マニフェスト

総合版


再建01 もっと平和・人権

再建06 もっと地方分権

元気でゆたかな地域へ

1.真の分権・自治の推進

○それぞれの地域の特色をいかし、「生きる営み場」としての元気な地域の再生をめざします。地域のことは地域で決められるようにし、住民が主役のゆたかな分権・自治の日本をつくります。

○地方自治法を抜本的に改正し、市民自治を基本にすえた「地方自治基本法」を制定します。自治体の重要事項について直接住民の意思を確認するための住民投票を制度化します。

○道州制には、住民不在であること、域内格差の拡大につながりかねないこと、身近な行政が後退すること、憲法の規定する直接請求や、地方特別法に対する住民投票の意義が損なわれることなどの疑問があります。まず現行の二層制の下での分権をすすめるとともに、都道府県を広域的な「自治体」としてもっと住民との関係を充実させていきます。広域の行政課題に対しては、広域連合を活用します。

○沖縄については、これまでのさまざまな経緯に鑑み、「一国二制度」的な特例的自治制度を検討し、沖縄県民の意思を尊重しながら実現をめざします。

○権限や財源の移譲、地方にかかわる制度改正などについて、政府と地方の代表者等が協議を行う場である、「国と地方の協議の場」の法制化を急ぎます。

○「補完性の原理」を徹底し、住民ニーズにかなった、「現場からの積み上げ型」の改革案の策定など、地域に根ざした分権・自治の取り組みをすすめます。

○政府がすすめる「地域主権」の検討に当たっては、社会経済情勢の変化に対応したかたちで国と地方自治体の行政の役割分担を見直し、そのうえで、より地域に密着した基礎的自治体が国民生活に不可欠な公共サービスを住民のニーズに沿って遂行するとの観点ですすめるように求めます。「地域主権戦略大綱」策定に際しては、公共サービス基本法の基本理念に則り、「安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること」を前提として対応するようにします。

○自治立法権・自治行政権を確立する分権の観点から、自治体への権限移譲をすすめるとともに、自治体の事務に対する国の義務付け、枠付けを縮小・廃止します。但し、保育や介護、児童擁護、障がい者福祉、男女共同参画、義務教育など、生存権や安全の確保、人間の尊厳や子どもの成長に深くかかわるサービスについては、国民へ同レベルの公共サービスを提供するため、国際的な人権基準に則って国が最低基準を設けます。また、当事者や社会的弱者の声が反映されるようにします。地方分権改革推進委員会に対する厚生労働省の対応方針で「従うべき基準」とされた保育・介護・福祉における施設についての最低基準の改善をはかるようにします。

○国の地方出先機関の見直しについては、国と自治体の役割分担と事務・権限、財源などのあり方を十分に検討したうえですすめるようにします。人員移管等のしくみの検討に当たっては、政府の責任において国家公務員の雇用と生活を確保することを前提とするとともに、事務の地方移管の実施に必要な財源は人件費相当額も含め地方に移管します。

○住民の共同意思にもとづいて自己決定できる自治体財政を確立するため、現在6対4となっている国税と地方税の割合を当面5対5にします。将来的には、国と地方の新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税の配分割合をさらに高めていきます。

○地方消費税の配分を1%から2.5%へと変え、地域の医療・介護・福祉・教育等の財源を充実し、住民生活に必須の行政サービスを安定的に提供していくようにします。

○地球温暖化対策にかかわる地方の役割を踏まえ、地球温暖化対策のための税とあわせて、化石燃料や自動車に対する地方税の創設など地方の財源を確保するしくみとして地方環境税を導入することを検討します。

○地方税を真に自主財源化するため、標準税率を超える税率設定を自治体に任せるなど自治体の課税自主権に対する制約を縮小・廃止します。

○地方財政計画の策定については自治体との協議のもとに、少子・高齢化や雇用創出、地域の再生・活性化、環境保全など、地域住民が将来にわたって安心できるための施策に要する新たな行政需要を的確に反映させ、地域公共サービスの実態に見合った財源保障を行います。地方税財政にかかわる諸制度の見直しに当たっては、特に財政基盤の脆弱な市町村に対し、特段の配慮を行うようにします。

○地方財政計画に適切に歳出を計上することにより、地方の財源不足や格差を補う役割を持つ地方交付税を復元・増額し、財源調整・保障機能を強化します。地域間の財政力格差は、偏在性の低い地方消費税の充実・強化、地方交付税の財政調整機能の強化を基本に是正をはかります。

