介護度が軽くなりサービスが減らされ、利用者から不信の声があがっています。認定結果と要介護者の生活実態やニーズとの乖離が生じないよう認定方法を抜本的に見直します。ケアマネジャーなど現場の専門家に認定システムの移行を検討します。

○利用限度額を大幅に引き上げ、重度認定者の在宅介護体制を強化します。

介護報酬の大幅引き上げ・労働条件の改善と人材育成に取り組みます

○良質な介護サービスの確保、介護労働者の低賃金改善のために介護報酬の基本部分を引き上げます。利用料や保険料のアップにつながらないよう国の費用負担割合を増やします。

○専門性を高める研修制度の充実、施設の人員基準の見直し、事務負担の軽減など、介護労働者が働きがいをもって仕事が続けられるように、労働待遇を改善します。

介護サービス基盤を整備します

○介護療養病床を全廃する計画を中止し、地域に必要な病床数を確保します。待機者が38万人にもなる特養ホームの緊急整備を行います。

○24時間の生活を支える在宅介護、在宅看護の態勢を整備します。

総合的な高齢者福祉政策を充実します

○認知症の予防・早期治療・介護の質的向上、家族への支援態勢などを行います。

○地域包括支援センターの機能を強化するとともに、老々介護や独居、虐待、低所得など、高齢者の様々な問題について自治体が責任をもって解決ができるよう態勢を整えます。

4.自殺対策

○国・自治体・民間の実態調査、情報提供を踏まえ、地域の特性や原因に即した戦略的な自殺総合対策を推進します。

○自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題であり、早い段階で経路の連鎖を断ち切ることが重要です。ハローワークなどを拠点に、就労と生活支援、心の悩み相談、多重債務者支援等のワンストップ窓口を開設します。

○自殺未遂者の自殺再発を防ぐために、救命救急センターに精神科医師を配置するなど、精神科医による診療体制の充実、福祉との連携強化等をはかります。家族など身近な人の見守りを支援します。NPO団体の知恵と熱意を最大限に活かします。

5.障がい者福祉

○基本的な生活、働く場にも利用料を課す「障害者自立支援法」を廃止し、支援費制度の応能負担の仕組みに戻します。医療と福祉を区分し、両面から障がい者の生活を支えます。精神通院公費、更生医療・育成医療を復活して重くなった自己負担を軽減します。

○谷間の障がい者、難病者をカバーする総合的な「障害者福祉法」を制定します。

○国際的な水準による「障がいの定義」を確立します。「国連障害者の権利条約」にもとづいて障がい者の所得保障、働く場や生活の場など基幹的な社会資源の拡充、就労支援策の強化などを行います。

○「国連障害者の権利条約」の批准と国内法の整備を進めます。実効性ある「障がい者差別禁止法」、「障がい者虐待防止法」を制定します。

○障がいをもつ人が「参加しやすい選挙」は、お年寄りや体の不自由な人などすべての国民にとって「参加しやすい選挙」です。選挙のバリアフリー化、ユニバーサル化を推進します。

○地上デジタル放送への移行に際しては、「視覚障がい者にも使えるリモコンを」、「障がい者にもチューナーを」という要求への対応を強化します。

○障がい者が放送を通じて情報を入手する上で必要な手段である字幕放送ならびに手話放送の増加を求めます。

○移動困難な障がい者が住みなれた地域の中で自立し、社会参加の機会を増やすには、公共交通を整備することが第一ですが、運転免許の取得がネックとなっていることも否定できません。障がい者の運転免許取得を支援するためのバリアフリー化をすすめます。教習所や各種の講習、免許行政窓口で、手話通訳、文字通訳、字幕などの情報保障の整備をすすめます。指定教習所において手動・足動運転補助装置を普及させます。交通の安全と障がい者等の社会参加が両立するよう、障がい者団体を含め、広く各界の意見を聴取しつつ、運転免許の適性試験・検査についても科学技術の進歩、社会環境の変化等に応じて見直しを行います。障がい者の運転免許取得を支援するため、取得費用に対する助成制度を作ります。

○著作者の音訳を制限する著作権法を改正するとともに、「EYEマーク」運動をすすめます。

6.生活保護・ひとり親家庭

○生活保護基準を健康で文化的な最低限度の生活が保障できる水準へ引き上げます。

○生活保護法の本来の趣旨に添った運用を徹底し、福祉事務所職員の増員や専門性の確保をはかります。貧困率測定調査を行い、数値目標を定めて貧困の削減に取り組みます。

○生活保護から住宅扶助と医療扶助を切り離して、それぞれを単給で活用できるように制度を改善します。ホームレスやネット・カフェ難民などに対応し、生活保護を受ける手前の支援策として機動的に運用します。

○生活保護の母子加算、老人加算を復活します。

○児童扶養手当の父子家庭への支給を実現します。

7.社会保障としての住宅政策

○住宅こそ生活の基礎であり、「住まいは人権」です。「住宅先進国」をめざし、住生活の向上と居住の権利を保障するため、「住宅基本法」を制定します。

○優良な公共賃貸住宅を増やします。入居資格を緩和して、低所得の若者や高中年の単身者などの入居を可能にします。居住者の不安を煽る旧公団住宅(UR住宅)の民営化に反対します。

○低所得者、中堅所得者、高齢者等に対する住宅のセーフティネットとして適切に機能しうるよう、公営住宅制度等の見直しを進めていきます。旧公団住宅や公営住宅を団地居住者にとってのみならず、オープンスペースや緑地、子どもの遊び場、地域の防災拠点など地域社会の貴重な環境資源としても活用します。集合住宅における世代間交流を促進します。

○公営・旧公団住宅については、居住者の居住の安定と社会不安の進展、空家対策等の観点から、高齢者が安心して住み続けられる家賃や若者も住める家賃へと見直します。また民間借家についても多様な家賃補助制度を導入すべきです。民間賃貸住宅の入居差別を許しません。

○雇用促進住宅の廃止をやめて、若者の雇用と住まいのために積極的に活用します。

○子どもを育てる世代、バリアフリーの住宅を望む高齢者世代など、人生の節目に合わせた住み替えを柔軟に行えるようにしていきます。

○貧困者を食い物にするいわゆるゼロゼロ物件に対する規制を強化します。

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