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社民党の政策

2008年5月3日憲法集会・福島みずほ社民党党首スピーチ

2008年5月3日憲法集会・福島みずほ党首スピーチ

2008年5月3日
日比谷公会堂

※下記テキストの、見出しと青い点線の囲み(憲法の条文)は、社民党広報委員会事務局が付記しました。

会場に来られた皆さん、こんにちは。二階の皆さん、こんにちは。そして今日、雨にもかかわらず、会場の外で(場外モニターを)聞いてくださっている皆さん、こんにちわ。皆さんに挨拶をさしあげたいと思います。今日のこの5月3日の集会ために準備をしてくださった主催者の皆さん、出演者の皆さん、そしてとりもなおさず、雨にもかかわらず、ここに来てくださった皆さん、本当にありがとうございます。

今日は憲法施行61周年、私は日本国憲法のもとで、日本国憲法の施行を祝うこのような集会に参加できることを、本当にうれしく思っています。今日は社民党から保坂展人副幹事長、そして日森文尋国対委員長もいっしょに参加していることをご報告いたします

さて憲法状況はどうでしょうか?私は今日、憲法の力、国民の力、人々の力ということをお話したいと思います。まず、生存権、生きていくという問題です。

憲法25条 生存権

第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

若者とワーキングプア

私たちのまわりには、ワーキングプアと呼ばれる人たちがたくさんいます。あのグッドウィルで二交替制で働いたという若者にも会いました。夫が過労死をしてしまったという家族の方にも会いました。名ばかり管理職の問題、偽装請負の問題、、、多くの人たちに会ってきました。

今、働く人の、4人に1人が年収200万円以下、なんと女性は57.8%が年収200万円以下で働いています。憲法は25条で生存権を規定しています。どんな人も、健康で文化的な生活を営む権利を有する。25条2項は、国の責任を決めています。

しかし実際はどうでしょうか?雇用の劣化は本当に目を覆うばかりです。正社員は死ぬほど働かされ、非正規雇用の人たちは、とことん安くこきつかわれています。また社会保障費のカットはどうでしょうか?

2003年は3000億円、それ以降は、毎年2200億円ずつ、政府は社会保障費をカットしてきました。「2006年骨太方針」でも、なんとこれから5年間、2200億円ずつカットし続けることを政府は決めています。私は国会の中で、福田総理、舛添大臣に対して、これはやめたらどうか?これから5年間、社会保障費をカットしたら、とんでもないことになる。そう訴えていますが、残念ながら、自民党は政策転換を決してやろうとしません。

切り捨てられる高齢者 後期高齢者医療制度

そして、後期高齢者医療制度はどうでしょうか。社民党は先日、3本の電話回線を使い、「社民党・高齢者医療制度 怒りのホットライン」を3時間実施しました。私も電話を受けましたが、「“終わり”が近いと政府に言われる筋合いはない」といった怒りの電話がきました。本当にその通りです。最近のニュースでも、“黒枠”で通知を出したということが報道されていました。この制度は2年前、強行採決で成立したので私は頭にきたのですが、参議院の厚生労働委員会で、世界の中で年齢で区切る健康保険制度はありますか?と質問したところ、そんな制度はありませんというのが答えでした。

世界のどこにも、年齢で区切る健康保険制度はありません。75歳以上と以下で診療報酬の体系が違ってくる、終末期医療でサインをしてもらったら、お医者さんに2000円報酬が入る、、、これはヒドイです。高齢者は病院に来ないでね、高齢者はあんまりお金を使わないでね、という制度ではないでしょうか。

そして、私がもっとヒドイと思うのは、65歳以上の1級・2級の障がい者の人たちが、この制度の中に入らされていることです。75歳以上の高齢者と、65歳以上の障がい者の人たちは、あんまりお金を使わないでね、もうあんたたち!違う制度に行ってちょーだいね!という制度です。

私は以前、ポーランドのアウシュビッツに行ったことがあります。列車の最後、終着駅が、アウシュビッツでした。列車に乗って最後を迎えてください。もうお金を使わないでください、というような人間扱いしない制度に私は怒っています。