○巨額の地方財源不足への対応については、地方交付税原資となっている国税5税の法定率の引き上げなど、交付税法第6条3第2項に従って地方税財政制度の抜本的改革を行うことを基本とします。

○地方交付税は地方固有の財源であり、その改革に当たっては、地方の役割や行政サービスの水準について、地方と十分な議論を行ったうえですすめるようにします。国の一般会計を通さずに特別会計に直接繰り入れ、地方の共有財源であることを明確にした「地方共有税」に改革することをめざします。

○危険な橋梁の補修や電線の地中化、都市部の緑化、森林における路網整備など、自治体によるきめこまやかなインフラ整備等を支援するための交付金を充実します。

○地方財政の健全化に当たっては、国家による管理・統制の強化や市場競争原理の徹底ではなく、情報公開、住民や議会による監視の強化を通して、住民主導による自主的・主体的な財政再建と地域の再生に取り組んでいきます。財政指標を絶対的基準として病院、福祉、交通、環境などの不可欠なサービスの切り捨てにつながることがないよう、十分な財政措置を講じるように求めます。

○国庫補助負担金改革の第一歩として、「ひも付き補助金」を縮小・廃止します。一括交付金化については、国と地方の役割分担を踏まえたうえで、交付総額の確保、配分基準、財政力の弱い自治体への配慮、年度により偏在性の大きな事業への対応、段階実施の工程などをあらかじめ明らかにするとともに、制度設計に当たっては、「国と地方の協議の場」等で十分協議し、地方との合意形成をはかりながら行うようにします。国の財政負担の地方への転嫁や公共サービス水準の低下につながることのないよう配慮し、地方の自由度が拡大しない単なる補助率カットや補助金削減は行いません。地方の自由裁量拡大に寄与しない補助金等や国が真に直接的な財政責任を負う部門については、ナショナルミニマム維持の観点から、きちんと財源保障する必要があり、災害復旧や社会保障、義務教育部分については、一括交付金化からの除外を求めていきます。

○国の直轄事業に対する自治体の負担金については、社会資本整備にかかわる国と地方の役割分担を明確化し、早期に廃止するようにします。

○大都市が地域特性や実情にあわせ、創意工夫と責任にもとづく自立的な都市経営を行うため、大都市特例税制の創設を検討します。また、50年以上前に創設された政令指定都市制度の見直しを行い、あるべき大都市制度のあり方を検討します。

2.ゆたかな公共サービスを実現

○公共サービスは憲法上で国民に保障された社会的基本権を具体化したものであり、暮らしを支え、バックアップする、市民ニーズに合った公共サービスの質・水準の確保をはかり、必要とするだれもが利用できるよう、「公共サービス基本法」をいかした取り組みをすすめます。

○地方自治の本旨にもとづくとともに、多くの公共サービスが自治体の事務・事業であることから、各自治体において公共サービス基本条例の制定をめざします。指定管理者、市場化テスト、民間への業務委託についての基準とチェック体制を整備します。

○住民のいのちや暮らしを守る公的病院の役割をきちんと評価し、国として公的病院を守り地域医療の確保をはかるために必要な支援を行うよう求めます。「公立病院改革のガイドライン」を自治体におしつけるのではなく、地域医療サービス確保の観点から、地域事情を考慮し、あくまでも現場の声をしっかり踏まえ、地域の医療を守り充実させていく立場から、各自治体、住民の要望を尊重するように求めます。病院事業については、住民が安心・安全に暮らせるよう、不採算地区病院、小児医療、救急医療、へき地医療、周産期医療等について、所要財源額の確保に一層努めるとともに、今後とも、地域医療の確保のための対策や財政支援策等の充実をはかります。

○第一線の地方消費者行政や相談機能を強化していくため、消費者センターの人員の増員、相談員の処遇改善、消費者生活相談窓口の機能強化や消費者行政の総合的な拡大をすすめます。これらの地方の消費者施策の実施に対する国の支援措置を強化します。

○消費者団体訴訟を担う適格消費者団体や、消費者相談を行っている消費者団体への国による財政支援や税制上の優遇措置を講じます。少額多数被害の救済を実効化するために、適格消費者団体によるオプトアウト型の損害賠償等請求制度の導入等、不当収益剥奪制度に関する検討を行います。消費者教育を体系的に実施します。

