マニフェスト

総合版


いのち セーフティネットを充実

1.今度こそ国民本位の社会保障制度改革を

1.社会保障が消え消費税増税のみが突出した「一体改革」ではなく、国民本位の社会保障改革に取り組みます

○先の通常国会で、社会保障と税一体改革関連8法案が成立しました。民主・自民・公明の三党は消費税増税のみを優先し、確認文書を交わして、政府提出7法案を修正、新たに「社会保障制度改革推進法案」を提出しました。修正・新法案によって、政府の一体改革は、「社会保障の機能強化」が消え、社会保障費増加の抑制が前面に出る内容に変質しました。

○政権交代の原動力となった抜本的な年金改革や高齢者医療制度改革は、「あらかじめ民自公三党で合意に向けて協議」し、「社会保障制度改革国民会議」で審議することとなり、事実上の撤回といわざるを得ません。また、消費増税による国の増収を社会保障分野に使わずに、成長戦略や事前防災など公共事業に注ぎ込まれる可能性もでてきました。まったく国民不在のやり方です。民主・自民・公明の三党密室の議論を許さず、仕切り直しをして、国民本位の社会保障制度改革を行います。

2.医療、介護、福祉など個人情報を官民で連携する共通番号制度は危険です

○政府が作ろうとしている共通番号制度(マイナンバー制度)は、医療、介護、福祉などの情報連携、官と官、官と民間との情報連携を目的とする内容です。プライバシー保護の観点から非常に問題があり、実効性、経済性の面からも大きな疑問があります。また、個人単位で社会保障の負担と給付に関する情報を名寄せ・突合して計算できる「社会保障個人会計」につながる危険が伴うため、共通番号制度には反対します。

○しかし、税や社会保険料の公平性を確保するためには番号制度の導入が不可欠です。自己情報コントロール権を確保しながら、使用目的をしぼった番号制度を国民の納得と合意のもと、導入します。

2.地域の医療を確保

1.医師や看護師など医療従事者の数を増やします

○病院で働く医師の4割が過労死ラインとされる月80時間以上残業をしているという調査結果が「労働政策研究・研修機構」から発表されました。勤務医の労働条件の改善は急務です。計画的に医師を養成し、少なくともOECD平均並みに医師数を増やします(日本の人口千人当たりの医師は2.1人、OECD平均の3.1人をはるかに下回っています)。

○特に、地域医療を担う総合医師、小児科・産婦人科・麻酔科の医師を増やすために、医師研修制度のあり方、地域の採用枠と診療科の採用枠の設定、診療報酬などについて改善を行います。

○看護師やコメディカルスタッフ(薬剤師・歯科衛生士・理学療法士・作業療法士など)の増員と労働条件の改善を行います。また、短時間正規雇用の導入、院内保育所など職場環境を整備し、女性医師や医療従事者の仕事と家庭の両立支援を行います。

2.地域の医療を確保します

○年金福祉施設等の整理合理化を目的とした「独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)が、2013年度から、病院等の運営等を目的とした「独立行政法人地域医療機能推進機構」組織に改組されます。社会保険病院や厚生年金病院の譲渡をやめさせ、それらの病院が救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療、リハビリテーション等、地域の医療・介護を提供する拠点となるよう機能強化をすすめます。

○地域の生命と健康の砦である公的病院(国立・公立・日赤・社会保険病院・厚生年金など)の統廃合に歯止めをかけ、地域の病院を守ります。がんや脳卒中の治療、救急医療・産科・小児科などを確保します。

○地域における医療施設の機能分化を明確にし、院内・病院間・地域の医療の連携を強化して、情報の共有を行うシステムをつくります。各都道府県が、救急搬送システム、受け入れ医療機関の確保に責任を持てるよう国が援助を行います。

3.“医療難民”“介護難民”をなくします

○療養病床に関する改定を是正し、“医療難民”“介護難民”を生み出している療養病床の削減計画を早急に見直します。

○機械的に日数のみでリハビリを打ち切るリハビリ日数制限を撤廃します。個々の患者の病状や障がいの程度を考慮し、継続したリハビリを保障します。

○診療報酬を抜本的に増額し、地域の医療体制を再建します。人的配置や技術などについて診療報酬を引き上げます。救急医療、小児科・産科・麻酔科について診療報酬上の評価を行います。

