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賃上げなくしてデフレ脱却なし

社民党街宣で福島党首らアピール

賃上げなくしてデフレ脱却なし

 12年度補正予算案の衆院審議が大詰めを迎えた13日、社民党全国連合は都内のJR新橋駅前で街頭宣伝を行ない、「社民党はとことん雇用にこだわり、給料を上げろという政策を提言し、実現していきたい」(福島みずほ党首)との決意を市民にアピールした。

 デフレ脱却を掲げた「アベノミクス」について福島党首は、インフレ目標が独り歩きする一方で、97年以来賃金が下がり続け「使い捨て雇用」がまん延するという状況が変わらなければ、25年間続く復興所得税が始まり、来年4月からは消費増税が予定される中、庶民の暮らしは苦しくなるだけだとして、「物価を上げれば雇用がついてくる、そんなのウソっぱちだ」とバッサリ。13年度予算案に盛り込まれた生活保護切り下げにも触れて「給料より生活保護の方が高いと言われるが、安い給料の方が問題ではないか」と述べ、最低時給を1000円に引き上げる必要性を訴えた。高齢の生活保護受給者が急増している背景には、生活が苦しいため年金保険料を払えなかったことによる「無年金者」の増加があるとも指摘した。

 照屋寛徳国対委員長もマイクを握り、「沖縄は無人島ではない。アメリカの軍事植民地でもない」と危険なオスプレイ配備の撤回を求める沖縄県民の総意を訴えた。また照屋国対委員長は、米軍統治下で平和憲法が適用されず、基本的人権の保障もなかった「無憲法下の沖縄」を自分は身をもって知っているとして、憲法改悪をもくろむ安倍政権との対決姿勢を強調した。

予算案の問題点・吉田忠智政審会長に聞く

■アベノミクスの危うさを追及 国会では、2012年度補正予算案の審議が進められ、この後には13年度予算案の審議が待ち構えている。安倍政権は、金融緩和・財政出動・成長戦略を「3本の矢」とする経済対策でデフレ脱却と経済活性化を達成するとしており、予算案をこの一環と位置付けている。「アベノミクス」は、果たして個人消費と内需拡大による持続的な成長を実現できるのか。社民党の吉田忠智政審会長は、小泉構造改革で格差拡大と経済停滞を招いた張本人たちが、その新自由主義的政策の失敗の反省を抜きにして、もう一度同じことをもっと大々的にやろうというのがアベノミクスの中身だと批判し、「貧困・格差の是正を抜きにして国民の生活再建はあり得ない」と強調。いま求められているのは働くもの・地域経済・中小企業にしっかり目配りした「家計を温める政策」だと指摘した。

吉田忠智――補正・本予算案を合わせた全体の枠組みをどう評価するか。

 吉田忠智政審会長:政府は「15ヵ月予算」と言っているが、切れ目のない予算執行による経済対策の実行という観点からすれば、補正予算編成はあながち否定されるべきものではない。問題は、補正予算案、本予算案を通じたその内容だ。

 第1に、公共事業にあまりにも依存していること。公共事業費は4年ぶりの拡大となり、補正、本予算を合わせると約10兆円規模に膨らんだ。かなり無理して積み上げたのではないか。

 第2に、借金依存体質の改善が遠のいた。政府は13年度予算案で、新規国債発行額を4年ぶりに税収見込み額以下に収め、財政規律を守ったとしているが、実は同じく国の借金である基礎年金国庫負担分を加えただけで税収を上回っている。補正予算での国債発行と合わせると借金総額は53兆円に上る。しかも、当初税収見込みの43兆円は2・7%の名目成長率を根拠としており、実現の可能性は薄い。

 第3に、社会的弱者と地方に冷たい中身の問題。過去の物価下落に合わせるという理由で年金の支給水準が引き下げられ、保険料は逆に引き上げられる。

 また、生活保護の生活扶助基準額を引き下げるなどして、3年間で740億円を削るとしている。

 さらに、地方公務員の給与を国家公務員並みに引き下げることを前提に、地方交付税総額を3900億円減らすという。これはいわば政治的な削減措置であると同時に、景気対策を言いながら地域経済を冷え込ませるという矛盾した政策だと言わなければならない。

――これから本格化する予算審議に向け、党の主張の力点と決意を。

 吉田:いま必要なのは「家計を温める政策」だということに尽きる。すなわち、国の予算は労働者や社会的弱者、地方、中小企業に行き渡るものでなければならないということだ。この立場から政府としっかり論戦を交わし、アベノミクスの問題点と国民生活にとっての危険性をしっかり追及していきたい。国民の皆さんの注目と応援をお願いする。(インタビュー全文は『社会新報』2月20日付に掲載)

公共事業肥大化で財政規律を喪失
12年度補正予算案が通過

 12年度補正予算案が14日、衆院予算委員会、同本会議で与党の自民、公明と野党の維新などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。社民党は反対した。民主、みんな、共産、生活の野党各党も反対。

 社民党の反対理由は、@新規国債発行約5・2兆円に、基礎年金の2分の1国庫負担に充てる年金特例公債を加えると国債発行額は7・8兆円余に達し、財政規律の面から看過し得ない。年金特例公債も将来の消費増税を財源としており問題A「人からコンクリートへ」と言わんばかりの公共事業費の増大は疑問。事業の中身の精査が必要であり、補正予算に積むことで13年度予算案の公共事業費を小さく見せようというやり方も一種の粉飾だと言えるB「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指すとして、財界・大企業優先の施策が多く盛り込まれている――など。

文民統制を徹底し日中の対話強化を

照屋国対委員長■「日曜討論」で照屋国対委員長 社民党の照屋寛徳国対委員長は10日、与野党の国会対策責任者と共にNHK番組「日曜討論」に出演し、当面の課題について議論した。

 中国軍艦艇が海上自衛隊護衛艦に射撃用レーダーを照射したとされる問題で、照屋国対委員長は「極めて遺憾であり厳重に抗議したい」と述べた上で、「今回の真相は分からない点が多い。現場の勇み足の可能性が強く、過剰な反応は慎むべき」と指摘。「こういうときにこそ軍事的な対応で事態がエスカレートしないように、シビリアンコントロール(文民統制)を徹底して、日中間の対話を強化していかなければならない」と主張した。

 日本銀行新総裁の国会同意人事問題で照屋国対委員長は「財政・金融分離の観点から財務省出身者を充てることには基本的に反対。同時に、いわゆるアベノミクスに追随するような『お友達』は日銀総裁にはふさわしくない」との見解を表明。併せて、同意人事のあり方について「事前報道された人事案は一切認めないという硬直的なルールの見直しは当然」だとした。

【社会新報】 今週の主張

成長戦略 安心安全脅かす規制緩和に警戒を  部活顧問教師の体罰を苦に大阪市立桜宮高生徒が自殺した事件を受け、同市の橋下市長が予算執行権を盾に入試中止と教員総入れ替えを要求した問題は、さまざまに波紋を広げた。[つづき→成長戦略 安心安全脅かす規制緩和に警戒を]

(社会新報2013年2月20日号より)

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