マニフェスト

総合版


「人間の復興」の実現

1.復興へのヒューマン・アプローチ
〜分権型の生活再建で絆を結び合う地域コミュニティの再生〜

1.生活・雇用の場としての地域を再建します

○中央集権・効率重視・ハード中心の開発型復興ではなく、コミュニティとソフトを重視した分権型の生活復興へ――。未曾有の被害を出した東日本大震災からの復興は、国が上から押しつける単なる現状復帰ではなく、犠牲となられた方々や遺族、そして今なお仮設住宅での暮らしや避難生活を余儀なくされている方々の思いを十二分に汲んだ、くらし、まち、政治、経済、社会のあらゆる場面での大転換でなければなりません。各被災自治体が地域の実情に応じて練り上げた復旧・復興計画を十分尊重し、財源は国が全面的に負担するという大原則の下、復興を力強く推進します。被災者の生活再建に資するよう、復旧・復興過程に被災地の住民が参画できるような仕組みを作ります。特に女性や子ども、障がい者、高齢者、外国人、非正規労働者の参画と意見反映を大切にし、セーフティネットを張り直し、住民同士の絆を結びあった生活・雇用の場としての地域コミュニティの再生、弱者に手厚い福祉が充実したまちを再生します。脱原発への転換を着実にはかり、東日本の復興と日本の再生を実現し、本当の意味で人間らしい社会、安心できる社会づくりへ全力を挙げます。

○政府は2011年度、12年度に総額17.5兆円の復旧・復興予算を組みましたが、11年度の復興補正予算(約15兆円)の4割に当たる5兆8000億円が未使用に終わるなど、その多くが被災地に届いていません。例えば「復興に自由に使える」との触れ込みだった「復興交付金」(11年度・12年度予算で計1兆8480億円)は、現実には使途が40事業に限られ、各自治体の復興事業が交付金対象に該当すると認定されなければ使えないなど、被災地の切実な要望と大きなずれが生じています。一方で12年度予算の復興特別会計のうち669億円が防衛省の「武器車両等整備費」、99億円が同省「航空機整備費」、42億円が高速増殖炉「もんじゅ」を運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構の「核融合エネルギー研究費」に流用されるなど、震災復興との関連性が極めて疑わしい予算配分も多数に上ります。社民党は復興予算のあり方を早急に見直し情報公開を徹底するとともに、申請手続きの一層の簡素化・省力化も含め、被災地が真に必要とする事業に柔軟性をもって迅速に充当でき、地域の主体性・独自性も十分に発揮できるよう改めます。

○復旧・復興事業への国による各種財政支援を可能な限り拡充・継続実施し、十分な予算措置を確実に講じます。国の復興予算のうち不用額とされたもの(2011年度予算では約1兆1000億円)については復興特別会計に繰り入れ、主に被災地の生活再建支援策に充当します。「東日本大震災復興基金」については、被災自治体の基金事業の需要に応じて大幅な追加交付を実施します。

○消費税増税は本来撤回すべきですが、仮に実施する場合でも、復興に重大な支障を生じさせることから被災地に対する特例措置を強く要求します。

○被災した鉄道・道路・港湾・防潮堤・河川・橋梁・下水道・病院・行政庁舎・通信などの公共インフラと、農地や漁港、農産物・水産物関連施設など産業施設の早期全面復旧、防災拠点や教育・研究施設の再建整備、地域コミュニティの一日も早い再生に全力を挙げます。当初予定された年度内にやむを得ず事業完了しない各種復旧・復興事業について、必要に応じて柔軟に繰越を認め、手続きも簡略化するなど弾力的運用をはかります。

○震災で肉親を失った遺族や生活・事業基盤を奪われた被災者が精神的に追い詰められることのないよう、「自殺対策緊急強化基金」の設置期限を延長し大幅な基金の積み増しを実施するなど、長期にわたり万全の支援策を講じます。

○被災者の医療・介護の保険料減免や失業給付延長などの社会保障分野、所得税・住民税の減免などの税制分野について、被災者が生活再建を果たすまで救済措置が打ち切られることのないよう法整備を進めます。

○被災地での人材不足が深刻な産科・小児科・救急をはじめとする医師・看護士、介護職員、保育士等の確保対策を推進します。被災した児童・生徒に対するきめ細やかな心のケアや学習指導を継続実施できるよう、被災県への中長期的な教職員の加配措置を充実させます。被災地で生活する子どもと子育て家庭への学習支援、経済的支援など総合的なバックアップに取り組みます。

○「雇用調整助成金」の遡及適用をはじめ、さらなる支給要件緩和を図るなどして被災者・避難者むけ雇用の創出・拡大を図るとともに、雇用のさらなる拡充へ一層手厚い予算措置を講じます。利用率が低迷している「事業復興型雇用創出助成金」「被災者雇用開発助成金」の支給要件や対象範囲を大幅に拡大するとともに、2013年度以降に事業を再開した企業にも適用できるよう期間を延長します。