4.世界に誇る国民皆保険を堅持します

○すべての国民が各公的医療保険に加入し、いつでも、どこでも、だれでも安心して医療を受けられる国民皆保険制度を堅持します。同制度の崩壊につながりかねないTPPに反対します。

○安全性、有効性、普遍性が確認され、国民にとって必要な医療は速やかに保険適用をはかり、所得の格差が医療内容を左右する混合診療は導入しません。

○公費を投入して市町村国民健康保険の強化に取り組みます。保険料の減免制度を充実し、保険証の取り上げをやめ、無保険者をなくします。

○子育て世帯の保険料負担を軽減できるよう市町村国民健康保険の保険料の算定方法の見直しに取り組みます。例えば18歳未満の子どもは被保険者人数から外し、その部分について国庫負担とすることなどを検討します。

5.後期高齢者医療制度を廃止します

○「後期高齢者医療制度」は病気になるリスクの高い年齢層を他と切り離し、高齢者の医療費削減を目的に設計されています。将来、医療内容が制限されかねないうえに、保険料負担は上昇率が非常に高く、持続可能な制度とはいえません。同制度を一旦廃止し、老人保健制度に戻します。

○国民健康保険の都道府県単位の財政調整の強化により広域化を図るとともに、保険者機能の強化、財政の安定化、医療供給体制などの面から、市町村国民健康保険のあり方、健康保険の適正規模を検討します。

○70から74歳の窓口負担、2割への負担増を撤回し、一律1割負担にとどめます。

○「特定検診・保健指導の実施率」「内臓脂肪症候群の該当者・予備軍の減少率」は、保険者の努力だけで改善できるわけではありません。健康・経済・雇用などの面から総合的な検討を行います。実施率や減少率に応じて、保険者の支援金を加算・減算の対象とすることを撤回します。

○在宅医療を中心にすえ、切れ目のない医療と保健、福祉を結ぶ「地域包括ケア」の実践を広めます。

○超高齢社会へ対応するために、リハビリ医師の育成、緩和ケアの充実に取り組みます。

○患者や家族の要望を踏まえた実践を通じて、患者の尊厳を大切にした終末期医療や看取りのあり方を探求します。

6.がん対策、肝炎対策、難病対策に取り組みます

○がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。

○がん対策基本法にもとづいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。

○「C型肝炎救済特別措置法」「B型肝炎救済特別措置法」「肝炎対策基本法」を円滑に運用するとともに、全国的な肝炎治療体制の整備、医療支援、治療中の生活支援を拡充します。血液製剤によって肝炎ウィルスに感染した血友病患者についても賠償と同様の支援策を早急に構じます。

○難病の調査研究費を増やし、特定疾患の対象を拡大します。難病患者の治療の確保、負担軽減、療養環境の向上の観点から難病対策基本法をつくります。

7.身近な地域で安心して妊娠、出産、育児できるようにします

○助産師の力を活用し、助産院、母子健康センター、産院など、妊婦健診と正常分娩の受け皿となる分娩施設を身近な地域に増やします。

○妊婦健診や分娩を健康保険の適用にして、医療やケアの透明性を高め、バラツキの大きい費用を是正します。自己負担分は国庫負担とし、基本的な妊婦健診と出産を無料化します。

○子どもが病気になっても安心して医療にかかわるように、小児医療体制を整備します。子どもの医療費を中学校卒業まで無料にします。

○不妊専門相談センター、不妊治療に関する経済的負担を軽減し、不妊治療への支援に取り組みます。

8.患者の権利を確立します

○患者本位の医療を実現するために、インフォームド・コンセント(十分な説明と理解、納得したうえでの合意)を徹底します。「患者の権利基本法」を制定します。

○カルテ開示の法制化やレセプト(医療費明細書)の開示を早急にすすめ、患者や家族が医療記録を知る権利を保障します。

9.医療事故の再発を防止します

○「医療基準監督局」(仮称)を設置し、医療事故の原因調査、再発防止のために、医師の事故報告の義務化や安全指導を行います。また、被害者救済のための公的医療賠償責任制度をつくります。

10.新型インフルエンザ対策を強化します

○現在行われている定点観測(全国5000か所)を充実し、インフルエンザの種類、感染の状況、重症度などを継続的にチェックします。2次、3次流行、症状変化の把握を的確に行い迅速に対応します。