○悪質事業者の監視・取り締まりを強化するとともに、被害者救済策を早急に整備します。

3.地方再生をバックアップ

○それぞれの地域特性に根ざして経済再生をはかろうとする「地産地消」、「地域通貨」、「福祉事業とワーカーズコレクティブ」、「コミュニティビジネス」「リビング・ウェッジ(生活保障給)」、都市と農村をつなぐ施策などの自主的努力をバックアップします。

○地域住宅産業は環境にやさしく地域の雇用や経済など裾野が広い効果を持っています。循環型社会にふさわしい木造住宅建設の振興に努力します。建設技能者の育成をはかるため、職業関連助成金の確保、業界全体で建設技能者養成に取り組むための「建設技能者養成基金」(仮称)を創設します。

○元請け建設業者の倒産に伴う下請け労働再建の優先確保、公共工事の設計労務単価の改善、建設労働者の違法派遣の実態調査の実施、監督強化等を通じて建設労働者の労働環境の改善をはかります。

○公共投資や社会資本投資によって得られる開発利益を自治体に還元する制度を創設します。

○観光を少子高齢化対策、地域活性化、国民生活の質の向上、新成長戦略の柱と位置づけます。観光立国の推進のためには、魅力的な観光地や宿泊施設の整備が不可欠であり、そのための財政投融資や税制特例措置の拡充、予算確保をはかります。

○新成長戦略(2013年までに1500万人、2016年までに2000万人、2019年までに250万人、将来的には3000万人とする)及び訪日外国人3000万人プログラム実現をめざし、訪日外国人旅行者の増加をはかるため、国内の受け入れ体制を整備します。

○地域社会全体の財産としての「歴史的環境」(すぐれた「町並み」や「景観」など)を守り、再生します。産業遺産やSLを観光資源として活用します。民謡・民話・生活技術など民衆文化の担い手に対する助成・育成策を強化します。

○改正建築基準法について、徹底的に検証し、建築確認申請のあり方を実務にあわせて見直します。適正マンパワーの確保、一級建築士の専門化(意匠、構造、設備)及び地位向上と責任の明確化をはかるようにします。また、伝統構法や大工技術の継承、木の文化の発展に配慮するものとなるようにします。

○建築の質を高め、社会をゆたかにするため、建築物を社会資産とみなし、建築主・所有者の財産権と周辺の環境権との調整の原則を示すような「建築基本法」の制定をめざします。

○地域の合意を重要視して街づくりをすすめようとする自治体や市民の努力を大切にします。この間の規制緩和が地下室マンションや超高層建築物等を可能にし、住環境破壊を招いています。まちづくりにかかわる法制度を分権・自治の観点で見直すとともに、条例で的確な規制ができるようにします。

○過疎地域の振興をはかるとともに、限界集落(住民の減少と高齢化がすすみ、65歳以上が半数以上になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になっている集落)をはじめとする集落対策等を総合的に推進するため、新たな過疎対策法をいかした取り組みをすすめます。山間地域の自然環境や国土保全、水源涵養など多面的な機能を評価するとともに、農林業や地場産業の振興、生活交通の確保、医療の確保、雇用の確保、教育環境や道路・上下水道・情報通信基盤の整備、生活環境の改善など、地域に応じたきめこまやかな定住対策に取り組みます。

○まちづくりにおいて、環境負荷が小さくすべての人が快適に暮らすことができる、「エコ・コンパクトシティ」づくりを推進します。

○国土の保全等において重要な役割を有しているものの、産業基盤及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある離島について地理的及び自然的特性をいかした振興をはかります。特にヨーロッパでは離島でのガソリン税や消費税が減免されていることから、日本でもまずガソリン税の減免を行うようにします。

4.市民活動支援の促進

○地域や社会の担い手としてのNPO活動を推進するため、NPO法・NPO税制を抜本改革し、NPOを支援します。認定NPO法人の要件緩和や寄付金控除などの税制改革を実態に即して行います。

○安上がりの行政のための手段としてではなく、NPOをはじめとする市民の自主的・自発的な活動と、公共サービスの担い手である「公」との連帯と協働をすすめます。

○「働くこと」を通じて、人と人とのつながりを取り戻し、コミュニティの再生をめざすため、「協同労働の協同組合」の法制化をすすめます。「新しい公共」の推進に当たっては、非営利・協同セクターとの対等なパートナーシップを大事にするようにし、単なるコスト削減や行政の下請け化、営利企業への開放とならないようにします。