○被災者の雇用や派遣契約の継続などについて、経済団体などへの要請を強化します。

○災害復旧事業や自治体業務、住民対応機能の維持・充実のため、被災地の失業者を優先的に雇用拡大します。

○被災企業の復旧を支援する「中小企業等グループ化補助金制度」の採択率が低水準にとどまっている現状をふまえ、同制度の継続・拡充と予算増をはかり、被災中小企業の救済に格差をつくらないようにします。

○放射性物質で汚染された稲わらや牧草等の処理、農地の除染や塩害対策を急ぐとともに、「東日本大震災農業生産対策交付金」を大幅に拡充するなど、震災によって低下した農林水産業生産の復旧・復興に向けて万全の策を講じます。福島第一原発事故で被害を受けた農林漁業者について、風評被害も含め十分かつ迅速な補償を実施します。

2.住まいの再建をサポートします

○被災住宅再建のため各自治体が独自支援策を実施できるよう、復興基金の大幅な積み増しを図るとともに、そのための特別交付税の追加交付を行い自治体間での格差が生じないようにします。

○「がけ地近接等危険住宅移転事業」をさかのぼって適用できるようにするとともに、弾力的な運用をはかります。

○現在でも支援を求める声の多い国の「被災住宅応急修理制度」を再開、実施します。

○応急仮設住宅の供与期間を延長し、再契約時の手続きの簡素化・合理化をはかります。

○災害公営住宅の整備を急ぐとともに、家賃の減免措置、低廉化期間を延長します。

○「防災集団移転促進事業」の移転対象地域外の浸水地域において、現位置での住宅再建や浸水区域外に移転再建する被災者への支援制度を拡充します。

○少子高齢化社会に対応し、子育て支援施設や高齢者生活支援施設等の整備、LSA(ライフサポートアドバイザー)を配置したシルバーハウジングを導入します。

3.原発事故避難者にも十分な支援を実施します

○見通しの立たない避難生活の長期化や二重生活による生活困難、放射能への不安等、原発事故からの避難の特殊性を踏まえ、「避難の権利」確立と避難者・居住者の長期的な救済をめざし、広域避難者に対する生活保障をはじめとする充実した総合的支援体制の確立・継続や、受入自治体への財政措置強化をはかります。

○農林水産業や観光業等の風評被害も含め、放射性物質の汚染に伴う全ての損害について賠償すべき対象として早急に方針化するとともに、東京電力に対し幅広く責任を認め被害者の立場にたって迅速かつ十分な賠償を確実に行うよう強く求めます。

○東京電力福島第一原子力発電所の事故による被害から子どもや妊産婦を保護するための総合的かつ計画的な施策を推進します。「原発事故子ども・被災者支援法」を実効性あるものとするため、移動・居住・就労・医療と健康管理・所得減等、福島原発事故によって生じた新たな生活ニーズ全般を支援対象とします。

○被災者・避難者のニーズに応じて総合的に対応できるよう、雇用・保育・教育・介護・補償問題等を全体としてカバーするワンストップ型の相談窓口を各都道府県につくり、避難している場所によって受ける支援に格差が生じないようにします。

○高速道路料金の避難者無料支援の継続や被災者割引料金の導入などの負担軽減策を講じます。

○避難者個々人についての「被災者カルテ」を作成し、受入自治体と避難元自治体の間で緊密な連携を取り、絶えず情報の隙間ができないように配慮します。

○避難者支援の担い手として大きな役割を果たしているNPOや民間支援団体に対する、継続的な財政支援を行います。

4.被災自治体職員への支援を強化します

○東日本大震災で甚大な被害を受けた自治体の職員は、自らも被災しながら震災復興の膨大な業務に取り組んでいますが、「ひどく疲れた」との答えが4割超に及ぶ(自治労調べ)など、深刻な人員不足の中で心身の過重な負担に直面しています。全国からの職員派遣拡充も含め、被災自治体職員への支援を早急に強化します。また自治体間の互助のシステムとして、特定の自治体が責任を持って中長期にわたり特定の被災自治体を支援する「対口(たいこう)支援」(ペアリング支援、マンツーマンサポート方式)の仕組みを構築します。

2.災害に強いまちづくり
〜南海トラフ地震・首都直下地震にも対応する防災・避難体制を〜

1.次の被災者を生まない体制を徹底します

○地域防災計画や防災マップを東日本大震災や阪神大震災の経験と反省点、将来の南海トラフでの巨大地震・津波や首都直下型地震等の被害想定、過去の災害の痕跡を示す地形や地域の言い伝え等も踏まえて抜本的に見直すとともに、住民への周知・啓発を強化し住民参加の避難体制、防災・救援計画の徹底をはかります。災害時の情報システムの整備、地震・津波・台風・集中豪雨・竜巻等の観測・研究体制の強化を進めます。

