HOME政策>「暮らせる農業」「自給率向上」「食の安全・安心」で地域社会の再生を 瑞穂(みずほ)の国の農業再生プラン(概要)

社民党の政策

福島みずほ党首は9月23日、新潟市内で記者会見し、@所得補償の導入で「暮らせる農業」を実現 A「田んぼの底力(そこぢから)」で食料自給率を向上、など5つの柱とする社民党の農業政策「瑞穂(みずほ)の国の農業再生プラン(概要)」を発表した。また、食料自給率向上のために田んぼをフル活用し、コメ農家が、米粉用米・飼料用米をつくる際に、主食用に準じた所得を直接補償するなど、減反を行なわず農家が作付けを自主的に選択できる仕組みをするための法整備として、「田んぼの底力(そこぢから)」を活かす農業改革法要項(案)も同時に発表した。

「暮らせる農業」「自給率向上」「食の安全・安心」で地域社会の再生を ――瑞穂(みずほ)の国の農業再生プラン(概要)

2008年9月23日

【5つの柱】

1. 所得補償の導入で「暮らせる農業」を実現
2. 「田んぼの底力(そこぢから)」で食料自給率を向上
3. 政治の責任で食の安全・安心を保障
4. 食料主権を最優先し、WTO・FTA政策を見直し
5. 女性の声を農政に反映

【主な内容】

1.所得補償の導入で「暮らせる農業」を実現

@ 面積要件で支援対象を限定し、小規模・家族経営を切り捨てる品目横断的経営安定対策を中止します。

A コメ、麦、大豆などの主要作物で、すべての販売農家を対象に生産費と販売価格の差額補てんを中心とした所得補償を実施します。

B 所得補償は、中山間地などの立地条件、有機農業など環境保全の度合いを加味し、補償額の上乗せを図ります。

2.「田んぼの底力」で食料自給率を向上

@ 水田可能面積の4割近くを減反させてきた強制的な減反(生産調整)政策は廃止します。

A 小麦の20%を米粉に置き換え、飼料の30%を飼料米や稲でまかなうため、「『田んぼの底力(そこぢから)』を活かす農業改革法」(法案要綱は下記参照)の制定を目指します。

B 現行100万トンを上限とした回転式備蓄米制度を見直し、棚上げ方式による300万トン備蓄を目指します。

C 学校給食を週4回以上を米飯、それ以外も国産米粉のパン・めん使用を目標にします。

D 生産者と市民のネットワークによる地産地消、直売・直販を支援します。

3.政治の責任で食の安全・安心を保障

@ 基準値を超えた残量農薬を含んだ輸入食品、原材料が国内で流通することのないよう、検疫・監視体制を抜本的に強化します。

A 生鮮食品、加工食品を問わず、原料原産地表示を義務付けます。外食・中食(なかしょく)でも原料原産地表示が進むよう奨励します。

B 生産から、加工、販売、消費にいたる全てのプロセスで食品の流通経路が明らかになるよう、トレーサビリティ制度を導入します。

4.食料主権を最優先し、WTO・FTA政策を見直し

@ 自分の国の食料は自分の国でつくり、まかなう食料主権の考え方を最優先します。

A 食料を鉱工業製品と同列に扱い、「自由化ありき」の立場に立った政府のWTO、FTA・EPA政策を見直し、日本の農業を守ります。

B WTO上の義務とは言えないミニマムアクセス米の輸入については、廃止も含めて見直します。

5.女性の声を農政に反映

@ 現在、総合農協の役員のうち女性は約2%程度にすぎません。女性の声を農政に活かすべく、5年以内に役員の女性比率を、正組合員の女性比率と同レベル(約16%)まで引き上げるよう、働きかけます。

以上

「田んぼの底力(そこぢから)」を活かす農業改革法 要綱(案)

一 目的

 この法律は、世界的な食料価格、飼料価格の高騰傾向が続き、国内においては食料自給率が40%前後、飼料自給率は20%台まで低下する中、食料及び飼料の自給率向上と、水田の多面的機能や、農村に暮らす人々の生活・文化を維持・再生すること、および、消費者の遺伝子組み換え飼料による畜産物への関心の高まりに応えることが緊要な課題であることにかんがみ、「米粉用米、飼料用米生産補償金」を交付することにより、当面、輸入穀物飼料約2千万トンの20%(約4百万トン)を飼料稲(ホールクロップサイレージ)・えさ米に切り換え、輸入小麦約550万トンの30%(約165万トン)を国内産米粉に切り換えると同時に、家畜の糞尿メタンを燃料として活用した非主食用米及び稲ワラのバイオエタノール化、及び同バイオエタノールの農業機械用燃料としての利用促進等を図り、もって食料・飼料自給率向上、水田の有効活用、エネルギーの自給自足による地域循環と雇用の創出、農業者の経営の安定、フードマイレージの短縮による温室効果ガス排出の削減、水田の多面的機能維持、及び、農村文化と日本の原風景の保全に資することを目的とすること。