5.ゆたかな言論・情報環境の実現

○図書館を、「知の広場」と位置づけ、従来の予算を倍増し、多種多様な資料を取りそろえ、専門職員による支援が可能な環境をつくり上げます。

○電波や放送にかかわる事業体の選定に関し、権力の介入を許さないためにも、先進諸国と同様に、現在の行政官庁ではなく、独立した第三者機関に委ねる制度づくりに着手します。

○利用者保護、青少年対策が国家管理と混用されることのないよう、インターネットの環境整備に取り組みます。「有害」や「不正」な情報の扱いについて、直接的な法規制ではないメディアの自律的な対応システムをいかすかたちでの対応を強化していきます。青少年への啓発・啓蒙を充実させ、被害の未然防止と速やかな救済を可能にします。

○インターネットの発達とともに、放送との「融合」が進行している現在、「情報通信インフラは国民の資産」という認識に立ち、新たな法整備に臨みます。「表現の自由」は民主主義の基盤です。市場性や効率性に惑わされることなく、国民全体の利益の基礎を見据えて改革を行うべきです。自由な表現活動が実現する社会をめざし、ビジネス優先での情報分野の規制緩和や公的介入の強化には反対します。

○地上デジタル放送移行に際しては、低所得者への受信機や、チューナー貸与や電波障がい地域の解消など引き続き求めていくとともに、ビル陰などの新たな難視聴問題、マンションなどの共同視聴設備の対策、デジタル波が届かないテレビ難民や経済弱者への支援を強化します。また、障がい者の要求への対応を強化します。バスやタクシーの無線改修などについても必要な対策を講じます。地デジ対応テレビの普及率や低価格チューナーの対応、諸対策の状況などを踏まえ、場合によっては、延期することも含めて検討します。

○地上デジタル放送移行では、電波に空きが出るため、適正な審査により、幅広く電波利用を認め、市民にも空き電波を使う道を開きます。一般市民のメディアへのアクセス権を保障するため、既存放送局に市民作成による番組放送枠を設けるよう働きかけるとともに、パブリック・アクセスチャンネルを整備し、諸外国では一般的な市民による放送事業(コミュニティメディア)にも道を開きます。

○インターネットを利用できない人々に対して、自治体などを通じての支援事業を推進します。また、通信条件の悪い地域への対策も行います。

○NHKに対する信頼性の回復、良質な番組の製作・提供こそ受信料に対する理解を得る唯一の道であり、国営放送化も安易な民営化もとりません。NHKが市民の負託に応える公共放送の担い手として真に再生するよう強く求めていきます。視聴率主義に走ることなく、国民の闊達な議論を呼び起こすような番組や、視野の広い報道ができるよう、組織改革を支援します。地域スタッフの雇用を守ります。また、女性職員が全体の10%と、ジェンダーバランスを欠く状況にも改善を求めます。会長、経営委員候補の市民推薦制度を検討します。

○携帯電話の基地局建設等に対する基準を整備します。電磁波暴露を減らすための法律を整備します。

6.人・まち・環境にやさしい交通

○少子高齢社会や環境問題に対応する交通システムが求められており、公共交通を基盤に置いた人と地球にやさしい総合交通体系の確立をめざします。交通は、福祉と環境と平和の産業であり、人々の人生を運んでいる産業です。「衣・食・住・交通」と位置づけ、「だれもが、いつでも、どこからでも、どこへでも」安心・安全・快適に移動できる権利を保障する交通基本法を「交通分野の憲法」として制定し、総合交通政策を確立します。○これまでの運輸・交通行政や補助制度、各種事業法の見直しなど、運輸・交通行政の抜本的な棚卸しを行います。地方の生活バス路線や地方ローカル鉄道に対する財政支援を強化します。一般財源化された道路特定財源を、「クルマ社会」の負の側面を軽減する政策に充当することとし、環境対策・森林整備や鉄道整備、生活交通の維持、交通事故被害者対策等に振り向けます。

○フェリーや離島航路、離島への航空路線への支援策を強化します。

○民営化された高速道路各社に料金割引分を税投入し、効率化や営業努力と関係なく料金保証をする政策は、交通モード間の不公正な競争をもたらすものであり、受益者負担原則や地球温暖化対策、環境問題、財源問題、モーダルシフトや総合交通政策との整合性、地域生活交通への影響、地域雇用等の観点から問題があります。社会実験による地域経済への効果や他の交通機関への影響、環境への負荷などの結果を検証し、無料化対策の抜本的な見直しを行うよう求めます。公共交通や物流などのすべての交通モードに対して必要な支援・対策を優先すべきです。