○感染症患者の受け皿となる地域の医療機関の基盤を強化します。

11.予防接種に関するモニタリング体制を拡充します

○予防接種の副反応についてモニタリング体制を抜本的に拡充し、迅速な被害救済をすすめます。

○ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの接種費用を軽減し、無菌性髄膜炎を予防します。

○婦人科検診を充実し、20歳代30歳代で急増している子宮頸がんを防止します。子宮頸がんワクチン接種の接種について、本人・保護者の正しい理解と合意を徹底します。

12.エイズ対策を強化します

○エイズに対する正しい知識の普及、検査や相談が受けられる体制など予防対策を徹底します。特に、若者への性教育、在日外国人、海外滞在者などに対して重点的な啓発活動を行います。

○国公立病院における患者・感染者の受け入れ体制の強化、医療従事者の養成、患者・感染者に対するカウンセリング体制など、エイズ患者への医療体制を整備、充実します。

○アジア地域における患者・感染者は急増しています。日本は、ワクチンや根治薬の開発など研究分野をはじめ、国際協力に積極的な役割を果たします。

3.介護保険・高齢者福祉の充実

1.特養ホームや小規模多機能施設の増設、在宅生活の支援強化で介護施設待機者をゼロにします

○特別養護老人ホームの入所者は約42万人。入所待機者は入所者数を上回っています。5カ年計画を策定し、特別養護老人ホーム、介護保険施設、介護療養型医療施設などを、現在の倍に増やします。

○住み慣れた地域で暮らしつづけられるように、小規模多機能施設、グループホーム、ケアハウス、有料老人ホームなど多様な施設を大幅に増やします。

○訪問介護サービスの大幅な拡充と訪問看護の充実で、高齢者の在宅生活を365日24時間、支える体制をつくります。

○介護療養病床を削減・全廃する計画をストップさせます。地域に必要な医療と介護を受けられるように医療と介護の連携をすすめます。

2.保険料・利用料金を見直し、だれもが利用できる制度へ改革します

○介護保険料の段階区分をより細かく設定し、低年金、低所得の高齢者の保険料負担を軽減します。公費負担割合の引き上げ、各都道府県に設けられた「財政安定化基金」の活用で保険料の引き上げを緩和します。

○介護保険の利用料負担が重荷となって、必要なサービスを利用できない低年金、低所得の高齢者が生じないよう、利用料の減免制度を徹底します。

○介護施設の食費・居住費が全額自己負担になったことにより、施設利用を困難にしています。補足給付を拡充し利用者負担を軽減します。

3.介護認定を簡素化します

○要介護者の生活実態やニーズと介護認定結果との乖離により、在宅生活に困難が生じています。事務手続や時間がかかる介護認定を見直し、現行の7段階から3段階程度に簡素化します。ケアマネジャーなど現場の専門家の裁量を大きくするしくみを検討します。

○軽度の認定者であっても、訪問介護、通所介護、福祉用具など、本人の生活に必要なサービスは利用できるようにします。同居家族がいることを理由に行われている生活援助制限を是正します。

4.労働条件の改善と人材育成に取り組みます

○介護労働者の正規雇用化を進めるとともに、低賃金を計画的に改善します。

○施設の人員基準の改善(介護施設の配置基準を現行の3対1から2対1に見直す)、事務負担の軽減、専門性を高める研修制度の充実などに取り組みます。介護を働きがいがあり、継続できる仕事に改善し、就労者を増やします。

5.総合的な高齢者福祉政策を充実します

○認知症の予防・早期治療・介護の質的向上、家族への支援態勢などを行います。

○地域包括支援センターの機能を強化するとともに、老々介護や独居、虐待、低所得など、高齢者のさまざまな問題について自治体が責任を持って解決ができるよう態勢を整えます。

6.介護費用の国庫負担を引き上げます

○介護基盤の整備、介護報酬の引き上げなどに伴って上昇する介護保険料・介護利用料を抑制するために、国負担割合を30%に引き上げ、さらなる引き上げを検討します。

7.レスパイトケアを拡充します

○高齢者虐待、障害児・者虐待の背景には家族の介護疲れがあります。在宅でケアをしている家族を癒やすための一時的なケア(レスパイトケア)が必要です。レスパイトケアの社会的な認識を高めるとともに、レスパイトケアを保障する制度や施設への短期入所や自宅への介護人派遣など家族支援サービスを拡充します。