 なお、非主食用米の主食用米への混入防止については、米トレーサビリティシステムの整備や加工食品の原料原産地表示の義務化などで対応することとする。

【ポイント】
●食料自給率向上のために田んぼをフル活用
●減反は行わず農家が作付けを自主的に選択できる仕組み
●水田農業を地域再生の柱に
●水田の多面的機能を維持、美しい田畑・日本の原風景と、安全な食をまもる

二 定義

 この法律において、「飼料稲」とはホールクロップサイレージなど稲茎・穀実全体を飼料利用する形態、「えさ米」とは、登熟穀実を利用する形態(生籾サイレージ、米麹、玄米粉末など)、「稲ワラ」とは穀実を除いて乾燥された茎、「青刈り稲」とは穀実部分が形成される前に刈り取られた稲を指すものである。

 また、「米粉」とは、米の超微粉末加工をしたものである。

三 米粉用米、飼料用米等生産補償金の交付

1 国は、毎年度、予算の範囲内において、米粉用米、飼料用米を生産する農業者に対し、その収入を補てんするための交付金を交付するものとすること。

2 1の交付金の額は、米粉用米、飼料用米の種類別の面積単価(農林水産大臣が主食用米の標準的な生産費と米粉用米、飼料用米の標準的な販売価格との差額を基本に定める面積当たりの単価をいう。以下同じ。)に生産農業者のその年度における当該米粉用米、飼料用米の生産面積を乗じて得た金額とすること。この場合において、交付金の額の算定については、政令で定めるところにより、当該主要農産物の品質、環境の保全に資する度合を加味するものとすること。

3 農林水産大臣は、面積単価を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならないこと。

【ポイント】
●コメ農家が、米粉用米・飼料用米をつくる際に、主食用米に準じた所得を直接補償

四 自給飼料購入畜産農業者助成金の交付

1 国は、毎年度、予算の範囲内において、自給飼料購入畜産農業者に対し、その支出を補てんするための交付金を交付するものとすること。

2 1の交付金の額は、自給飼料の種類別の重量単価(農林水産大臣が配合飼料の標準的な価格と自給飼料の標準的な購入価格との差額を基本に定める重量当たりの単価をいう。以下同じ。)に畜産農業者のその年度における当該自給飼料の購入重量を乗じて得た金額とすること。

3 農林水産大臣は、重量単価を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならないこと。

【ポイント】
●畜産農家が、飼料用米等を購入する際に、(比較的安価な)配合飼料並みに購入費を補助

五 耕蓄連携助成

1 国は、飼料用米生産農家と自給飼料購入畜産農家との飼料流通の円滑化に必要な助成を行うものとすること。

2 国は、飼料稲TMR(完全混合飼料)生産プラントの建設に関する助成を行うものとする。

六 機械装備費等助成

1 国は、ラッピングマシンなど発酵飼料稲生産機械装備費用に関する助成を行うこと。

2 国は、飼料米等配合濃厚飼料生産機械装備費用に関する助成を行うこと。

七 非主食用米バイオエタノール化プラント建設費助成

1 国は、家畜の糞尿メタンを燃料として活用した非主食用米及び稲ワラのバイオエタノール化、副産物タンパク(アルコール糟)の乾燥飼料化、炭酸ガスの回収・利用の総合プランテーションの建設に関する助成を行うものとすること。

2 国は、1のバイオエタノールの農業機械用燃料への利用、副産物タンパクの乾燥飼料の利用、炭酸ガスの冷却装置への利活用等に関する助成を行うこと。

【ポイント】
●工業的な非主食用米バイオエタノール生産ではなく、あくまでも、あまった非主食用米での農村地域内部でのエネルギー自給自足、持続可能な地域分散型エネルギーモデルの構築

八 米粉食普及等助成

1 国は、中小企業に該当する製粉加工所における米粉製造機械の購入費用に関する助成を行うこと。

2 国は、学校給食の週4回以上を米飯に、その他の場合、国産米粉を使用したパンやメンを導入する場合、これらを導入する地方自治体に対して必要な財政措置を講ずること。

【ポイント】
●将来的には、各農協くらいの単位で製粉や製パン・製麺等、加工所を設置。農家が生産・加工・流通までも関与できる仕組みをつくる。

九 交付金の返還等

1 偽りその他不正の手段により三ないし八の交付金の交付を受けた者があるときは、農林水産大臣は、その者に対してその交付を受けた交付金の全部又は一部の返還を命ずることができること。

2 三ないし八の交付金に係る交付の申請、報告及び検査、罰則等について、所要の規定を整備すること。

十 施行期日等(附則関係)
(略)

 

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