○道路・鉄道・空港・港湾といった社会資本を総合的に整備するため、特定財源、特別会計をはじめ、すべての交通関係予算を総合化した「総合交通特別会計」を設けることを検討します。

○「運輸安全基本法」を制定し、運輸事業者・行政の安全責任の強化、被害者ケア等を充実するとともに、運輸安全委員会をアメリカのNTSB(国家運輸安全委員会)にならい、国土交通省から独立させ、体制・権限を強化し、独立した調査活動ができるようにします。安全投資に対する支援措置を充実します。安全面を監視・指導する部門を国土交通省に設けます。

○貨物鉄道のあり方や地域の重要な足である並行在来線の維持・確保に努力します。整備新幹線着工が並行在来線のJRからの経営分離への沿線自治体の同意を条件としていることに関し、並行在来線のJR経営分離という旧来スキームの見直しを求めます。並行在来線に対する国・JR・関係自治体の協力体制確立し、経営難で存続が苦しい在来線への国の財政支援とJRの支援を含む抜本的な支援制度の早期確立をはかります。

○通勤ラッシュを緩和するため、新線建設、車両増備、ホーム延長、信号の高度化、時差通勤、職住近接をすすめるとともに、都市鉄道・地下鉄整備等への公的助成の拡充を引き続き求めていきます。また、「開かずの踏切」を解消していくため、高架化・地下化を推進します。

○国鉄から公共交通としての鉄道を引き継いだJRが「社会的責任」を果たすよう、安全性やローカル線対策をはじめとする公共の福祉の増進の観点からチェックします。JR不採用問題について、引き続き雇用の要請などに努力し全面解決をめざします。

○エレベーターをはじめとする生活空間事故を対象とする調査機関をつくります。

○建設コストがかなり抑えられ、人と環境にやさしい生活交通体系である超低床車両を使用した新しい路面電車(LRT)への支援を強化します。

○歩行者専用のショッピングモールに公共交通を運行させたトランジットモールなど、公共交通をまちづくりにいかし、街ににぎわいと魅力を取り戻します。「ショップ・モビリティ」(電動スクーターや車椅子などを無料で貸し出し、必要に応じてボランティア等の付添いも行うことによって、移動が困難な人が自由に商店街の中をみて回ったり買い物をしたりできるサービス)を推進します。都市の構造自体をクルマ依存でないものに変えていきます。

○マイカーに依存せず公共交通を活用した、エコ通勤を導入する企業への支援策を講じます。

○「人にやさしい」視点で歩行者安全策を追求し、楽しく歩ける歩道整備をすすめます。横断歩道のエスコート・ゾーンや音響型信号機の整備を推進します。踏切の歩道設置や、踏切への点字ブロック設置をすすめるなど、人にやさしい踏切にします。

○パリの公共の貸し出し自転車「ベリブ」などの試みも踏まえて、公共の自転車貸し出しを支援します。自転車道の整備、自転車通行帯の設置を推進します。

○歩車道の完全分離を推進するとともに通行区分の明確化を徹底し、またスクールゾーンの増設やコミュニティ道路の充実をはかっていきます。ドライブレコーダーの義務化をすすめていくとともに、飲酒した時に自動車を発進させないインターロック装置を普及させます。交通事故被害者のケアを充実するとともに、事故調書の早期開示を検討します。

○すべての人が利用しやすい交通をつくるため、鉄道駅やバス、旅客船、空港のターミナルのユニバーサルデザイン化をすすめます。バリアフリー車両開発の財政支援、可動式ホーム柵やホームドアの設置、エスカレーターへの点字誘導ブロックの敷設を推進します。音声や接触・発光ダイオード方式による情報提供装置の普及、見やすくわかりやすい案内表示の整備、ホームや改札等における人的サポートを強化します。シルバーパスの充実、障がい者割引に対する公費負担制度の創設等をすすめます。利用者や当事者の声を交通政策に反映できるようにします。

○規制緩和の検証を踏まえ、弊害是正をめざし、交通に関する社会的規制を強化します。ツアーバス問題に対する運行管理の強化や監査の徹底を求めます。

○交通・運輸産業に従事する労働者の安全・健康・労働条件を確保するため、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(告示)を法制化するなど、実効あるものにします。