4.安心と信頼の年金制度を

1.国民年金徴収率の向上に取り組みます

○2011年度の国民年金保険料の納付率は過去最低の58.6%、6年連続の低下となりました。背景には雇用情勢の悪化や年金制度への不信感などがあります。11年度末の国民年金の加入者数は1904万人で、そのうち未納者は320万人、未加入者は9万人です。未納・未加入は、障害者年金の受給権が得られない、将来の低年金、無年金問題などに直結し、本人にとって非常に不利です。年金保険料免除制度の周知徹底を図るとともに、徴収業務に十分な数の職員を配置するなど、国民年金徴収率の向上を図ります。

○非正規労働者への社会保険制度の適用を大幅に拡充し、厚生年金への加入を進めます。

○年金制度をはじめ、社会保険制度が、自分たちの生活のセーフティネットであり、社会の支え合いの制度であることを中学生、高校生など若い世代が、しっかりと認識できるよう学校教育、社会教育を充実します。

2.年金の最低保障機能を重視してデフレ下の年金危機に対応します

○物価や賃金が下がり続けるデフレ傾向が続いています。2004年の年金改革では、少子高齢化に対応して、実質の年金価値を徐々に下げていくマクロ経済スライドが導入されましたが発動に至っておらず、政府はデフレ下においてもこの機能が発動できるように制度の見直しを検討しています。そもそもこの機能は年金の一律給付カットであり、国民年金だけの受給者や低年金者にとって、非常に厳しい機能です。最低保障機能の観点、国民年金受給額と生活保護受給額との整合性の観点から、マクロ経済スライドの適用範囲を検討します。

○消費者物価指数の下落により、公的年金の支給額は、2年連続で引き下げられています。さらに、物価スライド特例水準の解消によって、低所得の年金受給者は非常に深刻な影響を受けます。年金の特例水準の解消と合わせて、児童扶養手当、福祉手当等、各種手当の特例水準の解消を行うこととなり、その影響も非常に大きいものとなります。高齢者等の家計、消費税負担、健康保険料や介護保険料の引き上げなど総合的な生活状況を十分に踏まえ、特例水準の解消は慎重に慎重を期します。

○巨額の年金資金が消えたAIJ投資顧問事件を契機として厚生年金基金等の企業年金をめぐる資産運用と財政運営のあり方が問われています。失われた資金は総額2000億円に上るとされています。年金を預けていたのは大半が中小企業で、年金資金の半分以上が失われ、企業年金からの脱退や基金の解散が取りざたされています。年金基金は自分たちの企業年金だけでなく、国の厚生年金の資金を預かって代わりに運用しているため、国に資金を返還できずに倒産する会社が相次ぐと残った会社の負担が増え倒産の連鎖を引き起こすという深刻な事態が生じています。基金のガバナンス、情報開示、行政のチェックなど、徹底した問題の洗い出しが必要です。現在の課題への対処とともに、公的年金の上乗せのあり方について新しいモデルの検討を行います。

3.年金記録問題を解決し年金制度の信頼回復をはかります

○いわゆる「宙に浮いた年金」「消えた年金」「改ざんされた年金」など年金記録の正確な回復作業を促進します。年金記録がまちがっている可能性が高い人について、一定基準による早期の救済策を検討します。

○事務局体制を強化し、記録が回復した年金の支給を迅速に行います。

4.年金に関する情報提供と情報共有をすすめます

○年金記録を政府と国民が共有し、毎年双方向でチェックするしくみを徹底します。毎年誕生日月に送付する「ねんきん定期便」に、前年の年金加入記録の他、年金見込額、過去の加入記録、積立金の運用成績、年金制度運営のための行政コスト・間接コストなどを掲載します。

○保険料の履歴や将来の受け取り見込額を自分で確認できる「マイ年金手帳」をつくります。

○運営管理業務における公平性、効率性、透明性を確立します。

○年金積立金管理運用独立行政法人に対する国のチェックを厳しくします。

5.高齢者の暮らしの基盤となる年金制度をつくります

○年金制度を一元化し、転職や結婚などで移動する必要のない、公平でわかりやすい制度にします。新しい年金制度は、自分の賃金が年金受給に反映される「所得比例年金」(財源は保険料)と、社会が支え合う「基礎的暮らし年金」(財源は税金)の組み合わせです。