後期高齢者医療制度は、今の政治が高齢者をどう扱っているか、人間をどう扱っているか、人の命をどう扱っているか、ということをまさに端的に表していると思いますが、皆さんどうでしょうか。

先日、再議決した道路特定財源では、じゃぶじゃぶお金を使う。自分たちのことしか考えていない、そんな政治をまさに表していると思います。

私たちは佐世保の1キロ200億円するという道路を視察しました、東京の環状線は1キロなんと1000億円かかるとも言われているのです。。。

社民党は、「産声の聞こえる街づくりプロジェクト」で全国の産婦人科の状況、産む状況を今、視察しています。皆さん、なんと全国の自治体の半分には、もう産婦人科がありません。先日は秋田に行きました。市立病院では、お医者さんたちが、2億円の赤字で苦しんでいるとお話されていました。

お金の使い道が、本当にまちがっています。私たちの貴重な税金は、人の命を生かすことにこそ、使われるべきだと、私は考えています。

憲法25条を守れ!と悲鳴が上がっているのです。ワーキングプアの問題は、若者の間から、生きさせろ!、「自由と生存」その叫びが起きました。そして今は、高齢者の人たちが、そして労働者の人たちが、生きさせろ!この社会の中で生きさせろ!、つまり憲法25条を守れ!と今、立ち上がっています。

憲法21条 集会、結社及び表現の自由

憲法21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

ところで、憲法21条も危機です。3大“自粛”話。あの『靖国』という映画、今日からロードショーできるところもありますが、いったん中止に追い込まれました。日教組の教研集会(教育研究全国集会)も、プリンスホテルが会場を貸さないということが起きました。そして、茨木県のつくばみらい市では、ドメスティックバイオレンスに関する講演会が、圧力により、中止に追い込まれました。

表現の自由、集会・結社の自由が、まさに危機です。よい判決が出ることもありますが、イラク派兵に反対することや、国会公務員がビラを配ることが、この国で有罪になっていることに大変な危機を感じています。

憲法24条 個人の尊厳と両性の平等
憲法13条 幸福追求権

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

格差の拡大と貧困の問題は、憲法が規定する法の下の平等にも触れる問題です。また、憲法24条は、家族の中における個人の尊厳と、両性の本質的平等を決めていますが、ジェンダーバッシングはまだまだ止まりません。

そして私、福島みずほは、実は憲法の中で一番大好きな条文は、憲法13条です。どんな人も、生きてていいんだ。すべての人に、幸福追求の権利がある。個人の尊重がある。この社会に生まれて、生きててよかったと、すべての人が思うべきだと書いてある憲法13条は、本当にその通りです。しかし今の政治は、すべての人を幸せにする、そのことを踏みにじっている。だからこそ、私たちは、憲法をもとに、この政治を変えていこうではありませんか。

私は3年前、ぽくぽくぽくと、街を歩いていました。みずほ銀行の前に、「みずほなら、あなたの人生優遇します。」と書いてありました。

私は、これだ!と思いました。政治とは何か?。それは、「みずほなら、あなたの人生応援します」。つまり政治とは、人が涙を流さないためにある。政治とは、人を幸福にするためにある。すべての人を幸福にするためにある。すべての人が、幸福になる仕組み作り、それが政治であるべきです。

憲法9条と司法権の気迫
〜名古屋高裁・イラク派兵違憲判決〜

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

そして最近、とっても嬉しいことがありました。憲法9条に関し、とっても嬉しいことがありました。ご存知の通り、愛知県の名古屋高裁が、自衛隊のイラク派兵は違憲だと判決を出し、二日前(5月2日0時)にこの判決が確定しました。“非戦闘地域”は戦闘地域で、武力行使で、米軍とともに戦争に加担する、それは憲法違反である、と明確に言ったわけです。私たちが主張してきたことではないですか、皆さんそう思われませんか?小泉・安倍・福田総理は、耳をかっぽじってちゃんと聞け!と私は言いたいと思います。