○タクシーも公共交通と位置づけ、運転者の資質の向上のためのタクシーの運転者資格制度の創設、タクシー適正化事業実施のための機関の設置を行います。タクシー運賃の抜本的な制度の見直しを行います。

○自動車乗入制限、パーク&ライド、公共交通の利用拡大、貨物輸送のモーダルシフトの推進、自家用車での移動削減などで環境にやさしい交通システムをつくります。

○輸出入貨物を詰め替えずに船舶や自動車を利用して一貫輸送されるコンテナによる、自動車運送の安全を確保するため、国際コンテナ法(国際海陸一貫輸送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律)案の早期成立をはかります。

○航空法が適用されない航空持株会社に対する適切な規制を講じるとともに、空の安全確保に万全策を求めます。

○船内における旅客の迷惑行為等防止のための法整備をはかるとともに、海運を中心とした総合的な施策を推進するため、「海運基本法」を制定します。

○船員のいのちと安全の問題であり、万が一の命綱である手動式救命造水器の救命艇、救命いかだへの義務付けを検討します。

○購入燃料に課金し、その資金を国際基金としてCO2削減に活用するしくみなど、海事にかかわる環境施策について日本が積極的にリーダーシップを発揮します。

○日本海に面する北東アジアの諸国の都市間の政治・経済・技術・文化交流や、住民同士の相互交流を促進することを通じて、「環境共生」型の環日本海構想を推進し、日本海が「平和と繁栄の海」になるように努力します。

7.郵政民営化の抜本的見直し

○「郵政改革法案」の早期成立をはかり、郵便、郵貯、かんぽのユニバーサルサービスの確保と、郵便局ネットワークの維持に全力をあげます。

○郵便局ネットワークを高齢化社会や地域コミュニティの再生のための生活拠点、地域のワンストップ行政の拠点、地域防災や災害時の拠点として活用します。

○郵貯・簡保資金の運用のルールは、安全確実な運用を旨とするとともに、地域に由来する資金については、一定割合を域内還流させ、地域経済の均衡ある発展に資する政策をとるべきです。「地域いきいき・みどりの郵貯改善プラン」を策定し、@地方への郵貯資金の供給、A地域の住民ニーズにあう「小さな公共事業」の推進、B中小ビジネス、ベンチャー企業、再生可能エネルギー産業、女性の起業、NPO、ワーカーズコープなどへの社会的責任投融資、C地域福祉寄付推進の積み立て貯金サークルの創設、D民間保険に入れない人への保険サービスの提供などをすすめていきます。既存の地域金融機関との連携をはかり、融資はこれら金融機関に対して行うなど、共存共栄をはかるようにします。

○郵政非正規職員10万人の正規化を着実にすすめます。安易な雇い止めは認めません。

○第3種、第4種郵便制度を維持し、社会政策・福祉的サービスの現行水準を維持します。さらに、NPOなど非営利・市民活動団体の差し出し郵便物への低額料金制度を検討します。

8.警察改革の推進、海上保安の強化

○警察が真に市民生活の安全の守り手として、国民からの信頼を回復するためにも、住民代表や有識者など外部の第三者による監視機構を設置します。

○警備公安警察のあり方や機動隊の大胆な見直しを行い、防犯や交通安全など市民生活に密着した刑事部門、生活部門、交通部門の現場を重視するなどによって、「空き交番」をなくしていきます。警察署や交番の再編に当たっては、関係自治体や地域住民の声を尊重するようにします。

○過去に集中整備され老朽・旧式化した巡視船艇(約120隻)・航空機(約30機)の緊急代替整備を推進します。また、緊急整備対象以外にも、長期使用しているもの、及び順次耐用年数を超過するものがあり、着実な代替整備に努力します。これら官公需船の整備による造船産業支援、地域活性化をはかります。

○遠方事案に最低11隻を継続的に派遣でき、我が国周辺海域で重大事案が同時発生した場合にも対処できる体制とするため、緊急代替整備と並行して、被害制御・長期行動能力等を備えたヘリ2機搭載型「しきしま級巡視船」の3隻体制(現有1隻)をめざします。

○「空き巡視艇ゼロ」をめざして、巡視艇の複数クルー制を拡充します。

○白熱電球のLED化や電源を太陽電池等のクリーンエネルギーに変更し、航路標識の省エネ・エコロジー化をすすめます。

9.中小企業支援の充実・強化

予算、税制、中小企業憲章

○景気悪化と仕事の減少に苦しむ中小・小規模企業、個人事業者に対する経営や資金繰り、仕事づくり、人材育成・後継者確保などへの支援を強め、日本経済の原動力である中小企業の発展をはかるとともに景気回復、地域経済の活性化、雇用・内需拡大につなげます。