○「所得比例年金」は、だれもが無理なく支払える所得比例の保険料(給与所得者は労使折半、自営業者らは全額負担)とし、納付した保険料に見合った年金額にします。

○「基礎的暮らし年金」は無年金や低年金を防止する最低所得保障の機能を果たします。全額税財源による社会連帯のセーフティネットです。「所得比例年金」の受給額によって額は異なり、所得比例年金がゼロの単身で月8万円を保障します。

○国民の合意形成を早急に行うべく国会で議論を開始し、高齢者が生活できる年金額が手元に残るように、医療・介護の自己負担(保険料と利用料)や税制のあり方を総合的に見直します。

○「所得比例年金」の保険料は税と一体徴収します。総合課税化を推進する「公平番号制度」を早期に導入し、所得を正確に捕捉して不正を防止します。

5.当事者が主体となる障がい者制度改革の推進

1.障がい当事者らがまとめた骨格提言を政策に反映させます

○2012年通常国会で「障害者自立支援法」を「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)にする改正案が成立しました。政府は、障害者自立支援法違憲訴訟団と交わした基本合意文書を真摯に受け止め、現行法を廃止し新法律をつくることを明言していました。また障がい当事者らが参画する「障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会」は骨格提言を構成員55名の総意で出していました。

しかし、改正案には理念規定に「可能な限り」という文言が挿入されました。また、収入認定が世帯単位の収入ではなく障害児者本人だけで認定する仕組みにならなかったこと、自立支援医療に減免制度が導入されなかったこと、難病者・慢性疾患者等で制度の谷間に残される人がいるなど、骨格提言とは相容れない部分が多く残されました。骨格提言と基本合意はインクルーシブ社会をつくっていくために欠かすことのできない内容であり、社民党は今後もこれらを障がい者施策に反映させていきます。

2.障がい者差別禁止法をつくります

○多くの国で成立している障がい者への差別を禁止する法律が日本にはまだありません。障害者権利条約が原則とする「社会への完全且つ効果的な参加とインクルージョン」を基本に、障がいを理由とした差別(直接差別、間接差別、合理的配慮を行わないこと)をなくす法律をつくります。

3.国際的な水準に基づいて「障がい者の定義」を確立します

○2011年通常国会では、障害者基本法の改正、障害者虐待防止法の制定が行われました。法律の徹底、実効性を高めるとともに、さらに法整備をすすめ、「国連障がい者の権利条約」の批准を目指します。

○国際的な水準による「障がいの定義」を確立します。「国連障がい者の権利条約」にもとづいて障がい者の所得保障、働く場や生活の場など基幹的な社会資源の拡充、就労支援策の強化などを行います。

○発達障害者が犯した事件に対し、社会的な危険視から量刑を行う判決が裁判員裁判で出されました。これは発達障害に対する無理解によるものであり、正しい認識を広げなければなりません。発達障害者支援法による支援策を強化し、都道府県の発達障害者支援センター、地域生活定着支援センターにおける受け皿つくりをすすめます。

4.障がい者の働く場、雇用を広げます

○障がい者の法定雇用率が2013年度から引き上げられ、民間企業は2.0%(現在1.8%)、国・地方自治体は2.3%(現在2.1%)になります。障がい者の自立と共生社会の実現に向けて、法定雇用率の達成をすすめます。

○ハードルの高い「一般就労」と訓練的な要素が強い「福祉的就労」の中間となる「社会的雇用」の実践をもとに、社会的雇用の制度化をすすめます。

○障がい者の暮らしの基盤となる障害者年金を拡充します。

5,障がい者の社会参加を推進します

○障がいを持つ人が「参加しやすい選挙」は、お年寄りや体の不自由な人などすべての国民にとって「参加しやすい選挙」です。選挙のバリアフリー化、ユニバーサル化を推進します。

○地上デジタル放送への移行に際しては、「視覚障がい者にも使えるリモコンを」、「障がい者にもチューナーを」という要求への対応を強化します。

○障がい者が放送を通じて情報を入手するうえで必要な手段である字幕放送ならびに手話放送の増加を求めます。

○移動困難な障がい者が住み慣れた地域の中で自立し、社会参加の機会を増やすには、公共交通を整備することが第一ですが、運転免許の取得がネックとなっていることも否定できません。障がい者の運転免許取得を支援するためのバリアフリー化をすすめます。教習所や各種の講習、免許行政窓口で、手話通訳、文字通訳、字幕などの情報保障の整備をすすめます。指定教習所において手動・足動運転補助装置を普及させます。交通の安全と障がい者等の社会参加が両立するよう、障がい者団体を含め、広く各界の意見を聴取しつつ、運転免許の適性試験・検査についても科学技術の進歩、社会環境の変化等に応じて見直しを行います。障がい者の運転免許取得を支援するため、取得費用に対する助成制度をつくります。