しかし、なぜこのような判決が出たのか?それは、司法権が気迫を示したのだと思います。国会では強行採決のオンパレード、政治があまりにヒドイ、憲法を無視する、イラクの状況が本当にヒドイ、だからこそ司法権が、力をふりしぼって、違憲判決を出したのだと思います。

この裁判長は、判決を出した後、定年前に、退職しました。とにかく、司法の責任でこの判決を出したのだと、私は心から感謝をしたいと思います。

この判決によれば、違憲ですから、自衛隊はイラクから帰ってこなければなりません。しかし、政府の態度はどうでしょうか?高村大臣は、大臣を辞めてヒマができたら、判決を読むと言いました。福田総理もヒトゴトのようです。そして、航空自衛隊の幕僚長は、「そんなの関係ね〜」。そんなの関係ね〜ということは、憲法は関係ない、国民は関係ない、ということではないでしょうか。

司法から明らかに、ボールは政府、国会、そして国民へと投げ返されました。皆さん、この判決の趣旨にそって、私たちは憲法を実現する、そのことを力強くやっていこうではありませんか。

この判決は、平和的生存権は具体的権利であると言っています。私たちみんなには、平和的生存権がある、具体的権利だ、しかもそれはすべての基本的人権の規定、根っこにあるとはっきり言ってくれています。

憲法前文
〜憲法を変えるより、今こそ生活に活かし、政治を変えよう〜

憲法前文 
  日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
  日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
  われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
  日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

ところで、国会の状況はどうでしょうか?憲法審査会は、形式的に設置されています。これを作動させないために、がんばります。

しかし、新憲法制定議員同盟は、356名の人たちによって、最近作られました。自民党、そして公明党は36人、民主党は26人、この中に入っています。憲法審査会を動かし、かつ自衛隊派兵恒久法案を年内に作り、将来は憲法を改正・改悪したいということを掲げています。

去年、小沢代表と福田総理の大連立の話が、とりもなおさず、自衛隊派兵恒久法案をめぐって行われたことに、社民党は大変な危機を感じています。特別立法をなくして、ドラえもんの“どこでもドア”のように、ドアを開けて世界の戦場と日本の自衛隊が直結していく、これはまさに、憲法違反の行為です。皆さん、私たちは力を合わせて、この自衛隊派兵恒久法案の息の根を止めるために、がんばり合おうではありませんか。

憲法状況は危機です。しかし私は、ここ数年来、何よりも憲法の力、国民の力、人々の力を実感しています。生存権を保障せよという動き、14条を守れ、24条は大事だという叫び、表現の自由は大事だという動き、そして9条を守るための闘いを感じています。「9条の会」ができ、「行脚の会」ができ、そして「9条世界会議」が開かれます。

みんなで力を合わせることで、この政治をまさに変えられます。皆さん、政治は、人を生かすか殺すか、そのことを決めることができる所です。しかし政治が、一部の人のために憲法を変えようとする人たちで、占められている。憲法改悪を根っこに持ちながら、憲法をなし崩しにし、骨抜きにしようとする人たちが、国会の中に与野党を問わずいます。だからこそ皆さん、政治を変えていこうではありませんか。

政界再編ということが、次のレベルでは自衛隊派兵恒久法案を作ったり、憲法改悪につながっていくことを、私たちは望みません。政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないよう決意し、主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定すると日本国憲法は言っています。平たく言うと、政府が愚かな戦争をしないように、主権者である国民はしっかりしなさいと憲法前文は言っているわけです。

ここにいらっしゃる皆さん、どうか私たちは憲法の力を手にして、人間を大事にする、人間を尊重する幸福の政治を、この社会を、力強く作っていきましょう。

みんなで、憲法を活かしていくことを共にやろうという今日が、また大きな一歩になることを、この集会がなることを、心から期待します。一緒にがんばっていきましょう。ありがとうございます。

→声明┃憲法記念日にあたって

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