○一般歳出の300分の1規模しかない中小企業対策予算(10年度当初1911億円)を4000億円規模に増やし、中小企業の育成や基盤づくり(経営、技術、開発など)に活用、従業員の研修・育成、円滑な事業継承などを支援します。

○中小企業基本法は、定義や規模を細分化し、きめこまやかな予算配分を行います。

○中小企業に対する法人税(所得800万円以下は18%)は、税率を11%に引き下げるとともに適用所得を1600万円に引き上げます。人材投資促進税制の対象を社内研修やOJTにも拡大します。

○「スモール・ファースト」(小企業を第一に考えよ)や中小企業の役割を明確にし、持続可能な成長、多くの雇用創出と社会的連帯を柱とした「中小企業憲章」を制定(国会で決議)し、中小企業政策の基本方針とします。憲章の内容を推進する省庁横断的な「中小企業支援会議」などを設置するとともに、医療・福祉・環境分野での中小企業の活動の場を増やし、活力ある地域経済社会を実現します。

○大企業優先の産業振興から独立し、中小企業の地位向上と政策の充実をはかるため「中小企業担当大臣」を設置します。

仕事、雇用を増やします

○地域の暮らし・防災・みどり・環境・教育・農商工連携・公共交通を重視した身近な公共事業を増やし、中小企業の仕事づくりや雇用創出につなげます。特に自然エネルギーや省エネ技術の普及など環境経済産業への投資を増やし、中小企業の技術や人材を活用します。

○産官学連携や大学を拠点とした知的クラスター形成は、環境や農林水産、医療や福祉などの分野において新たな試みとして、研究開発による起業、人材育成をもたらす地域経済活性化の効果的な方法であり、これらを推進します。社会的企業の創出、起業コストの低減などをすすめ、若者や女性の起業を高めます。

○地場産業や伝統産業への支援策を拡充し、産地振興、需要開拓、生産額の向上、人材育成に取り組みます。

○付加価値額が高い産地中小企業の独創性・機能・技術の紹介するとともに、日本が持つファッションセンスや人材、匠の技術、高品質製品、製造者や販売者の感性などの強みをいかした情報発信、繊維産業を展開します。大学の繊維関係学部の増加、産業界と学生との連携、産地間連携の強化、縫製やものづくりなど学校での産地教育を実施します。

○官公需法にもとづく中小企業向け発注枠の維持・増大と目標額の増額(6兆円規模)で、中小零細企業の受注機会の増大をはかります。

○公正な下請取引を実現するため、大企業による一方的な下請け単価の決定や不当廉売・優先的地位の濫用などの横暴を許さず、運用基準の監視・監督機能などを強化し、不当な利益を吐き出させる課徴金の導入を盛り込んだ下請法改正に取り組みます。

○将来の日本を担う中小企業の経営者や後継・技術者、ものづくりなど人材を育成するため、公的な職業訓練施設・職業能力開発大学校(ポリテクカレッジ)などを充実、大学や教育研究機関との連携を強めるなど職業能力開発を促進し、若年層の就業を促進します。

○中小企業向けの雇用調整助成金や地域雇用開発助成金を拡充し、支給額の増額、納付時期を早め、助成率を引き上げます。人材対策基金の拡充、中小企業雇用創出人材確保助成金の復活、事業承継円滑化予算を上積みします。

○キャリア形成助成金など教育訓練への助成制度の活用を柔軟化し、高専等活用中小企業人材育成事業は高校にも拡充、若年者安定雇用促進奨励金(トライアル雇用制度)の対象年齢と支給額の拡大をはかります。

中小企業への金融支援

○中小企業金融円滑化法(09.12施行)や改定金融検査マニュアルにもとづき、金融機関による返済猶予など条件変更の取組みを進展させるとともに、新規融資が滞らないよう監督・指導を強化します。(3月末時点の実績は、661金融機関の中小企業からの申請は46万6千件・貸出総額12.8兆円、条件変更に応じた実行率は98%)

○日本版「地域再投資法」(金融アセスメント法)を創設し、民間金融機関に中小企業、NPO、ベンチャー企業、中低所得者層などへの公正な融資を義務付けるとともに、金融機関の活動を評価し、地域雇用の創出、地場産業の育成、地域経済の活性化につなげます。