○著作者の音訳を制限する著作権法を改正するとともに、「EYEマーク」運動をすすめます。

6.貧困の解消

1.最後のセーフティネットである生活保護制度を守ります

○生活保護制度に関連するバッシング報道が過熱するなか、民主・自民・公明三党の確認文書に基づく「社会保障制度改革推進法」の附則に「生活保護制度の見直し」が挿入され、不正受給者への厳格な対処や生活扶助・医療扶助等の給付水準の引き下げが行われようとしています。昨今、孤独死や餓死が相次いでいるなか、生活保護制度の課題は保護が必要な人が制度からこぼれていることです。生活保護制度は憲法25条の生存権保障を具体化したものであり、「最後のセーフティネット」として機能を強化します。あわせて、生活保護制度に至る以前の雇用制度、健康保険制度、年金制度を見直し、それぞれのセーフティネット機能の強化を図ります。

○生活困窮者は親族に問題を抱えているケースが多く、現在、生活保護は扶養を要件とはしていません。制度に対する正確な理解を徹底するとともに、民法877条を中心とする扶養義務規定を、「個人の尊厳」「だれもが自分らしく生きる権利」という観点から見直します。

○生活保護制度の医療扶助、住宅扶助について抜本的な見直しを行います。医療扶助は、患者の窓口負担がないため、過剰診療や薬の過剰投与が起きやすいという問題が生じています。必要な医療を確保するために福祉事務所に専門の職員を配置し、受給者に対して、医療に関する相談、助言などを行います。公営住宅の増設、民間住宅の活用によって、住居の確保、就労支援、自立支援につなぎます。

○生活保護の国庫負担分を引き上げ、生活保護申請が集中している自治体への財政負担を軽減します。

○財政措置を強化し、生活保護のケースワーカーの増員と専門性の確保をはかります。

2.生活と就労の総合的な支援制度をつくります

○求職者支援制度を強化するとともに、「パーソナル・サポート・サービス制度」(生活と就労に関する総合的な支援制度)を推進します。

○応能負担で入居できる公的住宅を増設し生活の基盤となる住居を確保します。あわせて劣悪な住居等を提供し生活保護費を横取りする貧困ビジネスの温床を断ちます。

3.子どもの貧困をなくします

○国際的にみて、日本は子どもの貧困率が非常に高く、子どもの7人に1人、ひとり親世帯の子どもは1.8人に1人が貧困状態にあります。その背景には、労働環境の劣化、社会保障制度や税制が貧困の解消に役立っていないなど構造的な問題があります。「子どもの貧困」を解消するためには単に現金を給付するだけでは不十分です。保育、教育、住居、健康、雇用など包括的な政策を実行し、貧困の連鎖に楔を打ちます。継続的に政府の貧困率測定調査を実施し、数値目標を定めて貧困の削減に取り組みます。

7.自殺防止対策の強化

1.自殺は防ぐことのできる社会的問題として総合対策を推進します

○国・自治体・民間の実態調査、情報提供を踏まえ、地域の特性や原因に即した戦略的な自殺総合対策を推進します。

○自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題であり、早い段階で経路の連鎖を断ち切ることが重要です。ハローワークなどを拠点に、就労と生活支援、心の悩み相談、多重債務者支援等のワンストップ窓口の開設に取り組みます。

2.自殺の再発を防ぎます

○自殺未遂者の自殺再発を防ぐために、救命救急センターに精神科医師を配置するなど、精神科医による診療体制の充実、福祉との連携強化等をはかります。家族など身近な人の見守りを支援します。NPO団体の知恵と熱意を最大限にいかします。

3.子どもの自殺、いじめをなくします

○児童・生徒が楽しく仲間と学ぶ場となる学校を目指します。自信と仲間への信頼感を醸成できる場となるよう、生涯教育の一環として幼児教育、学校教育を見直します。生徒、親、教師など学校における当事者参画の仕組を目指します。

○小学校の20人学級を目指します。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの配置を拡充します。

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