○全国の学校・病院・自治体庁舎・公営住宅などの公共施設、道路・鉄道・橋梁・ダム・堤防・港湾岸壁・上下水道管など社会インフラの老朽化の実態を早急に調査・把握し、災害による倒壊・破損を招かないよう更新・改修・耐震対策を進め、こうした災害に強い国土づくりを地域活性化や新たな雇用創出にもつなげます。

○災害時の避難場所にもなる公共施設や学校、病院の耐震性向上と太陽光発電整備、避難場所や消防水利の整備と食料・飲料水・医薬品の備蓄強化、電気・電話等の系統の多重化、緑の保全と公園緑地、オープンスペースの活用等による災害に強いまちづくりを計画的に推進します。

○急傾斜地、水害常襲地など危険地域の住宅地を買い上げて公園化します。河川災害多発地域の農地買い上げを進め、公園緑地へ転換します。

○住宅の耐震強化改修への助成を強化します。

○海水脱塩式造水装置の普及を進めます。

○想定を上回る集中豪雨や「ゲリラ豪雨」災害に対応できるよう、都市水害対策を強化します。「雨水浸透ます」を各住宅敷地に埋め込み、水害対策とともに、都市化で枯れた地下水の再生にもつなげ、河川や湖沼をきれいにします。

○桜島や新燃岳など火山活動が近年活発化し将来の富士山噴火への懸念も高まる一方で、国の火山対策はまだまだ遅れています。周辺住民生活への影響や不安に応え、火山活動・噴火ポテンシャル評価のための移動観測装置やプールクリーナーの設置、学校や公共施設における空調設備の普及促進、降灰による身体への影響調査のための特別健康診断予算の確保、降灰除去事業の採択基準の見直しと事業量の確保、道路降灰除去車両の買い替え推進、防災営農対策事業の推進等に努めます。

2.自治体間の支援体制を密にします

○大規模災害時の被災者受け入れ体制を整備するとともに、被災地へのボランティアに対する支援を強めます。災害時のマンパワーとして自治体職員や消防などの体制を強化します。

○大規模災害時に被災自治体が必要とする職種別・職能別の応援職員の人数調整や派遣先、派遣可能な応援職員の確保についてマッチングし調整するなど、自治体間の応援・協力体制を強化します。災害直後の「スピード感のある対策」から中長期の「将来を見据えた対策」まで対応する、自治体間の「対口支援」のシステムを構築します。

○将来の大規模災害に備え、被災経験を有する自治体のノウハウを他自治体に伝える仕組みを構築します。

3.省庁を超えて災害弱者に優しいまちづくりをすすめます

○要介護者、障がい者、妊産婦・乳幼児、外国人など災害弱者への対策を日頃から講じるとともに、大地震の際の帰宅困難者対策や高層マンション住民向け対策を強化します。

○一人住まいの高齢者や若者など、災害時に相互に協力・助け合いができるよう、近隣住民同士の信頼関係やコミュニケーションの構築等を進めます。

○被災者の生活再建とは、住宅を再建するだけで事足りるものではなく、被災によって発生しがちな雇用問題、高齢者や障がい者など災害弱者の生活再建、さらにはまちのコミュニティ再生と、地域トータルの問題として考えなければならないことから、寄せ木細工のように各省庁の所管で運用されている多数の支援法を機動的に運用するシステムを構築し、災害救助法をはじめ防災、救援、復旧・復興関係法令の抜本的見直し・再編成を促進します。大規模な「災害対応一括交付金」を制度化し、府省を超えた使途の弾力化をはかります。

○被災者生活再建支援法について、支援金の支給限度額や住宅の被害認定のあり方、半壊世帯に対する支援等について改善を図ります。災害対策基本法には復興についての記述は少ないため、改めて「災害復興基本法」の整備を検討します。

4.消防力を充実します

○消防機関を地域に暮らす住民の安心の拠りどころとして、災害の未然防止から、発生した場合の即時対応、被災者の社会復帰や救済まで、総合的に情報やサービスを提供する「地域安全安心センター」をめざして改革していきます。

○「消防力の整備指針」を目標として、地域の実情に即した各自治体における消防職員・消防資機材の整備を進めます。消防用ヘリコプターの配置の増強や緊急消防援助隊の装備資機材の充実をはかります。消防車と救急車の機能を併せ持った「消救車」の導入を推進します。

○大規模災害時においては昼夜を分かたず多岐にわたり活動し、また、平常時においても地域に密着した活動を行っている消防団員の処遇について、十分に配慮し改善します。

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