○民間金融機関による貸し渋り・貸し剥がしを厳しく監視、防止します。担保や個人保証主義から脱却し、将来性や地域性、環境重視による融資の促進など資金調達の多様化をはかります。

○日本政策金融公庫や商工中金など政府系金融の民営化を見直し、中小企業の拠りどころとなる公的な融資機能を強化します。セーフティネット貸付(日本政策公庫)の融資・返済条件を緩和、緊急保証制度(信用保証協会)は全業種に拡大、無担保・無保証枠を拡大、返済期間を緩和します。「信用補完制度」は保証料率を引き下げ、責任共有制度は、小口零細企業保証制度の上限引き上げなど見直します。

○地域の信用金庫・信用組合の健全な育成・発展をはかります。

○大企業の子会社による事業協同組合への加入が、地域の中小企業活動に悪影響を及ぼすおそれがあることから加入の制限などを検討します。

○コンビニでの見切り販売など不公正な取引方法を規制し、公正かつ希望あるフランチャイズビジネスの振興、オーナーや労働者の生活を守る「フランチャイズ振興法」(仮称)を制定します。

10.防災先進国めざす

○「災害列島日本」から「防災先進国日本」への転換をめざし、災害に強い国土をつくります。

○中心市街地の再開発、住宅密集地の再開発でも虫喰い状態の土地を積極的に買い上げ、都市公園整備、緑の空間の確保を優先課題として取り組みます。電気・電話等の系統の多重化、避難場所や消防水利の整備、オープンスペースの活用等による災害に強いまちづくりを計画的に推進します。災害時の情報システムの整備、食料・医薬品の備蓄、地震観測・研究の強化をすすめます。

○老朽化した道路や橋梁、公共施設の耐震性を強化します。特に、公立の小中学校、高校、病院の耐震化・太陽光発電化・脱アスベスト化を急ぎます。

○市街地での「無電柱化」率は一割強にとどまっていますが、景観を改善するだけでなく、歩行者や自転車が通行しやすくなり、交通事故を防ぐ効果もあることから、電線の地中化、共同溝の整備をさらに加速します。

○洪水ハザードマップなどの防災マップの普及と住民参加の防災・救援計画の策定を促進します。「ゲリラ豪雨」災害に対応できるよう、都市水害対策を強化します。「雨水浸透ます」を各住宅の敷地に埋め込み、水害対策とともに、都市化で枯れた地下水の再生にもつなげ、池や川をきれいにします。

○高齢者や障がい者、外国人をはじめとする災害弱者への対策を日頃から講じるとともに、大地震の際の帰宅難民対策や高層マンション住民向け対策を強化します。福祉避難所の設置をすすめます。

○被災者生活再建支援法について、支援金の支給限度額や住宅の被害認定のあり方、半壊世帯に対する支援等の点での改善をはかっていきます。

○ダム中心の治水対策から脱却し、河川改修や森林保全の治水対策への支援策を強化するようにします。川底の整理・清掃をすすめます。「雨水浸透ます」を活用し、水害対策とともに、地下水再生で池・川浄化をすすめます。アメリカのハリケーン被害も踏まえ、国内の高潮・洪水対策が十分かどうか再点検します。

○鉄道の災害復旧支援制度の見直し、災害予防のための施設強化にかかわる費用を助成する補助制度の拡充を検討します。

○消防機関を地域に暮らす住民の安心の拠りどころとして、災害の未然防止から、発生した場合の即時対応、被災者の社会復帰や救済まで、総合的に情報やサービスを提供する「地域安全安心センター」をめざして改革していきます。

○「消防力の整備指針」を目標として、地域の実情に即した各自治体における消防職員・消防資機材の整備をすすめます。消防用ヘリコプターの配置の増強や緊急消防援助隊の装備資機材の充実をすすめます。消防車と救急車の機能を併せ持った「消救車」の導入をすすめます。

○桜島噴火対策に全力で取り組みます。周辺住民生活への影響やいつ噴火するかもしれないという不安に応え、火山活動・噴火ポテンシャル評価のための移動観測装置の設置、プールクリーナーの設置、学校における空調設備の普及促進、降灰による身体への影響調査のための特別健康診断予算の確保、降灰除去事業の採択基準の見直しと事業量の確保、道路降灰除去車両の買い替え推進、防災営農対策事業の推進等、火山対策の充実強化に努めます。

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